一人ディズニー見聞録

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『アラン・メンケン ソロ・コンサート「ホール・ニュー・ワールド 」』 3/2公演 第1部

2023-03-04 19:31:00 | コンサート




3月2日(木)、『アラン・メンケン ソロ・コンサート「ホール・ニュー・ワールド 」』が東京芸術劇場で行われた。2月25日(土)から大阪で始まったメンケンさんのツアーは、2月26日(日)に愛知、3月2日(木)と3日(金)に東京で行われた。本日は、東京公演初日の第1部の様子を紹介する。

17時50分。開場時刻10分前だったが、すでに100人以上のお客さんが劇場の外で待っており、「ディズニーソングの神様」と称される作曲家のコンサートを多くの人が待ち望んでいることが分かった。

19時。開演時間を迎えると、「全員、ご起立お願いいたします。盛大な拍手でお出迎えください。アラン・メンケンです!」というアナウンスが入ったため、観客は全員立ち上がり、メンケンさんの登場を拍手で出迎えた。

この様子に自分の近くに座っていた初老の男性が、「まるで卒業式みたいだな」と笑っていた。メンケンさんのコンサートは、彼の音楽を聞くイベントではなく、式典行事となっていた。

観客からの拍手に迎えられて登場したメンケンさん。写真や映像でしか見たことがなかったが、実際の姿は、明るくて陽気な元気いっぱいなおじさんだった。「ディズニーソングの神様」と言われているため、超大物感のあるオーラを出している人と思っていただけに、親しみやすい人柄に親近感を感じた。

第1部最初の曲は、『アラジン』の『アリ王子のお通り』。メンケンさんのピアノの弾き語りのみで演奏された後、マイクを持って椅子から立ち上がり、同曲が盟友で作詞家のハワード・アシュマンさんがHIV感染症で入院している病室で書いたことを語ってくれた。悲しい出来事があったから楽しげな楽曲ができたのか、それともその逆か。いずれにせよ、自分の知らないことを知ることが出来て良かった。

今コンサートではメンケンさんが自身の作曲家人生を語りながら、所々でエピソードに関する曲を演奏するという演出になっていた。第1部は、自身の幼少期から盟友ハワード・アシュマンさんが亡くなるまでのエピソードが語られた。

1曲目終了後、幼少期から学生時代のエピソードを語りだした。小学校では落ち着きのない生徒だったが作曲の才能が既にあったこと、大学で医学部に入学するも勉強より音楽活動に励んでいたことなど、多くの人が知らないであろう自身の過去をメンケンさんは話してくれた。内容によっては会場から爆笑が起こるなど、メンケンさんの若い頃はとても面白いものだった。

学生時代の次は、アシュマンさんとの出会いについて語った。その際に、アシュマンさんと製作したミュージカル『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』と『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の楽曲を演奏してくれた。正直に言うと、両作とも全く知らなかったが、どちらの楽曲も聞いていて楽しい気持ちになった。

これらの曲を聞いて、メンケンさんとアシュマンさんは人を楽しませる才能に長けていたことを知ると同時に、それが後の大ヒットディズニーソングを生み出すことに繋がったのだと気がついた。

続いて、第1部のハイライトとなるメンケンさんとアシュマンさんが手掛けた3つの作品のディズニーソングについて、メンケンさんが語ってくれた。

最初は『リトル・マーメイド』。この作品の全楽曲を手掛けた二人は、見事にその年のアカデミー賞歌曲賞と作曲賞を獲得した。その時のエピソードを話ながら、『パート・オブ・ユア・ワールド』や『アンダー・ザ・シー』などの名曲をメドレー式で演奏した。特に『パート・オブ・ユア・ワールド』は、美しいメロディであることに加え、実際に作った人が演奏してくれたことで、涙が勝手に流れるほど感動した。

アシュマンさんの亡くなった友人に捧げる曲を挟み、続いては『美女と野獣』をエピソード交えながら同作の曲をメドレーで演奏した。

ここでも曲を聞きながら涙が流れていたが、それは曲を聞いて流れたものではない。HIVにより死期が迫っているにも関わらず、最後の力を振り絞ってメンケンさんと仕事をするアシュマンさんの姿に感動して泣いたのだ。ステージ上のスクリーンに写し出される映像やメンケンさんの話を通じて見えたアシュマンさんは、死の直前まで名曲を作り出そうとしていた。その姿を見ていると、涙をこらえることはできなかった(加えて曲も感動的だから、より涙が止まらなくなった)。

『美女と野獣』の後、ミュージカル『ニュージーズ』のメドレーを挟み『アラジン』から『フレンド・ライク・ミー』と『ホール・ニュー・ワールド』が演奏され、第1部は終了した。

第1部後半は、アシュマンさんと手掛けた名曲が流れた会場は、自分のように涙を流す人がいるなど、多くの感動に包まれていた。この雰囲気は、15分間の休憩中も無くなることはなかった。

〈第2部に続く〉

1. 『アリ王子のお通り』

2. 『過去は戻らない』(学生時代の曲)

3.『ラウンド・アップ』(農薬のCMソング)

4.『ローズウォーター財団』

5.『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』メドレー
→『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『夢の花咲く家』、『サドゥンリー・シーモア』、『歯医者さん』

6.『ミーン・グリーン・マザー・フロム・アウター・スペース』(映画『リトル・ショップ・オブホラーズ』)

7.『リトル・マーメイド』メドレー
→『パート・オブ・ユア・ワールド』、『キス・ザ・ガール』、『哀れな人々』、『アンダー・ザ・シー』

8.『シェリダン・スクエア』(ハワード・アシュマンの友人を偲ぶ曲)

9.『美女と野獣』メドレー
→『朝の風景』、『強いぞ、ガストン』、『ひとりぼっちの晩餐会』、『美女と野獣』

10.『ニュージーズ』メドレー
→『キャリーイング・ザ・バナーー』、『サンタフェ』、『キング・オブ・ニューヨーク』

11. 『アラジン』メドレー
→『フレンド・ライク・ミー』、『ホール・ニュー・ワールド』


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