【学園祭】コロナ後の新しい学校行事のあり方を模索しよう

行事
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いつもご覧いただき、ありがとうございます。

今日のテーマは学校行事の中で最も盛り上がる【学園祭】、つまり体育祭や文化祭です。

コロナ前、体育祭や文化祭の心配といえば「天候」や「熱中症」でしたが、
コロナ禍が落ち着いた今年は、また違った心配が出てくるはずです。

学校行事には、その学校が昔から受け継いできた「伝統」があって、後輩はこれを先輩から引き継いで代々伝え送るところがほとんどでしょう。
学校ごとに○○祭という独自のネーミングが付けられて、これも代々受け継がれていきます。

しかしコロナ禍で行事の縮小を余儀なくされたここ数年は、今後の学園祭を大きく変えることにもなるきっかけになったのではないか?
さらにそんな分岐点に立つ今年の学園祭を運営する生徒会執行部は、これまでにない苦悩の毎日となるだろうと想像します。

私は在職中6年間生徒会顧問として学園祭や球技大会等の運営に関わってきた過去があります。
その間いくつかの学園祭改革も行い、うまく行ったことも行かなかったこともありました。

今日はコロナ禍後の学園祭をどう運営するか?
またどんな点に気をつければいいか?ということを一緒に考えましょう。

記事ではまず今年の学園祭を開催するまでの予想される困難を洗い出し、その解決法を考察する、という内容で進めていきます。
今日は、私が今生徒会顧問だったら?という仮定で、その運営を考える記事にしようと思います。

いま生徒会執行部の人や、生徒会顧問になって日が浅い先生方に読んでほしい内容です。

最後まで読んでいただけるとうれしいです。

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2023年度_学園祭準備に予想される問題点

今年はコロナ禍が落ち着いて、制約なしの学園祭が開催できる年です。
しかし制約なしの学園祭ができるのは2019年度以来なんですね。
その間実に4年間。
4年ぶりにフルバージョンの学園祭ができるのは喜ばしい一方で、次の困難も考えられますね。

担当者(先生)が変わっている

4年間で生徒会顧問が変わっていて、これまでのやり方を知る者がいない
という困難が想像できます。

生徒会に限らず、どの校務分掌も前任者と新任者を組み合わせ、仕事内容は代々申し送っていくものですが、4年前の担当者が他の分掌に移っていたり、時には人事異動で転勤もあるはず。

そんな時は4年前の資料(データ)を掘り起こして、その要項を見直すことから始めなければなりません。
また4年前の担当者に聞きまくったり、自身が同校に在職していたならそれを思い出すことから始める必要がありますね。

とにかく4年前のノウハウを確認することが必要になる分、余計な労力が予想されるのが、今年の学園祭運営になると思われます。

生徒がすべて入れ替わっている

2019年度に在籍した生徒は、今すべてが入れ替わっており、フルバージョンの学園祭を誰も知らない、というのが困難の2つめです。

高校の学園祭は学校にもよりますが、教師主導より生徒主導で行われるのが一般的な中で、フルバージョンを知らない生徒ばかりで運営するのはどう考えても大変です。

もちろん4年前の資料やビデオを見てその様子はイメージできても、実際に経験していない不利は大きいんですね。

  • その不利をどう埋めながら伝統を継承し、さらに新しいスタイルを創造するか?

今年の生徒会執行部に求められるのは、この一点だといっても過言ではないでしょう。

準備計画が立てにくい

学校推薦型や総合選抜型入試の割合が増し、入試がどんどん早期化する中で、学校行事も前倒して開催する学校が増えてきました。

さらに夏休み前後に行われることの多かった学園祭は、近年の酷暑による熱中症や梅雨末期のゲリラ豪雨を避けて5~6月に前倒して開催するところも増えてきました。

そうなると新年度に入ってから準備をしていてはとても間に合いません。
前年度末には要項が完成して、新年度からGoする日程で、やっと全校生徒が動けるようになるでしょう。

しかし年度末には人事異動があり、生徒会担当も変わる可能性がありますし、現実年度末や新年度はやることが山積みで、とても学園祭にまで手が回らないことも考えられます。

また生徒会執行部の新入生は、右も左もわからない状態で戦力になりませんし、授業や考査、部活動を削ることもできない中で、どう準備計画を立て、全校生徒を動かすか?
そんな生徒会の力量が問われる学園祭を創造するのが、今年だと思います。

今できることは?

しかし時は待ってくれないので、今できることを考察しましょう。
もちろん学園祭の形態は高校によってまちまちなので、決まった答えはありません。
ここでは「考え方」を中心に記事を書き進めようと思います。

生徒会顧問ができること

教員の立場でできることは、4年前の学園祭を知っている教員はたくさんいるはずなので、折を見て詳しそうな先生と情報交換を欠かさないことです。
詳しそうな先生とは、当時の生徒会顧問をはじめ、学年主任や担任経験者が望ましいでしょう。

さらにそれを定期的に生徒に卸してやることです。

また伝統は継承しても丸々踏襲する必要はありません。
教育現場の悪癖は「前例踏襲」だからです。

この悪癖があるためブラック校則はいつまでも変わらないのです。

前例踏襲型の風潮に疑問を持つ教員は多数いるはずですが、現実には日々多忙な中で一番楽な方法だということをみんなよく知っているから変わらないのです。

しかしコロナ禍で分断された4年間は、いい意味で考えると、前例踏襲の悪癖にメスを入れるチャンスでもあります。

今年実現できなかったにしても、次年度に、より柔軟な発想の学園祭が創造できたら、苦労の甲斐もあると考えられますよね。

そのためには生徒会執行部を巻き込んだ話し合いとともに、学園祭後の総括をしっかりと行うことや、生徒の柔軟な発想をなるべく活かしてやる姿勢が求められます。

どんなやり方をするにせよ一定数の反対はありますが、それに屈することなく、新時代の学園祭を創り上げる意気込みでがんばってほしいと思っています。

生徒会執行部ができること

高校生活で経験する学園祭は、去年~一昨年と不完全燃焼だったはず。
「今年こそは!」と気合も入りますね。

しかし今年一気に4年前の学園祭と同じことをするのは難しいと思います。
なぜなら4年前のノウハウを知る生徒が誰もいないからです。

だから今年は「転換の年」と位置付けて、昨年が60点なら今年は80点くらいを目指す運営を心掛けましょう。
そして自分たちの世代が「新学園祭」を創造する初代旗手として、今年築いた実績を後輩たちに引き継いでいく気概を持って取り組んでみてください。

これまで先輩の創り上げた伝統を踏襲するばかりではなく、新時代を築き上げるのは自分たちだ、というプライドを持って学園祭に臨みましょう!

生徒としてできること

すべての生徒に言えることですが、
今年の学園祭には「モデル」がありません。

モデルとは「去年の先輩の○○」など、参考になるものすべてをいいます。

もちろん昨年度も制限付きで学園祭は行われていますが、それが緩和された今年は昨年できなかった幅広い取り組みが可能です。
…とはいえ、何をどう制限され、それを緩和したらどうなる?という具体的なイメージがないところで、何ができるか?を探求するのは簡単ではありません。

だから今年の学園祭は、みなさんの創造力と探究力の勝負になります。

そのためにできることは、
「見る人に何を訴えるか?」
だと思います。

これまでは密を避け続け、制約ばかりの中で行われてきたことを考えれば、
より多くの人に見せる(魅せる)取り組みが可能となったわけです。

自分が「見る」側の立場なら、こんなものが見たい、というイメージを常に持ちながら準備に取り組んでください。

体育祭・文化祭のやりがい

協働学習

体育祭は運動神経のいい生徒ばかりではなく、全員が楽しめるよう、プログラムが組まれています。
競技ばかりでなく、クラス旗を作ったり、バックデコレーションや衣装なども手作りし、クラスや団の結束を固めます。競技は個人競技と団体競技に分かれていますが、圧倒的に盛り上がるのは、リレーやマスゲームなどの団体競技です。
文化祭も合唱や演劇など、チームで取り組むプログラムが多いですね。

体育祭をはじめとする行事はリーダーが育つ場です。
決められた時間や予算、ルールのもとに、準備計画を立て、集団をけん引します。
副リーダーは、リーダーの参謀として、補佐役にまわります。
その他、衣装係や学級旗係など、いくつかの係に分かれて、リーダーは適切な指示と助言を与えながら準備を進めていくのが、一般的なスタイルです。

このような活動を行う体育祭・文化祭は、典型的な「協働学習」の場です。
協働学習は、近年学習活動にも積極的に導入されている流れですが、
授業が「個人を評価」するのに対し、体育祭や文化祭は「集団を評価」するシステムであるので、全員のレベルアップが要求されるため、自然と「協働」できる体制になるんですね。
授業では見せない生き生きとした顔で体育祭の準備をする生徒を見て、私は「授業もこんな表情で受けてくれたらいいな…」と、いつも感じていました。

自主性の涵養

もう一つのやりがいは「自主性」です。
体育祭・文化祭は、一般的に生徒たちが「やりたい」活動です。
(もちろん全員がそう思ってるわけではありませんが…)
これは学習も同様です。何でも「やらされる活動」ではその効果は半減します。
「自分でやりたい」と思うからこそ、やり方を工夫し時間もかけ努力もできる。
だから、たとえ結果が伴わなくても、次に繋がる経験にはなります。
つまり、そういう前向きな気持ちで取り組むこと自体に教育効果があるんですね。

これは部活動にも共通する要素です。
体育祭や文化祭も、部活動も、高校の教育活動では「課外活動」に位置しますが、
「課外」だからこそ、その活動に柔軟性が求められ、工夫がしやすい。
また、究極をいえば「やっても」「やらなくても」いい活動でもあります。
しかし「自分でやろう」と意欲的に取り組んだ経験は、人を大きく成長させるのです。

人間関係の構築

学園祭をはじめとする行事は、身近にいる人の意外な魅力を発見する機会です。

もし毎日毎日が授業ばかりで変化のない生活なら、人との付き合い方や見方は限定的になるでしょう。

しかしいつもと違う日常だからこそ違った接点が生まれ、人の意外性を発見できるんですね。
これまで口もきいたことのない人と、急に仲良くなることなんてよくある話です。

逆に人間関係壊れちゃうこともありますが「自分に合わないことがわかってよかった」くらいの前向きな考え方で乗り切りましょう。

学園祭を機に、クラスの雰囲気がぐんと良くなることをお祈りしております。

まとめ_裏方に徹する「生徒会執行部」の存在を忘れないで

私は長く生徒会担当をした経験から、
裏方で行事の運営をする生徒会執行部の苦悩を目の前で見てきました。

体育祭や文化祭の骨子を考えるのは生徒会ですが、
団長会議や生徒総会にこれを諮り、修正を重ねて要項が出来上がります。

限られた時間と予算で、多くの生徒が満足できるよう準備を進めますが、
途中思い通りにならないことだらけで、そのたびに対応を迫られます。
周りからは文句や苦情ばかり言われて、報われない気持ちにもなります…(´;ω;`)ウッ…
そして執行部員は、クラスでも役割を持つ二刀流で臨んでいるので、途中で病んでしまったり、人間関係のトラブルにもよく直面しました…。

そんな困難を乗り越え、行事が無事終了した時は、みんないい顔してました(#^^#)
生徒会執行部は、裏方に徹する目立たないポジションですが、人間的に大きく成長できる場です。
成長できた、と実感できるからこそ、いい顔になるんですね。

そして生徒会執行部の存在は一般の生徒にはあまり見えない部分です。
しかし見えない部分が機能してこそ、当たり前のように何事も成り立っているという現実を知ってください。

また今年の学園祭は、久しぶりのフルバージョン開催となるので、これまでの経験や実績が生かせないというハンデもありますが、会長を中心に、時には先生方のサポートも受け、充実の学園祭を作り上げてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは、、、

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