僕は続けた。
「異星人である僕をどう思うかなんてわかりません。わからないし、興味もない。この先、僕の素性を告白するかどうかも決めていない。でも、彼女は僕を祝いたいと言ってくれたんです、今、僕を。他の星から来たとか、そんな表面上の事がどうとかではなく、彼女は僕を祝ってくれるんです」
彼の指先から灰がまた落ちる。僕は続ける。
「だったら、やっぱり僕は彼女を好きになって良かったと、そう思うんです」
暫く間が空く。彼はまた煙を吸って、吐き出す。
「……いや、でももう、変えられはしないぞ?」
「わかっています。でも、悩んでいましたけど、今、決めました」
「……難儀な奴だな、本当に」
彼は、まだ半分程しか吸っていない煙草を揉み消した。
「素直じゃないので、すみません」
「同胞だからといって、たぶん見逃されはしないぞ。そのあたりはたぶん区別しないと思う」
「わかっています。僕だけ逃れようなんて、虫が良すぎますよ」
僕が選んだのだから、それは仕方がない。
「1年もしたら、戦争は始まる。地球の科学力を考えたら、その後半年もすれば、終わる」
「わかっています」
彼と結論を出してからも、ずっと悩んでいた。ついに地球を離れるまで決められなかったけど、僕はもう、決めた。
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