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高増神社/調べれば調べるほど面白い神社

鳥居を抜けると立派な神門があり、境内には多くの摂社・末社が存在する。他にも多くの立像も存在している神社。お隣の温泉施設も神社の施設だとか。そしてどうやら青森に古来より存在するシャーマンの一種、カミサマの関連した神社らしい。

基本情報

神社名  : 高増神社
読み方  : たかますじんじゃ
住所   : 青森県北津軽郡板柳町大俵和田423−1
御朱印  : あり
建立年  : 昭和7年
創立者  : 安田健之助御夫妻
その他  : 宗教法人としては昭和28年3月に【高増神社】として登記

歴史

元々は個人の神で【高増大神】として信仰していた。
戦後にBが大きくして【高増神社】になったという。
また開祖は【カミサマ】ではなく村会議員だった。
現在は開祖の孫が神職となっている。分社が岩手県釜石市にあるという。
戦時中に駐在所の巡査が「戦中にけしからん」と言って、高増社の神像を壊したことがあった。数年後に巡査が亡くなると、罰が当たったと噂になった。
高増神社の神は供物をささげると目の前で食べてしまうという。供物を上げて少し目を離すと、供物の5分の1が無くなり驚いたということがあった。冬場に供物の上に珍しいコケが生えていたことがあり、このコケは護符として食べたという。
高増神社に信者が集まるようになった要因の一つは、岩城町から来た『鼻和のオガ』と呼ばれる、赤倉で修行したカミサマにある。
神社で髪占いをし、大変よく当たり、狐憑きを落とした、病を治したりした。神社ではタユウサマのような役割をしていたが、評判が高かったので神社にも人が集まった。『高増敬神修養会』という信者の団体を結成し、漁師の信者が多く存在し、その信者の分布は八戸や岩手、北海道からも来るという。
高増神社の節分祭は1か月前から供えていた豆が使われ、その豆を欲しがる人は多いという。
魔眼には、強風や海の時化を治める驍があるという。集落で火事があった時に。ゴミソが豆をまくと急に風向きが変わったことがあったという。
境内には温泉も出ており、カミサマやゴミソが信者を連れて泊まることもあった。湯治のために訪れる人もいるという。
年内で2回の大祭があり、他にも祭礼があるとのこと。

カミサマとゴミソとは?

青森には古来より『イタコ』『カミサマ』『ゴミソ』と呼ばれる巫女たちが存在する。
『巫女』とは、日本のシャーマンとして有名だが、現在神社に勤務される『巫女』は古代のシャーマン的な能力はなく、職業として勤務する存在となっている。
青森には『イタコ』と呼ばれる巫女が古来より存在する。津軽地方にはイタコの他にもシャーマンとしての能力を持つ存在が居る。それが『カミサマ』と呼ばれる存在。


【カミサマの能力】
別名として【ゴミソ】と呼ばれる。
『カミサマ』は青森県津軽地方で信仰される、イタコと同様に【憑依巫女】である。神霊を体に憑依させ、その言葉を人々に伝える能力を持つ。恐山に居るイタコに似ている。

【イタコとの違い】
・ イタコは死者の霊を憑依させる死者の口寄せ【ホトケオロシ】
・ カミサマは天啓と呼ばれる神様からのメッセージを伝える神を憑依させる【カミオロシ】

【どんな人が成るのか?】
・ イタコは先天的。若しくは後天的に『視覚障害』を持った女性
・ イタコの市章について修業を積み『許し』という免許皆伝をもらう
・ カミサマは『独自の霊感や心霊体験』を受け、一世代だけの巫女となる
・ 自身や家族の病気・悩み、祈祷・祈願をしている最中に神が掛かりとなり、それが契機となる
・ 自身の神がかりの体験が契機となるため、カミサマに特に資格は存在しない
・ イタコと違い世襲制でもないため、カミサマになる人はほとんどいないという

【カミサマが居られる場所とは?】
・ 津軽地方にある岩木山の東方に『赤倉』と呼ばれる場所がある。カミサマの聖地とされている
・ 何も知らない筆者が津軽散策をした際に赤倉山神社と呼ばれる場所を訪れたことがある
・ 石上神社もカミサマの行場と呼ばれる
・ 平川市にある赤倉山・金剛寺。津軽七福神の布袋尊が祀られる
・ 金剛寺では五穀豊穣を祈る祭祀で荒行が行われている

御祭神

・ 大山祇神
【祀られている神様】
・ 天照皇大神
・ 火結命
・ 猿田彦大神
・ 安田家夫婦

御神徳

【大山祇神】
・ 山の神
・ 日本の全ての山を管理・監督する山の神
・ 神格は山の神・海の神・酒蔵の神・武神
・ 全国的にも祀られている神社は多くない
【御神徳】
安産祈願、病気平癒・健康祈願、山林守護、漁業守護、鉱山業守護、商売繁盛

境内の様子

【神門】
・ 立派な山門がある
・ 神主曰く門には七福神が居られるとのこと
・ 門の名前は【福寿門】という、なんとも縁起のいい名前
・ 立派なだけにもっと近寄って見てみたい。是非とも雪が無い時期に来てみたいものだ

【入口の鳥居】
笠木  : 反り増しあり
島木  : あり・反り増しあり
木鼻  : あり
楔   : あり
額束  : あり
その他 : 柱の上部に台輪がある
・ 明神系鳥居の発展形の【台輪鳥居】
・ 白い。周りの雪と同様の白

【弘法大師立像前の鳥居】
・ 入口同様に【台輪鳥居】
・ 入口とは違い、朱色の鳥居
・ 朱色と雪の白色のコントラストが素晴らしい
・ 冬場の参拝も良いのかも?でも吹雪の時は嫌だなぁ

【摂社・末社前の鳥居】
・ 同じく【台輪鳥居】
・ 入口と同じく白色だが、入口とはまた違った味のある白
・ 至る所に鳥居があって面白い

【天照大神・火結命立像前の鳥居】
笠木  : 水平
島木  : なし
木鼻  : なし
楔   : あり
額束  : なし
その他 : 素朴な構造
・ 特徴から神明系鳥居だと思われる
・ 【伊勢鳥居】のように見えるが、違うようにも見えて不思議な感覚
・ 木造ではなく鉄製の建造物

【手水舎】
・ 建物の三方向を囲いで固めている
・ 手水舎の水はちょろちょろっと出ており、よく冷えていた

【社殿前の狛犬】
髪・眉 : 前髪カールで眉は前髪で隠れている
口・歯 : 唇がしっかりと見える。歯は見えないが、立派な牙が見える
髯   : 立派にカールした顎髭がある
耳   : 伏せ耳。横に伸びている
目・鼻 : 瞳は楕円形。鼻は立派に大きい獅子鼻
毛・尾 : 毛並みは流れるように体に張り付いている。尾はカールしてお尻の上に乗っている形
手足  : 四肢は体の割に短いものの、大地をしっかりと踏みしめているような形 
・ 阿吽共に姿勢が全く違う
・ 吽形は腰を浮かせて構えている様子
・ 唖形は大地に立ち、天に向かって吠えるような姿勢
・ 唖形は天に向けて吠えているが、四肢が短足で凛々しいというよりもかわいい
・ ライオンの様な流れるような・燃えるような毛並みをしている

【社殿】
・ 拝殿は木造平屋の入母屋造
・ 拝殿入り口は雪国らしく二重玄関のような造り
・ 本殿は木造二階建ての入母屋造。正面の屋根は唐破風の特徴
・ 拝殿と本殿の階数が違う変わった造りをしている
・ 壁面は漆喰。御城のような見た目をしていた
・ 拝殿の鬼瓦は鼻のような彫刻をしている
・ 拝殿内は広く、畳間
・ 神紋が5つの勾玉?
・ 勾玉モチーフの神紋は存在するが、見たことのない形状
・ 拝殿内の燭台に『高増大神の啓示』が記されていた

【摂社・末社】
・ 多くの摂社・末社が境内には存在する
【薬師大神】
・ 病気や不安・悩みを覗いてくださる神様
・ 子宝・安産の御利益もあり
・ 建物は入母屋造で、唐破風の屋根
・ 拝殿同様に木造平屋で二重玄関

【多くの立像】
・ 西国三十三観音。優しい表情
・ 火結命。剣を携えた厳格な表情の武人のような佇まい
・ 天照大御神。少し微笑まれているような表情
・ 猿田彦大神。槍を持ち、腰に刀を携えている。天狗のような鼻。遠くを見ているような怖い顔つき
・ 安田夫妻立像。この神社の創建者。夫婦そろって泰然とした表情をしている

【龍神池】
・ 龍神様を祀っている。水神様か?
・ やはり鳥居は台輪鳥居
・ 立派な龍神様が絡みついた燈籠がある
・ 燈籠の下の台座が龍神様。彫刻も龍神様
・ お社は流造
・ 水面は穏やか

御朱印について

あり。
神紋などもないシンプルな書体・形状。

まとめ・感想

境内は広い。雪が降り積もっているが、神社の方々が雪かきをされているらしく、社殿までの参道や、中までの参道は歩きやすかった。入口の鳥居と神門の道中は雪がに阻まれ、散策できなかったのが残念だが、雪がとけて晴れた日にもう一度参拝してみたいという気持ちになれるような場所だった。
神社の歴史は浅く、創建者も個人という変わった経歴を持つ神社だった。また古来から存在するカミサマと縁深い場所とあって、調べれば調べるほどに興味深い場所とも思えた。
他にもカミサマ関連の神社・寺院を散策するのも面白いか?
まだまだ歴史は浅いが、青森に古来より存在するシャーマンの息吹が感じられる不思議な場所だった。

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