佐野元春 名盤ライブ「Sweet 16」 KT Zepp Yokohama

佐野元春 名盤ライブ「Sweet 16」 KT Zepp Yokohama

2022年11月23日

名盤ライブ「Sweet 16」に参戦

佐野元春の名盤ライブ「Sweet 16」の開催の話を聞いたのは、2022年の春のことだった。佐野元春の誕生日にインターネットで配信された「元春TV SHOW」の中で、今年のアクション予定の中に、名盤ライブ「Sweet 16」の開催、というのがラインナップされていたのである。

アルバム「Sweet 16」は1992年のリリースで、2022年でリリース30周年を迎えるので、それを記念して再現ライブを開催するというのが主旨で、僕的には結構色めきだった。2012年にはやはり名盤ライブで「SOMEDAY」再現ライブを開催していて、そちらも見に行っているが、「Café Bohemia」や「VISITORS」あたりからファンになった僕的には、ちょっとピンとこないものがあった。その点、「Sweet 16」は、ファンになって数年経ち、ちょうど学生から社会人になる頃だったので、印象深いアルバムになっていた。

チケットの予約は8月ぐらいだったと思う。会場はKT Zepp YokohamaとZepp Nambaで、日程的にはKT Zepp Yokohamaが行けそうだったが、8月はコロナ禍がひどくて、果たして11月の開催時期にコロナ禍がどうなっているのかはわからなかった。ただ、3ヶ月も先の話なので、状況は変わるかも、と思い、チケットをファンクラブ先行で予約した。幸い、チケットは確保でき、8月に航空券とホテルの予約まで行ったので、旅費はかなり安く押さえられた。

10月になると、コロナ禍は治ってきて、日本政府も全国旅行支援等を開始し、経済優先の施策に変わってきていた。ただ、コロナ禍が治って来ているかというと、11月あたりからまた感染者が拡大しつつある状況である。それでも、福岡から横浜に遠征するという気持ちに変わりはなかった。

福岡から横浜へ遠征

11月23日が、KT Zepp Yokohamaでの名盤ライブ「Sweet 16」の開催日である。この日は勤労感謝の日で祝日。横浜まで遠征するので一泊するのだが、翌日24日と25日は会社の年休取得推奨日に当たっていたので、両日年休を取得していた。なので、時間的な心配は何もなかった。

ただ、残念なことに勤労感謝の日は、全国的に雨。僕の住む福岡もライブ開催地である横浜も雨。出かけるのにはよろしくない気候だった。横浜は師走並みの気温しか上がらないと天気予報で言っていたぐらいである。それで、服装も少し厚めの服装にせざるを得なかった。チケットを予約した時にはコロナ禍真っ最中だったので、横浜観光の予定は入れておらず、純粋にライブと宿泊程度しか時間をとっていなかったが、それはいいと思っていた。

朝はゆっくりでよかったが、公共交通機関の運行に支障が発生しないとも限らないので、朝8時に家を出た。飛行機は10時20分の便なので、ゆとりありすぎだが、空港のラウンジで時間潰せばいいかと思った。8時の地下鉄は、祝日だというのに結構混んでいた。途中から座れたが、立っている人も多い。ただ、10月に沖縄に旅行に行った時みたいに福岡空港に行く人はそんなに多くはない。多くの人は天神や博多で降りてしまった。空港の手荷物検査もそんなに待ち時間はない感じだった。

搭乗する便がスカイマークなので、チケットをまず発券し、それからラウンジで休憩をしていた。スカイマークだとスキップサービスが使えないのは残念である。ただ、運賃はとても安いが。

ラウンジの休憩を適当に切り上げ、手荷物検査場に向かったら、また、今日も混んでいた。10月の沖縄旅行ほどではないものの、手荷物検査場を抜けるのに、15分はかかっていた。そして、福岡空港の離発着遅れのために、スカイマークの出発時刻も遅れを生じていた。

飛行機は出発予定時刻を10分遅れて出発した。全国的に天気が悪いので、飛行経路も途中しばしば揺れた。上空から地上を見ようとしても、雲でびっしり覆われていて、地上は眺められなかった。羽田空港到着時刻も予定より10分遅れで到着した。羽田空港は、流石に混んでいる。人混みでいっぱいだった。

昼食は横浜名物の勝烈庵の勝烈定食を食べる

羽田空港から横浜に向かった。名盤ライブ「Sweet 16」の開催会場は横浜・みなとみらいのKT Zepp Yokohamaで、横浜駅から歩いて10分の場所にあると聞いたので、「では、横浜駅の周辺で昼食を食べよう」と考え、20年近く行っていない横浜名物のトンカツ屋、勝烈庵でトンカツを食べようと思ったのだ。

横浜駅で電車を降りて、横浜駅西口のジョイナス内にある勝烈庵に着いたのは、13時を過ぎていた。しかし、今日が祝日のせいか、どの食事処も入場待ちをしていて、勝烈庵も例外ではなかった。ただ、「勝烈庵で昼食を食べる」と決めていたので、躊躇なく行列に並んだ。20分ほど待ったら、店内に入れたので、勝烈定食を頼んだ。要はヒレカツ定食である。勝烈庵は、ご飯とキャベツがおかわり自由で、とんかつに使う衣とソースが自家製なので、他のトンカツ屋と違って美味しいのである。20年ぶりに食べた勝烈定食は美味しく、キャベツのおかわりをしてしまった。

勝烈庵の勝烈定食

KT Zepp Yokohamaで入場待ち

勝烈庵で満足した後、KT Zepp Yokohamaまで歩いていった。あいにく大雨だったのだが、横浜駅からKT Zepp Yokohamaの近くまで屋根付きの歩道があったので、さほど濡れずに済んだ。

しかし、KT Zepp Yokohamaに着くと、会場準備が整っていないという理由で、開場時間が当初の予定から20分も遅れた。天気が良ければ苦にはならないのだが、大雨の中、傘を刺しているとはいえ外で待つのはちょっと苦痛であった。14時20分ぐらいにようやく入場開始になり、場内に入れた。チケット代にドリンク代も含まれていたので、別途ドリンク代を支払う必要はなく、ビールを注文できた。

雨の中入場待ちの観客

ロビー内には、「Sweet 16」で使われた佐野元春が搭乗したモンキーバイクや、巨大広告などが展示され、興味深いと感じた。また、Zepp Nanbaの公演の模様はビデオ収録され、2023年1月にインターネット配信されるのだが、その鑑賞チケットを会場限定で販売していた。ライブに来られない人は、ライブの特典であるBookとDVDをセットで買うとインターネット配信の視聴権を得られるので、インターネット配信の視聴権のみ買えるのは、会場限定である。

佐野元春が乗っていたモンキーバイク

名盤ライブ「Sweet 16」セットリスト本編

  1. ミスター・アウトサイド
  2. スウィート 16
  3. レインボー・イン・マイ・ソウル
  4. ポップ・チルドレン
  5. 廃墟の街
  6. 誰かが君のドアを叩いている
  7. 君のせいじゃない
  8. ボヘミアン・グレイブヤード
  9. ハッピーエンド
  10. ミスター・アウトサイド(リプリーズ)
  11. エイジアン・フラワーズ
  12. また明日…

開場時間が20分遅れたため、開演時間も17分遅れで始まった。場内が暗くなり、バンドメンバーがステージに登場し、そして佐野元春もステージに登場した。オープニングに音声のみの寸劇が行われ、「Sweet 16」の演奏が始まる準備を整えた。そして、アルバムの音源通りに「ミスター・アウトサイド」の雷のSEからスタートした。

続け様に「スウィート16」が演奏された後、佐野元春のMCが入る。「Sweet 16の再現ライブができるとは思っていなかったです。30年前のアルバムを聞いて来た人は、40代、50代ですかね。人生の荒波を潜り抜けて来たと思います。」というような話だった。それから、「レインボー・イン・マイ・ソウル」が演奏された。その後、またMCが入り、「アルバムの中で一番ファンキーな曲です」と共に、オリジナルアレンジとしては初披露となるのではないかと思う「ポップ・チルドレン」が演奏された。

その後は、「In Motion 2001&2003」でスポークンワーズとして演奏されたことのある「廃墟の街」が、本当にオリジナルアレンジのまま演奏された。多分佐野元春ファンの間では人気のない曲だろうと思うが、僕は個人的に好きな曲なので、オリジナルアレンジのままこの曲を演奏してくれて、感慨深い感傷に浸っていた。

続けて、「誰かが君のドアを叩いている」を演奏し、MCが入った。「当時エレクトリックギターを使って来たのを持って来ました。テレビの番組で芸能人にプレゼントしてしまったのですが、このライブのためにしばらく返してくれました。ありがとう、ココリコの田中直樹さん。」という話をしていたと思う。そして、「君のせいじゃない」が演奏された。この曲もライブ初披露で、多分人気ない曲なんだろうなとは思ったが、素晴らしい演奏であった。

「ボヘミアン・グレイブヤード」は「See Far Miles Tour Part 2」でも披露されていたが、アレンジは当然当時のライブとは異なっているので、いい印象を受けた。MCが入り、「いろんなジャンルの音楽に挑戦してみました。」というような話の後、これもまた「ビルボードライブ」でアレンジが変わってしまっているバージョンしか演奏されなかった「ハッピーエンド」がオリジナルのままで演奏された。

そして、「ミスター・アウトサイド(リプリーズ)」もしっかり演奏された。「ミスター・アウトサイド」は好きな曲なので、この辺の再現は好むところである。

「エイジアン・フラワーズ」は、オリジナルではオノ・ヨーコとショーン・レノンがコーラスで参加していたので、どうライブで再現するか気になっていたのだが、バッキングコーラスで見事に再現していた。MCでは、「ソニー・ミュージックの皆さん、そして、ファンの皆さんに感謝したいと思います。」と話して、「Sweet 16 Grand Rockestra」のメンバー紹介をした。バンドメンバーは、ボーカル・ギターに佐野元春、ギターに長田進と藤田顥、ベースに井上富雄、キーボードにDr.kyOnと渡辺シュンスケ、ドラムに古田たかし、パーカッションにスパム春日井、サックスに山本拓夫、トランペットに西村浩二、コーラスに佐々木久美とTIGERという布陣だった。そして、アルバム再現最後の曲「また明日…」を演奏した。オリジナルでは矢野顕子がコーラスを担当していたのを、バッキングコーラスで再現していたので、感激である。

名盤ライブ「Sweet 16」アンコール

  1. 約束の橋
  2. ヤング・フォーエバー

名盤ライブ「SOMEDAY」の時には、アンコールは「Niagara Triangle vol.2」に収録された曲たちを演奏したのであるが、名盤ライブ「Sweet 16」の時には、そのような選曲にもれた楽曲はないと思っていたので、アンコールが何になるかは興味があった。

バンドメンバーがステージに戻り、佐野元春が「きょうはSweet 16の誕生日です。」と話して演奏したのが、「約束の橋」だった。確かに「Sweet 16」と同時期にテレビドラマの主題歌としてシングル再発売してヒットした楽曲なので、これはアリかなと思った。しかも結構オリジナルに寄せているアレンジなので、新鮮だった。

佐野元春が「このSweet 16は発売の前年に亡くなった父に捧げています。そして、僕は亡くなった父の歳を超えて、まだ生きています。これから先どれだけ生きられるかわかりませんが、皆さんのためにいい楽曲を書いていきたいです。」というようなMCをして、アンコールラストの楽曲に選んだのは、なんと「ヤング・フォーエバー」だった。最後の最後でまさか「The Barn」からの選曲になるとは思いもしなかった。

全ての演奏が終わり、バンドメンバーが一堂に介して挨拶をし、ステージから去った。そして、名盤ライブ「Sweet 16」は終わりを告げた。演奏時間はアルバムの収録時間から予想できたこととはいえ、やはり普段の佐野元春のライブからすると、短かった。もう少し聴きたいなと思わせるライブだった。しかし、僕にとっては満足のいくライブだった。福岡から横浜まで遠征した甲斐のあるライブだったと思う。

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