こんばんは、きよし弁護士です(弁護士細川潔、東京弁護士会、登録番号37962)。

 

前回は特別支援学級の生徒が亡くなった件について書きました。

 

気になったので、スポーツ振興センターの検索データベースで特別支援学校の事故についてチェックしてみました。

 

元号が令和になってからの死亡事故が13件ありました。

 

3年間で死亡事故が13件というのは多いような気がしますが・・・

 

以下、検索データベースにあった内容を記載します。

 

令和元年 小6 女子

給食を食べ終わった後、オルガンを演奏中にてんかん発作を起こし、嘔吐したため、教員が座薬の挿入、背部叩打法、ハイムリック法、胸骨圧迫、嘔吐物の掻き出し等を行った。

AEDを使用したが、解析結果は「ショック不要」であった。救急車で病院に搬送されたが、翌日死亡した。

 

令和元年 高1 男子

学部集会中、ベッド上で左側臥位の姿勢で教職員の付き添いのもと学習に参加していた。

給食後から眠い様子で、時折浅い眠りに入り、2~3秒呼吸を止めることがあったため、教職員は絶えず言葉をかけて目覚めさせ、呼吸をやめることのないようにしていたが、本生徒は目覚めては眠りそうになることを繰り返していた。

授業が始まってから間もなく、突然目を見開き、呼吸が早くなり息苦しそうな声を出した。

病院に搬送後、約6年後に死亡した。

 

令和元年 高2 女子

社会科見学の昼食中、教員が食事介助をしていたところ、蒸してつぶしたじゃがいもを喉につまらせた。

教員が背部叩打法、ハイムリック法を行ったが出てこなかったため、床に寝かせ、口の中に指を入れて掻き出した後、心肺蘇生を行った。

AEDを使用したが、解析結果は「ショック不要」であった。

救急車で病院に搬送されたが、数週間後に死亡した。

 

令和元年 小4 男子

昼食時休憩時間中、顔色が悪くなり少量嘔吐したため、畳の上で姿勢変換をしながら様子を見た。

保護者へ連絡したところ、経過観察の依頼があったため様子を見ていたが、呼吸状態が悪くなったため、救急車を要請し、学校看護師が心肺蘇生を行った。

救急隊が到着し、AEDを使用したが、解析結果は「ショック不要」であった。

救急車で病院に搬送されたが、10日後に死亡した。

 

令和元年 高3 男子

通学中、通学バスで大量に排痰し、体調がすぐれない様子であった。

バスが学校に到着し、本生徒は「しんどくない」と言ったが、いつもと様子が違うため車いすで急いで保健室へ移動した。

苦しそうな呼吸をしており、パルスオキシメーターが低い値を示していた。

数分後、意識レベルが低下したため、心肺蘇生と酸素ボンベによる酸素投与を行った。

AEDを使用したが、解析結果は「ショック不要」であった。

ドクターヘリで病院に搬送されたが、同日死亡した。

 

令和元年 高3 女子

通学バスで登校中、本生徒の意識がもうろうとしており、顔色が白い、呼びかけに対する反応がいつもより小さい等の症状が見られたため、保安員がバスを停車させた。

再度、本生徒の状況を確認したところ、顔色不良、口を開けたままの状態になっていた。

保安員とバス運転手で胸骨圧迫を行った。救急隊が到着し、AEDを使用したが、解析結果は「ショック不要」であった。

救急車で病院に搬送されたが、同日死亡した。

 

令和元年 高2 男子

始業前の特定時間中、通学バスの乗務員が教員へ「顔色が悪い」と報告し、パルスオキシメーターを着けたところ測定することができなかった。

明らかに顔色が悪いため、教員や看護師が心肺蘇生を行い、AEDを使用したが、解析結果は「ショック不要」であった。

救急車で病院に搬送されたが、同日死亡した。

 

令和元年 中1 男子

自動車で登校中、父親が本生徒の顔色が不良で静かなことに気付き、気管カニューレ内を吸引したところ、「ふーっ」と息を吐き、呼吸が停止となった。

心臓マッサージを行うとともに、AEDを使用したが、3 回とも解析結果は「ショック不要」であった。

救急車で病院に搬送されたが死亡した。

 

令和2年 高3 女子

始業前の特定時間中、玄関内の高等部作業室で生徒の顔色が蒼白であることに教員が気付いた。

学校看護師が、医師の指示書通りに対応し、病院へ搬送されたが、翌日死亡した。

 

令和2年 高2 男子

寄宿舎の舎室で睡眠中、うつ伏せで布団に伏せて足が折りたたまれて正座しているような状態であるところを指導員が発見した。

指導員Aが本生徒の顔を横に向けると、呼吸も脈拍も無い状態であった。すぐに指導員Bに応援を要請し、心肺蘇生、酸素吸入を行うとともに指導員Bが119番通報した。

救急車で病院に搬送されたが、同日死亡した。

 

令和3年 高3 男子

給食指導中、教室でゼリーを食べた際、嘔吐した。左半身に力が入らない様子で、支える手を放すと左側へ倒れる状態だったため救急車を要請したが、意識はしっかりしていたためAEDは使用しなかった。

病院に搬送され治療を受けたが、約1週間後に死亡した。

 

令和3年 高1 女子

授業終了後の特定時間中、学校内ロータリーでスクールバスに乗車したが、痰の量が多く、看護師がバス内で吸引するもサチュレーション(血中の酸素と結合したヘモグロビンの量)が上がらなかったため下車した。

保護者の迎えの車で下校し、自宅で保護者が車から車いすを降ろそうとした際、本生徒が息をしていないことに気付いた。救急車を要請し、家族が心肺蘇生を行った。

救急車とドクターヘリで病院に搬送されたが、同日死亡した。

 

令和3年 高1 女子

給食後にてんかん発作の兆候が見られたため横になって様子を見た後、落ち着いたため授業に戻った。

下校時刻になり自動車で下校中、てんかん発作の兆候である発語があり、シートベルトを外して保護者に触れようとして倒れた。

自宅に到着し、保護者が呼びかけたが反応がなく、救急車で病院に搬送され治療を受けたが、同日死亡した。

 

特徴とまではいえないと思いますが、通学中に症状が現れているケースが多い印象です。

 

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