ローコスト注文住宅の仕様(断熱材)

どんなお家

今回は、1000万円前半で建てたローコスト注文住宅の構造材断熱材の仕様をご説明します。

減額のため諦めたセルロースファイバー断熱材

我が家が建てたアコルデの売りの一つが、壁内吹き込みタイプのセルロースファイバー断熱材です。

一般的に高いと言われるセルロースファイバーですが、アコルデの場合は、自社施工によって価格を抑えていることも魅力です。

アコルデのモデルハウスの一角で、実際にセルロースファイバーが壁に充填された状態を見たり、防火性・防音性の高さを実演してもらうことができます。

アコルデ モデルハウス

我が家も、もちろんセルロースファイバー断熱材に魅了され、当初は次のようにセルロースファイバー断熱材で提案を受けていました。

外周壁が105mmとなっているのは、3.5寸柱の壁厚に吹き込むためだからです。

オール4寸仕様にすると壁厚に連動して吹き込む量が増えるため柱だけでなく、セルロースファイバーの費用に影響します。

アコルデでは、価格が抑えられているとはいえ、当時の我が家の予算では総額をより抑える必要があり、最後に泣く泣く減額対象となり、採用を断念しました。

確か、当時セルロースファイバー断熱材からアクアフォームに変更して、約20万円ほどの減額になったと思います。

セルロースファイバー断熱材は、その機能面に加え、吹込みタイプの施工方法なので、隙間なくパンパンに壁に詰め込まれるのが魅力です。袋入グラスウールの場合、施工の確実性が低いのが大きな懸念事項のため、数値上の断熱性能以上の差が出る可能性がありえます。

セルロースファイバーを採用して建てられた、他のアコルデ施主の方々が公開している施工の様子を見ると、隙間なく断熱材が詰められるイメージが実感できると思います。

引用:スポーツサイクルライフ 上棟後60日目
引用: 一戸建てのキセキ Life to Hack ふと気づく、壁がパンパン セルロース

あえて壁だけを現場吹き付けのアクアフォームに

当時は、ローコスト住宅の断熱材と言えば高性能グラスウールが一般的でした。

さらに、高性能とは分類されない10k 75mmのグラスウールで十分と断言する工務店にも出会いました。

断熱意識の高まった現在では、考えられない時代でしたが、今でも建売住宅の断熱材がグラスウールが当たり前な状況を見ていると、コスパが最も高いということを裏付けていると思います。

我が家は、ローコスト住宅といいながら、セルロースファイバーよりは安いとはいえアクアフォームを外壁面に採用しています。ただし、予算を抑えるため、高性能グラスウールによる天井断熱と組み合わせました。

アクアフォームで屋根断熱の場合、かなり分厚く吹き付けるコストがかかるため、高性能グラスウールによる天井断熱で、かなり費用は抑えられたと思います。

ただし、後述する理由で、断熱気密観点では、あまりお勧めはできない組み合わせです。

ちなみに、バルコニーの床部分にあたる赤点線部分は、ルーフバルコニーに相当し、本来天井断熱にあたる部分なはずですが、工務店のアコルデの厚意で、アクアフォームを吹き付けてもらうことができました

仕様決定時に、この部分の断熱仕様を全く意識していなかったのですが、ルーフバルコニーや下屋がある場合は、よく確認しておきましょう

アクアフォームの厚みは80mmとなっていますが、現場発泡による施工の都合上、壁厚ピッタリに吹き付けることはできません。このように吹き付けたところを削っているので、薄いところもあれば厚いところもあるという状態となります。

[着工58日目その3] アクアフォーム吹付け完了と謎の板

同じような厚み表記でも、他の工務店の現場発泡ウレタン吹付け直後の現場見学に行ったときには、もっと厚みのばらつきがあったので、可能であれば現場見学で傾向を確かめておいたほうが良いかもしれません。

アクアフォームのような現場発泡ウレタンタイプの断熱材は、このように筋交いや電源配線部分にも隙間なくピッタリ施工できるのがメリットです。

ただし、繊維タイプの断熱材とことなり、万一の場合に配線を追加したり移動することが簡単ではないので、配線計画は、より注意しておきましょう。

天井断熱との組み合わせがお勧めできない理由

我が家の天井断熱は、アクリアマットの高性能グラスウール14K相当 155mmという仕様です。

14Kだと、16Kより性能が劣るのではと心配になりましたが、アクリアの14Kは、一般的な高性能グラスウールの16Kに相当するようです。

アクリアマット14Kは、通常繊維のグラスウール24Kまたは高性能グラスウール16Kと同等の断熱性能をもつグラスウールです。

旭ファイバーグラス アクリアマット

アコルデの岡本社長曰く、グラスウールはポケットマネーで入れたいぐらい安いということでしたが、実際アクリアマットは、どのくらいの価格なのでしょうか?

例えば、我が家の写真の寸法の製品だと、11枚入り(約1.9坪分)で現在17,000円ぐらいのようです。

我が家の天井の面積が、2階の床面積(13.53坪)と同等という前提で考えると、約7セット必要となるので、

1.7万円 ✕ 7セット = 11.9万円

と、約12万円ほどになります。

ポケットマネーと言っても、まあまぁしますね。

これでも安いということなのだと思いますが、この高性能グラスウールによる天井断熱は、断熱&気密欠損のリスクが高いためお勧めできません。

たとえば、我が家の場合、クローゼットの天井が下がっていることで、断熱ラインが途切れかねない部分がありました。

[着工50日目つづき] 断熱欠損?

言わなくても現場監督が気づいてくれたとは思うのですが、気になって指摘したところ、後日このように塞がっていました。

どのように問題があるかは、次の図でご説明します。

クローゼットの上が外気空間となるため、この隙間が面する二階の廊下が断熱欠損となってしまうのです。

さらに、グラスウールの天井断熱の場合、気流止めの施工不良リスクがあります。

このように天井から、室内壁に気流が出入りする隙間を塞ぐ必要があるのですが、この施工では結構隙間が空いています。

[着工58日目その1] 残念ポイント?気流止めの心配

セルロースファイバー断熱材の場合は、前述の写真のように天井に隙間なく防湿気密シートを貼ってセルロースファイバーを敷き込むので、このような心配はありません。

アクアフォームのような、現場発泡ウレタンタイプの断熱材の場合は、壁面から途切れなく屋根に吹き付けた屋根断熱にすることが一般的なので、天井への気流止めが不要となります。

我が家は、予算不足で、グラスウールの天井断熱にすることを納得していましたが、このような施工のデメリットがあることは十分理解していなかったので、これからの方はよくご注意ください。

アコルデも最近では、気密測定をする物件で高い数値を出していると聞いたので、たとえグラスウールでは、このあたりの施工も改良されているのかと思いたいです。

一方で、グラスウールの天井断熱のおかげで、非常に簡単に付加断熱のDIYができました

次の写真は、元々敷かれていたグラスウールの上に、もう一枚のグラスウールを重ねた状態です。

我が家の屋根裏の写真を見て秘密がわかるかどうか?

100mm厚のアクリアですが、約1万円の1パックで侵入出来る屋根裏のほぼ全面を施工することができました。

おおよそ、天井の面積では全体の3分の1ほどです。

我が家の場合、小屋裏収納がある関係で、どうしても入ることができない屋根裏部分があるのですが、シンプルな構造の屋根裏の場合、自分で好きに断熱強化できるのも面白いかもしれません。

実は、私もいずれもう一枚敷いてみようかなと密かに画策していたりします。

ちなみに、セルロースファイバーの天井断熱の場合は、次のように天井裏にセルロースファイバーが降り積もったようになるそうです。

引用: スポーツサイクルライフ 上棟後37日目

床断熱はミラフォーム

我が家は、床下断熱材としてミラフォーム 65mmを採用しています。

壁の断熱材の厚みよりもかなり薄いですが、壁と同等の熱貫流率となる高性能な断熱材です。

当時実施されていたエコポイント制度を利用する必要がないときは、下記のようにグラスウール45mmを床下断熱材の標準としている工務店があった状況なので、アコルデはこだわりのある仕様だったと思います。

今では、我が家の倍以上の厚みのポリスチレンフォームを標準的に採用している会社が出てきているぐらいなので、進化は激しいものです。もしかしたら、アコルデの仕様も向上しているのかもしれません。

残念ながら、我が家はミラフォームを敷き込んだところを撮影することができなかったのですが、アコルデ施主の先輩が写真を公開してくれていました。

引用: スポーツサイクルライフ 上棟準備1日目

我が家と同じミラフォームなので、同じように施工されたのだと思います。

かろうじて、自ら床下に潜って撮影した我が家のミラフォームの写真がこちらです。

ピッタリ美しく収まっています。

この断熱材は、このような引掛け金具で下に落ちないように固定されています。

このような金具があっても、断熱材が落下してしまっている場合も結構あるようです。

我が家の場合は、自分で確かめてみたところ、大丈夫でしたが、たまに床下点検口から確かめみてもよいかもしれません。

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