転生王女は今日も旗を叩き折る - 無料小説の書籍版をはじめて買う

「小説家になろう」の小説で、はじめて書籍版を買った作品。webで読んでいてどうしてもまとめて読みたくなった。書籍版には書き下ろしのエピソードが付け加えられてて、それも他者視点だったので2度美味しい。

後半はヒーローであるレオンハルトの思考がダダ漏れになっているんだが、前半は一切レオンハルト側のエピソードがないため、読む方は推測するしかない。でも、それが昔の一人称のライトノベルみたいでもどかしくていいんだよねえ。何もかも説明・明示されるわけじゃない、あれこれ予想するのも楽しい。

私こと、王女ローゼマリーは転生者。そんな私の転生先は、前世でプレイ済みのまともな攻略キャラゼロな『クソゲー』乙女ゲーム世界。だって、攻略対象が、シスコンにナルシスト、死体愛好家、ドエムにゲイ!?非攻略対象の方が高いスペックな世界って、何だソレ。こんな攻略対象と出会ったら、ヒロインが可哀想。せっかく、ライバルキャラである王女様に転生したし、こいつら全員性根を叩き直してやる!そして、いつの日か、ゲームプレイ中に憧れて止まなかった、近衛騎士団長様(非攻略対象)と出会える未来を信じてる!こうして始まった更生計画。順調にフラグは折れていくけど、あれ?なんだかゲームと違う世界に…!?

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メインキャラクター達はもちろん可愛いしカッコいい。だけど脇役がとっても魅力的なのだ。人気キャラクター投票があったらぜったいに父様に入れる。間違いなく。あと、大のお気に入りは裏稼業の素敵な３人組。カラスと熊と犬。デニス君も好きだ。

それから旅に出る話も好きで、出てくるエピソードの中でも海を旅するのと北方へ旅する話が大好き。ロードムービーも好きなので、いつか「旅」のくくりで記事を書きたい。

びっくりした販売手法

web小説の書籍版を買い始めて驚いたことがある。発売の初回限定特典としてSS*1がつくことがある。それだけならわかるが、すごいことに販売店ごとに特典SSの内容を変えて、同じ本をいくつも買わせるという販売手法がある。まるで某アイドルCDのような。

いいのか悪いのかわからないが、ファン心理につけこ…んん（咳払い）、売れる時に売ってしまえ！という熱意は感じる。
同じ本を何冊も買って重複本はどうするんだろうか。もはやファンにとっては単なる「本」ではなくて「グッズ」の一つなんだ。

しかし、物理的に購入できない人は必ずいる。店舗のみでしか特典がつかない場合、居住地によっては購入が不可能になる。
ちっともユーザー（読者）フレンドリーじゃないんだよね。作品が大好きな人なら、その作品のどんな小さなエピソードでも全部読んでみたいという心理はわかっているはず（だから販社ごとに特典変えるとかする）。ぜひ顧客満足度99％になるような販促を目指してほしい。

『転生王女〜』の出版レーベルであるアリアンローズさんはわりと良心的。過去の初回限定特典として封入したSSをまとめて読めるように別特典としてつけてくれた（もちろんキャンペーンの購入特典ではある）。後からファンになった人に優しいとも言える。

〜今日のひとこと。
「販売促進は読者に優しく…」