98カ国を周遊してきたからだろう、世界のホテルの夢を延々と見ていた。
目が覚めてから、実際に泊まった、とんでもホテルを次々と思い出す。
客室に入ってみれば、そこは建設資材置き場をかねていた(インド)
客室の中央に、ベッドの横に、トイレが、便器が鎮座していた(モロッコ)
朝目を覚ますと雪に埋もれて寝ていた。深夜のチェックインだったので、窓が割れていたことに気づかなかった(トルコ)
ベッドのすぐ上、中空に浮かんでいる透明性のバスタブ、アハハハハ(バンコク)
客室がゴキブリの巣窟だった。隣が中華料理店だったからだろう(ベトナム)
若き日、お金がなかったのと旅費の節約のためだろう、そんなホテルを多々泊まり歩いてきた。世界のホテル事情もまだよくなかったようだ。今となってはいい思い出のような……。