【クラス編成】_高校のクラス替え(編成)と担任はこうして決まる

学校生活
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。

今日は高校生にとって大きな関心事でも、
その中身は全くの闇に包まれた、
「クラス編成」のお話です。

間もなく3学期。
そろそろ進級や次のクラス、担任などが気になり始める時期ですよね。

最初に結論から言うと、
クラス編成に「決まったやり方」はありません。
学校の実情や担任団によってやり方は変わります。
だから今日紹介するのは「私が経験したこと」であり、みなさんのクラスもこう決まっているとは限らないことを承知の上でご覧くださいね。

クラス編成は学年によっても大きな違いがあります。
1年生はどんな生徒かまだ分からない状況だし、3年生になると類型や選択科目でクラスが決まることもあります。
だから今日は学年ごとにどんな点に気をつけてクラス編成するか?
私の体験談をお伝えします。

なお、最初に断っておきますが、私が知ることでも表に出せないことはあります。
教員を辞めた今でも「守秘義務」があり、具体的にお話できないこともあることをご了承ください。
ここで書けないことは、行間から読み取っていただくしかありませんが、
最後まで読んでいただけるとうれしいです。

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1年生のクラス

クラス編成方法

1年生のクラス編成は入試の合格発表後に、3年担任団で行います。
3年生の担任は、すでに卒業式を終え、担任業務が無い時期だからです。

まず合格発表が終わったら、新入生の出身中学校を訪問して、中学の先生と情報交換をします。
訪問の目的は「健康上で必要な配慮」など内申書に書いていない事項を確認するためです。

1年生のクラスは、芸術科目以外は共通なので、次の条件に合うよう、まず生徒を「機械的」に振り分けます。

  • 芸術選択を校内の規定通りに配分
    芸術科目を固めてクラス編成する学校もあれば、均等に混在するよう編成する学校もある
  • 男女比を合わせる
    体育祭や文化祭でクラス差が出ないようにするため
    体育の授業で人数差が出ないようにするため
  • 入試得点や内申点に偏りが出ないよう配分
    クラスによる学力差を出さないため(授業の進度が変わらないため)
    学校によっては特進クラスを設定するところもある
  • 同じ中学や同じ苗字の生徒が極端に固まらないように
    入学後の人間関係や、呼名時にややこしくならないため
  • その他
    内申書の内容や学校の実情等から配慮する事項

機械的に振り分けたら、次は人の手と目によってさらに細かな配慮を加えます。
例えば過去に「いじめっ子」と「いじめられっ子」だった二人が同じクラスに入っていないか?とか、文化祭で合唱があれば、ピアノ弾ける生徒を各クラスに入れる等の配慮をします。

しかしこの配慮で、芸術選択や男女比が狂ってはいけませんし、学力差が大きくなってもいけません。
授業やテスト、さらに行事は、同じ条件で行う必要があるからです。

ちなみに芸術選択の時、同じクラスになりたいからと、友達同士で同じ科目を選択する新入生がいますけど、混在パターンの学校では全くの無意味ですからね(;´∀`)
自分のやりたい科目を選択してくださいね。

担任

1年生の担任は4月1日に決まります。
クラス編成をしても、新入生はどんな生徒か?とか、どんなクラスになるか?は、
フタを開けなければわかりません。
高校になってデビューする子もいれば、逆に落ち着く子もいるし、生徒同士の相性もあるので、難しいんですね(;’∀’)

どのクラスの担任になるか?は、学年主任に一任というケースが多かったように思いますが、不登校や発達障がい傾向の生徒がいるクラスにはカウンセリング経験豊かな先生が入ったり、女子で健康上の配慮を必要とする生徒には女性の担任が入ることもあります。
また問題行動の多い生徒には生徒指導経験豊かな先生が担任になることもありますが、特に1年の担任は、こういったことを総合的に配慮して、学年主任が担任を配するケースが(私の経験では)多かったように思います。

高1クラスの難しさ

高1クラスは以上のように、違う中学の生徒をごちゃまぜに組み合わせるので、フタを開けてから思わぬ長所短所が現れることもあります。
クラス編成時点で読めないのは、入学後の変化や、他校生同士の相性です。
新入生は最初誰もが不安を抱えているので、合格発表後すぐにLINEのグループができたり、入学後誰と昼休みを過ごすか?など、スタートダッシュに乗り遅れないよう余念がありません。
授業も部活も初めての環境で緊張の中、生活のペースが落ち着いてくる5~6月から登校を渋ったり、問題行動が起き始めます。

高1生はこのあたりでクラスの「色」が少しずつ見え始めて、ここで教員が対応を誤ると最悪学級崩壊状態になることもあります。
ま、進級の心配が伴う高校で学級崩壊は稀ですが、高1では可能性があるんですね(-_-;)

一方、生徒の構成や相性がいい時は、本当に良いクラスができます。
行事では盛り上がるし、成績もいいんですね。
学年末には文集を発行したり、涙涙のお別れ会までするところもあります。
こんなクラスを担任できた先生は幸せ者だと思います。

2年生のクラス

クラス編成で一番難しいのが、2年生です。
生徒の様子もわかっているし、修学旅行など大きな行事もあるので、編成には膨大な時間と気を遣います。

編成作業は1月頃から行います。
以下私が学年主任で行っていた時の方法を(書ける範囲で)ご紹介します。

生徒の希望を聞く

これ、みんなにビックリされるんですが、私は生徒の希望を事前に聞いていましたね。
教師の知らない生徒同士のトラブルなんかを事前に確認するためです。

もちろん、希望を聞いても不可能な場合もあることを伝えた上の確認です。
個人情報の塊になるので、用紙は本人が担任に手渡しとし、複数希望がある場合は、生徒にも優先順位をつけてもらいました。

心配される方も多いのですが、希望を聞いても意外に大丈夫でしたよ(^^♪

優先順位をつける

ここで気になる希望をした生徒には、各担任が面談で詳しい話を聞きます。
個人面談は学期に1回全員としていたので、そのついでに聞くかんじです。

これを持ち帰り、学年会議で優先順位をつけ、担任団全員で共通理解をしておきます。

編成作業

進級判定会議が終わるとすぐに編成作業に入ります。
作業には以下の手順を踏みます。

  1. 類型(文理や特進)、芸術選択、男女比、成績で機械的にクラスを別けます(2月ごろ)
    ・この時点でクラスが固定(理系が1クラスの場合とか)する生徒もいます。
    ・同じクラス、中学、部活、苗字の生徒が固まり過ぎないようにも配慮します。
  2. 生徒希望を優先順位順に確認し、可能な限りでメンバーの「入れ替え」をします
    ・生徒の希望が反映されているか?優先順に確認していきます。(特に離す方重視)
  3. 担任からの情報を加えて次の「入れ替え」をします
    ・次に担任の意向も取り入れます。特に孤立傾向の生徒が新クラスでも孤立しないよう配慮したり、リーダーシップがある生徒を分散させるようにします。
    ・クラス内でカップルがいる場合は離すことが多いです。(クラス全体への影響やカップルが別れた場合を想定するためです)
  4. 生徒の顔写真を新クラスごとに固めて「顔ぶれ」を確認します
    ・顔写真を並べると新クラスの雰囲気が見えてきて楽しいです(^^;
    ・顔ぶれを見て、ここでも若干の「入れ替え」をします。
  5. 最後に1~3の条件を再確認して問題なければ終了です

担任

高2の担任は原則1年担任団が持ち上がります。
異動や年度途中に産休に入ることがわかっている場合など変更の可能性もありますが、過去1年間お付き合いのあるよく知った先生の方がお互いに安心できますよね。

保護者からのクレームはあるけれど…

もちろん今どきのクラス編成には保護者からの要望やクレームはあります。
要望は生徒から聞いているので、その旨を伝えて受け流します。
クレームも必要以上に心配したお母さんからが多く、これも問題にすることはまずありません。
理解していただくのみですね。
ま、「クラスを変えろ」と言われても、発表後には絶対に変えられないですからね(;´∀`)

一方、2年生のクラス編成は最も時間をかけ配慮するので、そのおかげか?大体イメージ通りのクラスにはなります。担任の配置もしやすいです。

それでも修学旅行の部屋割りをはじめ、行事のたびに担任は苦労します…
高2生は精神の成熟度合に個人差が大きいためですが、これは学校間によっても大きな差が見られます。

3年生のクラス

3年生は、選択科目や類型でクラスがほぼ固定化されるので、機械的に振り分けたらもう動かせないこともしばしばです。
また3年では類型として教育課程にない場合でも、看護系や就職希望の生徒を固める学校もあります。
さらに精神的にも3年生は大人なので、一応生徒の希望は聞きますが、よほどの場合を除いてはこれを重視しません。

それでも2年生と同じような過程でクラス編成をやります。
少しでもよりよい編成になるよう、可能な範囲で熟考しますからね。

担任も原則2年担任団が持ち上がります。

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まとめ_クラス編成に満点はない

学年に数百人いる生徒を40人ごとのグループに分ける作業に100点満点はありません。
あれだけ時間をかけ、検討し尽くしても上手くいかないことだって実際にはあります。

しかし先生方は、その時々でできる範囲のことを本当に一生懸命に取り組んでおられることは理解してください。
新クラスは生徒たちの次年度を決める大切な要素であることを、先生方は痛いほどよくわかっているからです。
学年末はクラス編成に限らず、指導要録や異動準備など仕事が山積する時期ですが、生徒の将来を深く考えるからこそ、クラス編成には時間と手間を惜しまないんですね。

特に高1のみなさん、
クラスの人間関係や進級、2年生になってからのことも考えると、不安は尽きないと思いますが、先生方のご協力もいただきながら、より良い将来の展望になれば、この記事を書いた甲斐もあります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
高1クライシス人間関係について書いた過去記事も併せてご覧いただけるとうれしいです。
ではでは、、、また次回、、、

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