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彼の家へ

 

にもつをとりにいったのは、

 

 

 

 

母にカミングアウトをした、その日の夕方だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼とは、最後

どのような会話をして別れたのかは

 

憶えてはいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも

 

 

 

 

悲しい、よりも

 

きっと次へ。

 

 

 

 

ふしぎなくらいにこころは

 

前向きだったことはたしかだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GID(性同一性がい:当時)へのアプローチは

まずカウンセリングからスタートする。

 

 

母のサポートによって、

 

 

すでにはじめのカウンセラーとの予約は

とりつけられていた。

 

 

 

 

あまりの段取りのよさに

 

あっけにとられたのだけれど、

 

 

 

 

 

これが親というものなのだろうか。

 

 

 

彼を失ったことによって

埋めることがかなわなくなった

 

こころの風穴は

 

 

やがてわたしにとって

 

 

致命傷になるであろうことを

 

 

 

 

 

母は無意識のうちに

 

理解していたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

彼とのことは、

 

なにも知らないはずなのに

 

 

 

きっとなにかを察して、

 

行動を早めたのであろう。

 

 

 

 

 

 

 

わたしはようやく

成長しはじめていた。

 

 

皮肉にも、やはり子どもというのは

 

親の手から離れてこそ

成長し、そして親心にも

 

気がつけるようになるものらしい。

 

 

ようやく親を、ひとりの人ととして、

みることができるようになりはじめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このようなくらいしか

描写はしていないが

 

 

わたしは10代のほぼすべて、

 

母と衝突していたといっても過言ではない。

 

 

 

 

 

母とはそもそも真逆の性格であるし、

くわえて性別の問題もかさなっていた。

 

 

思春期が追い風となって、

 

 

炎はさらに盛んになる。

 

 

 

 

なぜ、衝突をするのか。

 

その答えはとても明瞭で、

 

 

 

ただわたしは、わたしの生きる道を

ただ愛してほしかっただけであるし、

 

 

母は母として、親として、

かけがえのない存在として。

目のみえるところに、

わたしを置いておきたかったのであろう。

 

お互いに理解してほしかっただけであろう。

 

 

 

してほしい、二人が出会うと

衝突することが、人である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあとにかく。

 

 

次なる目標が定まれば、

 

 

 

 

あとは歩きだすだけだ。

 

 

 

 

立ち止まるということは

こういう場合

 

 

 

苦痛を産むものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――でもその前に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

様々な " にもつ " は

整理しておかなければならない。

 

 

特に

 

長旅にが予想されるとき。

 

 

 

 

 

そしてどこかに置いてきたのなら、

あるいは誰かに預けてきたのなら、

 

 

 

なおさら

 

整理しておかねばならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは夜になるのを待って――……

 

家出して以来の、寝床でもあった、

 

 

 

 

都心のネットカフェへと

 

やってきた――。

 

 

 

 

 

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