今回は「中学生のことば」です。
普段の授業ではしていないのですが(テスト対策ではします)、春期講習で中学生は国語もします。そのとき、ことばの問題で、正解率がかなり低いことに驚きました。
それは、昔から変わらないと言えますが、上位にいる子でもできないので、少し衝撃でした。これは「こんなもの」なのでしょうが、原因はあるはずです。
さらに、気になったのが、主語や述語、修飾といった文法的なこと。主語から分かっていません。ことばに対して、弱いのでしょうか。
ことばを知らない?
中学生、小学生は言葉を知らない、と感じます。ただし、それは大人の私が感じることで当然です。昔に比べて、知らないなと感じますが、それも感覚的な感想です。
いつの時代にも、同じようなことを言われています。
これくらいの言葉を知っているだろうと思っても、それは世代の違いであることが多いです。ことばは時代とともに変わり、すたれていきます。そして、新しい言葉も生まれます。
例えば、「腹を割る」「鼻をあかす」といった慣用句。普通に日常で使うと思いますが、知らない中学生がです。もっとも、鼻をあかすは使わないか。
他にも「手を上げる」
芸事などの技が上達する。書の技量が上がる。ですが、私自身ぴんと来ません。腕が上がるなら分かりますけど…。腕を上げるか。
今回、この記事を書いたのは、中学校でも上位にいる生徒たちが、問題をできていなかったからです。これは、小学生でも言えます。極端に語彙力が少ないと感じます。これは、学校だけでなく、社会全体の背景が影響しているのでしょうか。
受験的なことば?
少し驚いたのが、対義語の問題での正答率の低さです。
小学校、中学校でも勉強していて、上位の子は身についているものですが…。
困難⇔容易、権利⇔義務、単純⇔複雑、原因⇔結果など定番ができていません。
形式⇔内容とかは難しいかも。そして、具体⇔抽象はなぜかできています。
類義語、慣用句、ことわざ、故事成語も弱いです。さらに、漢字の成り立ち、熟語の構成、音訓読み…
今、気づきました。「漢字」ですね。漢字の練習や習得が弱くなったのでしょうか。対策で少し悩みましたが、一つ有効な手段が漢検です。そして、無学年の級別、段別の漢字テストか。
文法的な感覚が弱い
主語、述語、修飾といった基本的なことからできていません。理解が弱い、感覚が分からないということでしょうか。
まず、主語。ここからです。「は、が、も、こそ、だけ、しか」が主語となりますが、主語の意味がよく分かりません。それをしている、そこにある、その様子である、人やものですが、ぴんと来ません。
そして、修飾で、「かかる」というのがのみこめません。詳しく説明するで分かりそうなものですが、以前に比べるとぼやけた感じがします。
従来の読み書きの勉強との落差、そして乖離
今の子供たちが、従来の読み書きの勉強において「ことばを知らない」のは当然とも言えます。それを憂いても、あまり意味がないでしょう。
スマホが普通になり、AIが急速に進化を遂げ、いつまで古い読み書きにしがみつくのか。入試制度も大きく変わろうとしています。
古いことばの能力とは、全く違った言語能力がこれから必要とされているのかもしれません。
ただし、まだ少し先の、高校入試・大学入試では、従来の形式が残っています。目の前の子どもたちは、語彙を増やして、ことばを身につけていかないと、入試で闘えません。
塾でもどうするか検討して、対策をします。それでも、数年のことかなと感じます。あっという間に、古い勉強のスタイルは過去のものとなると思います。