アパレル販売員は何歳ぐらいまで働けるのでしょうか。
ショップでの印象から、若い世代中心のイメージを持っている人も多いかもしれません。
しかし、実際は思っているよりもかなり幅広い年齢層の人が活躍しているのです。
では、アパレル販売員の転職や働き方は年齢によってどのように変わるのか、こちらの記事では、アパレル販売員として長く働くためのポイントを交えながら、年齢に合わせた転職や様々な働き方について紹介します。
目次
アパレル販売に年齢制限はある?
アパレル販売員には決められた年齢制限がありません。
中には10代~20代中心のイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際には30代~40代以上の人も多数活躍しています。
その理由として挙げられるのは、ターゲット層の異なるブランドがあることです。
例えば、ヤングカジュアルのショップで親ぐらい年の離れた販売員だと若い人は気を遣うと思います。
逆に50代の人がラグジュアリーブランドで服を選ぶ時、10代の販売員よりも世代の近い販売員の方が安心感や説得力があるのではないでしょうか。
つまり、何歳までということではなく、ブランドの求める人物像とマッチするかどうかが肝心なのです。
未経験からアパレル販売へ転職
アパレル業界や志望企業への理解を深める
未経験だからこそ、アパレル業界や志望企業への理解を深めることは大切です。
しっかりとリサーチすることで今までのイメージとは違う一面を知り、将来の方向性や覚悟が明確になってくるでしょう。
アパレル販売は華やかさがある一方、肉体的・精神的にもハードな仕事です。
実際、ファッション好きで販売員になったものの、「イメージと違った」「思ったより大変」という理由で辞めていく人が多いのも事実。
採用担当者も長く続けてくれる人材かどうかを見極めようとしています。
求人内容に合わせて5年後・10年後のキャリアビジョンを伝えられるようにまとめておくと良いかもしれません。
10代は熱意をやる気に置き換えて根拠を示す
10代であれば社会経験が少ないのは当然ですが、その分ファッションやブランドへの熱意をどのようにアピールするのかがポイントです。
前提として、熱意があってもやる気に繋がらなければ仕事にはなりません。
まずは自分自身を振り返って、仕事に役立てたい性格や強みを明確にしましょう。
部活動やアルバイトなど、学生時代のエピソードを交えながら「なぜアパレル販売に活かしたいのか」という具体的な根拠を示すことができれば採用担当者もイメージしやすくなります。
20代以上は経験やスキルを関連付ける
20代以上が見られるのは経験やスキルです。
アパレルには年齢制限がありませんが、世代が上がるほどそれまで積み重ねてきた経験の中身が重要になってきます。
特に何かしらの接客経験があれば、販売に役立つので積極的にアピールしてみてください。
また、販売職では一見関係の無いことを関連付けて考えられるような柔軟な思考力も必要です。
上手く活かせば自己アピールにも使えます。
例えば周囲と協力して成し遂げた実績であれば、協調性の高さや目標に向かって努力する姿勢、諦めない忍耐力・・・など。
今までの自分を振り返って、経験やスキルをアパレル販売に絡めながら整理してみましょう。
アパレル販売で年齢ごとに見る働き方とは?
10代~20代の働き方
上の世代と比べてまだ社会経験が少ない分、新しいことを吸収するのも早く、未経験でもチャレンジしやすい世代です。
アパレル販売としての知識やマナーを身につけて、今のうちに経験を重ねていくことが大切。
将来キャリアアップや転職時には、この経験が大きく影響することでしょう。
順調に実績を重ねていけば、現場で店長やエリアマネージャーという道も開けてきます。
ブランドの世界観を追求するのも、どこにでも通用するコミュニケーションスキルを身につけるのも、将来の選択肢は経験の積み方次第です。
30代~40代の働き方
10代~20代からアパレル販売をしてきた人は、現場で店長を目指すほか、社内の配置換えで本社勤務に変わるか、ターゲット層が上のブランドへ転職するかに分かれます。
本社勤務には営業をはじめ、現場をサポートする職種があり、販売で培ったノウハウを活かすことが可能です。
一方、若い頃とは違って、体力面やライフスタイルが変化してくる世代。
中には限界を感じ、アパレル業界から離れていく人がいれば、未経験でアパレル販売へ転職を考える人や、出産・子育てのブランクを経て再チャレンジする人も増えてきます。
どちらにしても将来を考えて働き方を見直す傾向が強いといえるでしょう。
50代~定年の働き方
50代以上になるとアパレル販売員としての働き方もある程度限られます。
主な選択肢は、これまでの販売経験を活かした本社勤務や、百貨店の販売員、お得意様専属の外商などです。
また、年齢に合った個人経営の店やセレクトショップで販売員を続けたり、他の業界で接客スキルを活かす場合もあります。
今までと同様のブランドに転職することは難しいですが、若い販売員にはない経験値や雰囲気はベテラン販売員ならではの魅力です。
「もう年だから」と悲観することなく、学ぶ姿勢を忘れなければ、50代以上で働き続けることも夢ではありません。
アパレル販売を長く続ける7つのポイント
常に最新情報を接客に取り入れる
アパレル販売の知識は常に上書きされていきます。
もちろん基本内容は変わらないですが、デザインの傾向はトレンドの影響で変化を続けるものです。
販売を長く続けていけば、以前流行したデザインが再びブームとなることもあるでしょう。
しかし肝心なのは、前回のブームと今回とでは全く同じではないことです。
例えばコーディネートで提案する場合、現在の着こなしに合わせてアレンジするのが販売員の腕の見せ所。
過去の知識だけで接客しようとすると提案に限界がありますし、敏感なお客様には通用しません。
販売員として第一線に立ち続けるためには、常に最新情報を接客に取り入れることが必要なのです。
多方面で通用するコミュニケーションスキルを身につける
長くアパレル販売を続けるためにはコミュニケーションスキルが欠かせません。
10人のお客様がいれば性格や好みも10通り。
決まった答えがあるわけではなく、販売員の接客によって様々なストーリーが生まれます。
相手の反応を見ながら、その先の着地点(商品)を意識して会話の流れを考えてみましょう。
経験を重ねれば、「何をどうやっておすすめするのか」が反射的に組み立てられるようになり、接客だけでなくあらゆる場面で役立つ武器になります。
周囲とスムーズな人間関係を築いたり、取引先との交渉やプレゼンなど、多方面で通用するコミュニケーションスキルを身につけましょう。
顧客と一定の距離感を保つ
長くアパレル販売を続けていると、中には気の合う顧客ができることもあると思います。
ついつい気が緩みそうになってしまう瞬間があるかもしれませんが、接客マナーは忘れないよう気をつけてください。
些細なことがきっかけでトラブルになり、今まで気づいてきた信頼が一気に崩れることだってあります。
また、仲間内のようなくだけた接客は他のお客様から見ても決して良いものではなく、ショップに入りにくい印象を与えることもあるでしょう。
お客様は友達ではありません。
販売員として一定の距離感を保つことが、顧客との良好な関係を長く続けるポイントです。
日頃から体力作りする習慣を持つ
アパレル販売を諦める要因の1つに体力の限界があります。
例えば営業時間中は長時間立ちっぱなしが当たり前ですし、セールなどの繁忙期は連日残業が続きます。
ストック作業や事務処理などの様々な業務を含めると、身体への負担はかなりなものです。
10代~20代であれば、若さだけでもなんとかなりますが、30代を過ぎてくると疲れが取れにくく、不調が出やすくなってきます。
長くアパレル販売を続けるためには基礎体力を維持することが必要です。
ウオーキングやジョギングで足腰を鍛えたり、トレーニングで筋力をつけるなど、日頃から体力作りする習慣を持ちましょう。
ブランドに合った身だしなみを意識する
アパレル販売員ですから基本おしゃれ好きな人がほとんどだと思いますが、身だしなみとおしゃれは違います。
アパレルでの身だしなみとは、ブランドやショップのイメージに合わせて身なりを整えることです。
仕事中は売り場に限らず、常に見られているという意識が大切。
たとえコミュニケーションスキルに長けている販売員でも、ブランドの着こなしと合っていなかったり、清潔感がなければ説得力も半減してしまいます。
そういう意味では、身だしなみに気を配ることも接客の一部と言えるでしょう。
ブランドに合った身だしなみを意識することが、最終的には売上アップや顧客開拓にも繋がってくるのです。
自分の年齢やテイストに合ったブランドへ転職する
例えば、10代~20代から若い世代をターゲットにしたブランドで働いている場合、30代~40代になるとブランドイメージとのズレが次第に大きくなってきます。
本人が気にしなければ、それなりに販売を続けることは可能かもしれませんが、自分と合っていないブランドでの成長には限界があるでしょう。
逆にラグジュアリーブランドなど、ワンランク上のターゲット層を視野に入れてみると、重ねた年齢やこれまでの経験をスムーズに活かしやすいかもしれません。
長くアパレル販売を続けていくためには、自分の年齢やテイストに合ったブランドを見極め、転職するタイミングを逃さないことも大切です。
販売員としてお客様を見るように、常に自分自身を客観的に意識してみてください。
クリーデンスの評判は?アパレル転職に使えるポイントや注意点を解説
ライフスタイルの変化に合わせて雇用形態を見直す
アパレル販売を続けていくと結婚・出産、加齢による衰えなど、様々な要因からライフスタイルが変化していきます。
中にはアパレル販売を辞めたくないけれど、これまでのようには働けないという人もいるのではないでしょうか。
そのようなライフスタイルの変化に合わせた働き方を選べるのが派遣社員です。
正社員よりもシフトを優先して組んだり、自分の都合に合わせて就業条件を交渉してみることができます。
正社員と違い、1つの職場に最長で3年という縛りがありますが、ファストファッションからラグジュアリーブランドまで幅広い案件があるので、マンネリ化することなく、常に新鮮な気持ちで臨める働き方とも言えます。
【未経験スタート】アパレル派遣なびの求人とは?登録や注意点を解説
アパレル販売の経験を活かした新たな働き方
本社勤務という選択
アパレル販売の実績や取り組む姿勢が評価されれば、社内の配置換えで本社勤務という選択肢もあります。
営業やMDのようなマーケティングに関連する職種から、事務やカスタマーサービス、人事や総務など、さまざまな職種で販売経験を活かすことが可能です。
職種が変わっても、同じブランドで現場をサポートするという一体感が新たなやりがいに繋がるのではないでしょうか。
会社としても外部から採用するより、ブランドコンセプトや現場状況を把握している販売経験者の方があらゆる面で合理的です。
事務職をはじめ、体力的な負担が現場より軽減される職種もあるので、将来を視野に入れてキャリアチェンジするのも良いかもしれません。
起業という選択
アパレル販売で培ってきた経験や知識を活かして起業するというのも1つの選択肢です。
現在では実店舗を持つためのまとまった初期費用を心配しなくても、ネットショップを運営することができるなど、販売形態が多様化しています。
また、クラウドソーシングやハンドメイドサイトなどを介せば、個人レベルでも服飾系のクリエイターと繋がることが可能です。
このように時代に合った様々な手段と、長年のノウハウを組み合わせれば、起業して定年を気にすることなく販売を続けるという選択も決して遠い話ではありません。
別の業種へ転職という選択
これまで培ってきた経験や知識を活かせるのは、アパレル販売だけに限りません。
例えばコミュニケーションスキルは他の業種での販売や接客に活用できますし、営業職などで取引先との交渉やプレゼンに応用することも可能です。
また、社会人としてのマナーや協調性の高さを活かせば、販売とは異なった職種でも、円滑な人間関係を築いてスムーズな再スタートが切れるでしょう。
いつか自分が望む転職を成功させるためにも、日頃から多方面で通用するようなスキルを身につけておくことが大切です。
アパレル販売員から転職!おすすめの業種や職種を年齢に合わせて紹介
まとめ
アパレル販売には年齢制限がありません。
ターゲットの異なるブランドがあり、幅広い年齢層の人が働いています。
もし未経験からアパレル販売員へ転職する場合、自身の熱意や経験を仕事に関連付けてアピールしましょう。
販売員としての働き方は年齢やライフスタイルの変化と共に変わっていきます。
ワンランク上のブランドへ転職したり、雇用形態を見直したりするなど、自分自身を客観的に捉え、行動を起こすタイミングの見極めが肝心です。
またアパレル販売以外にも、様々な業種で経験を活かすといった選択肢もあります。
将来のあらゆる可能性を考え、どこにでも通用するようなスキルを今のうちから身につけておくと良いでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。