ヴァイオリンの値段って?相場別に特徴を解説!音大卒業2年目の楽器もちらっとご紹介

ヴァイオリンの値段ってどれくらい?幅広すぎる価格帯! ヴァイオリンのあれこれ
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こんにちは!ヴァイオリニストのcocoです。
「ヴァイオリンを始めてみたい」「もっと良いヴァイオリンが欲しい」という方は多いですよね!
ヴァイオリンはとてつもなく広い価格帯がある楽器です。皆さんこんな悩みをお持ちかもしれませんね。

未経験者の方は…

憧れのヴァイオリン始めるぞ!でも楽器高そう…
調べたら数万円って出てきてびっくり!安くてもそんなにかかるって本当?無理かもー!!

 

経験者の方は…

 

今のヴァイオリンでは音色が不満だなあ。もっとレベルアップするには良い楽器が必要なんだけど…何百万もかけないと音色ってあまり変わらないのかな?どうしよう!

 

と悩んでいるのではないでしょうか?良いものが買えればそれに越したことはないですが、楽器とは時間が経つと満足できずにもっともっと良いものが無限に欲しくなってしまうものです。

私も家庭が裕福ではなく、弓の毛替えや弦の交換代もそこそこかかるため最初は中学の部活のヴァイオリンを借りて使い倒していました。その後数十万の楽器になりましたが学費などをすべて自分で払っていたため、卒業しプロとなった今でも同じ楽器を使用しています。が、「ワンランク高いヴァイオリン欲しい!!」と願い続ける今日この頃です。

結論から言うと、ヴァイオリンはピンからキリまで、一番と言っていいほど値段に大きな差がある楽器です。

ヴァイオリンの値段は本当に幅広く、安いものでは1万円~、高いものでは皆さん一度は聞いたことのあるのではないかという、ストラディヴァリウスやガルネリといった数億円単位にまで上ります。

ここではヴァイオリンの値段やその特徴、選び方をご紹介していきます!

ヴァイオリンの値段ってどうやって決まるの?

ヴァイオリンの値段の相場は製作者の名前や有名かどうか、年代、保存状態とおおよそ3つの要素によって決まります。

①製作者が有名
②古いヴァイオリン
③保存状態が良い
この3つが当てはまるほど、楽器の値段は上がっていきます。

ただし、古いヴァイオリンの場合、保存状態が良く値段が高いだけで安心して選ぶと痛い目を見ることもあります。保存状態がとても悪かったのに、とてつもない金額と手間をかけて直した結果楽器の値段が跳ね上がっている可能性もあるからです。これが古い楽器は見極めが難しいといわれる理由ですね。

より詳しくヴァイオリンの値段がどうやって決まるのか知りたい方はこちらで詳しく解説していきます!(制作中)

ヴァイオリンの価値は人によって様々だと心得よう

ヴァイオリンの相場を知るにあたって、他のヴァイオリン奏者の意見を聞くこともあるかと思います。そこで大切なのは、人によって意見は分かれるということです。

5万円なんておもちゃだよ。初心者でも20万くらい出さないと上達なんて出来ないよ!

 

音大生はみんな500万円クラスの楽器を使っているよ。今のうちに楽器を変えておけばコンクールも受かるようになるはず!

このような意見は実際にあります。
厳しい先生だったり比較的プロの厳しい世界で戦ってきた人、裕福な出身の人は金銭価値が崩壊している可能性もあるため、一般人とずれていることもあります。ヴァイオリン大好き人間の場合も、ヴァイオリンのためなら全てをかけてもいい!という考えになりやすいので、そのような人の意見は鵜吞みにせずよく考えた方が自分の首を絞めずに済むでしょう。

逆に初心者同士話す場合も注意。おすすめされてネットで買ってみたら駒が倒れているし、チープな作りで修理もできない、音色も最悪だった…なんてことになりかねません。

ヴァイオリンの値段と特徴

それでは一般的なヴァイオリンの相場とレベルを見ていきましょう!

3万円以下はやめておけ!

3万円以下、特に

新品で1万円以下のヴァイオリンは正直おすすめできません。

Amazonや楽天市場で1万円以下のヴァイオリンセットがよく売られていて、口コミも星5など高いこともありますがやめておきましょう。なぜなら、初心者が口コミをしていて、例えば駒が倒れていても自分でセットしているケースがほとんどだからです。

ヴァイオリンは駒と魂柱(こんちゅう)が命といわれいて、配達のためにあらかじめこの2つはセットせずに送られてくることがあります。駒や魂柱は音色を決定する同時に、ヴァイオリンの空洞や強い弦の張力を支える重要な役割を担っているのです。そのためうまく自分で立てられたとしてもほんの0.数ミリ単位動かすだけで大きく音が変化するため、その後の上達に悪影響が出るかもしれません。

また作りが全体的にチープで、例えば弦がすぐに切れてしまう場合は駒交換=10,000円、ナット調整=2,000円などかかることになり、結局ヴァイオリンの値段を超えてしまった…なんてことになりかねません。
ヴァイオリンはニカワという天然の接着剤が使われますが、高価なので安いヴァイオリンにはほとんど化学素材の接着剤が使われています。その場合音色も劣るほか、温度や湿度による遊び(変化)がないため木材自体は乾燥により伸び縮みするのに接着剤が強固で耐えられず割れてしまった!ということも起こりうるそうです。

もちろんサイレントヴァイオリンや中古楽器の場合は話が別なので、検討してもいいかなと思います!

3万円~10万円は入門者向け

3~10万円クラスはほとんどが工場で大量生産しているヴァイオリンです。楽器屋さんで最も低価格のヴァイオリンとして出回っています。例えば大きなヴァイオリン店の下倉ヴァイオリンでは、以前8万円が最低価格で売られていました。また小さなヴァイオリン工房ではまれにあまり良く出来なかった手工品として売られている場合もあるそうです。

それでも壊れずに安心して使用できるという点では、初めてヴァイオリンにチャレンジする入門者にはおすすめです!ちなみに私も最初、当時なけなしのお金で7万円の楽器からスタートしました。笑 音色は総じて分数ヴァイオリンのようなおもちゃの音がするのは否めないかなあという印象です。

10万円~50万円は初心者~中級者向け

全工程を工場生産していたヴァイオリンが、値段が上がるにつれて部分的に手作業で作られたものになります。ヴァイオリン工房では職人さんが自ら作ったものを手数料なしで安く売っているため、良いものに出会える可能性も高くなります。

音色は、安いものは金属的で弦のみで鳴っていたのが、良いものになるにつれて豊かな響き方になっていきます。これは実際に体験するのが早いので、ぜひ買えなくても楽器屋さんでワンランク上のヴァイオリンを体験しておくと違いに驚くのでおすすめです!

ちなみに中国製の方が安い傾向にあり、ひと昔前は中国製は品質が悪いといわれていましたが、職人さんによると最近はそうでもないらしいです。吟味すれば良品があるかもしれませんね。

ちなみに音楽学校卒業2年目のヴァイオリニストですが、私の楽器はここの価格帯。正直、実家の資金力がものを言います。音大生はほとんど数百万円の楽器を使っているようですが、100万以上の楽器を自分のお金で買った!という音大生はいまだに見たことがありません。

50万円~100万円は中級者向け

このクラスになっても以前として上級者には物足りないかなというのがヴァイオリン。お金のかかる楽器ですね…!しかし音色の幅が広くなるので、チープな音色か否かではなくしっかりと自分の好きな音色に向き合って選べるヴァイオリンが多くなります

そして値段=良い楽器と一概には言えなくなってくるのがこの値段。本当に難しいのですが、値段で決めずに自分の好きな音色、目指す音色と相談して選ぶのが良いと思います。普通なら80万円くらいするのに、ある工房では50万円で売っているというケースもあります。ホルンやフルートのように「このメーカーだからこの価格」と取り決めがなく、楽器の値段は自由に職人さんが決められるのがヴァイオリンは見極めが難しいひとつの理由でもありますね!

100万~500万円は上級者・音大生・プロ向け・良品のヴァイオリン

音大生やプロになると100万円~数百万円のものを使っている人だらけになります。というか今までの経験上ほとんどではないかという体感。その中で私は数十万で頑張っております…泣

ヴァイオリンは幼少期から始める人が多く、音大生はなんだかんだいってお金持ちが多いため受験すると決めた時点で買い替えたという話を聞きます。もちろんアマチュアやプロでもこの価格帯の楽器を使用している人は多くいますね。特にコンクールやオーディションでは数十万の楽器では太刀打ちできないといわれます。実力が僅差の場合はやはり楽器の良さが差に表れてしまうのですね。私も何度も買い替えたらと先生から勧められています笑。

100万円ほどのものは新作の良いヴァイオリンに多いそうです。そこから値段が上がるともう少し時代が1900年くらいまで遡って音色も深くなっていく…というものですね。

500万円~4000万円は本格的!

このクラスは本格的なヴァイオリンばかりで、オールドヴァイオリンも増えていきます。そして音色の良し悪しの判別も難しくなります。

この価格帯のヴァイオリンを試し弾きしたことが何度かありますが、例えば自分では音色がまろやかで悪く言えば音が小さくよく聞こえないと感じたのですが、遠くで聞いていた複数の知り合いによると「音がいつもの私の楽器よりも大きく聞こえた、箱が響いて遠鳴りする楽器だ」と全く違う評価をしたのです。これは本当に衝撃的なので、ヴァイオリン経験者の方は機会があればぜひ体験してほしいなと思います。

高価格帯のヴァイオリンを持っていると上達が早く、耳も感覚も鋭敏に養われるのではないかなと思います。

4000万円~数億円は「選ばれし者」のヴァイオリン

数千万円や数億円以上のヴァイオリンは超有名なヴァイオリン製作家として歴史に残る、ロッカ、ストラディヴァリウス、ガルネリなどのレベルになります。製作家のブランドが付くので値段が跳ね上がるのですね。

億単位になるともはや世界中のコレクターが収集目的で保管しているか、博物館や音楽協会や企業が保有しているかになります。コンクールで優勝するとこうした名器を貸与してもらえて弾くことが出来るのですね。もはや世界の宝。

弓の値段は楽器の3分の1以上がおすすめ

ヴァイオリンは本体だけでなく弓も必要ですね。低価格のものはよく弓やケースもセットで売られているので迷う必要はありませんが、通常は別々に買います。弓の値段も千差万別です。
弓は一般的に楽器の値段の3分の1から半分の価格帯が良いといわれています。本体が50万円なら弓は17~25万円ほどですね。楽器との相性があるため、先に楽器を買ってから弓を選ぶのがおすすめです。

1万円以下の弓はやめとけ!

弓は安い物だとネットで1~2千円で買えます。しかし音色うんぬんの前に、安い弓を使ってしまうと上達に大きな支障が出ます!
弓が飛ばしにくく妙な反発感があったり、すぐにへたってしまい反りがなくなり1年で使い物にならなくなってしまう恐れがあります。お試しですぐに買い替えるつもりなら良いですが、いずれ買い替えるつもりでいましょう。

ちなみにネットではフェルナンブコと書かれた数千円~1万円ほどの弓が売られていますが、ほぼ偽物なので注意!よく調べるとフェルナンブコ「風」に見える加工を施した別物の木材を使っていたり、集客のために名前を借りているだけだったりするので騙されないように。

2万円~10万円

ブラジルウッドの素材が多い価格帯です。耐久性も性能もあまりよくありませんが、最初から使用できないレベルのものは少ない印象です。きちんと店員さんと会ってお話を聞き、試奏して決めましょう。
私も最初は楽器7万円に対して2万円の弓からスタートしました!初心者ならここからスタートすると良いでしょう。

ちなみに、カーボンファイバー素材の弓は10万ほど出せばかなり良い物が手に入ります。「コルレーニョ奏法で弓を傷つけたくない」「激しい曲の練習で本命の弓を消耗させたくない」という時に重宝するのでおすすめ。

10万円~80万円

本格的にヴァイオリンを学び、演奏していきたい!と思ったら10万~80万円クラス。
値段が上がれば、弓が良質で難しいテクニックも弾きやすく変な癖がつきにくいので上達しやすくなります。フェルナンブコ素材も選択肢として選べるようになります。

80万円~プロ級

私の音大の先生いわく「弓は最低でも80万円」だそうです。日本トップクラスのプロオーケストラ所属の先生の意見なので、「プロとして使える弓は80万円以上」という意味で紹介します。

私も試奏したことしかありませんが、テクニックに差が出にくく弾きやすいと感じました。そして「弓が吸い付くとはこのことか!」と感動したのを覚えています。なめらかに弾けるのに、弓を飛ばしやすい。腰があるのに軽い。安い弓だとあるテクニックが弾きやすいと他のテクニックがやりにくい場合がありますが、バランスが良い印象でした。

身の回りに高い弓を持っている人がいたら、ぜひ話を聞いてみて検討すると良いでしょう!お金に余裕がある方、音大生やプロを目指す方なら選択肢に入れておきたい価格帯ですね。

詳しい弓の選び方や特徴はこちらの記事をご覧ください。(制作中)

実際に買う時は

実際に買いたい!と思ったら、価格帯や音色だけでなく弓との相性や弾き心地、音のバランス、購入場所なども念頭に置いて決めましょう。

楽器の詳しい選び方についてはこちらの記事をご覧ください。(制作中)

値段と音は比例するの?

経験上、10万円までの楽器、特に低価格帯のヴァイオリンは比例すると考えてよいでしょう。
しかしそれ以上はそうとは限りません。良い音色だと判断する要素は

①音量
②使い込まれているか
③音色
④遠鳴りするか

ではないかと今のところ私は思っています。例えば50万円の楽器でも新しくて使い込まれていなければ音量も小さく聞こえます。反対に20万円の新作ヴァイオリンでも元気で張りのある音なら大きい、強い音色だと思うでしょう。でもそれが弦の側でしか振動していなくて、ホールでは遠くに響かないのならば聴く人にはパワーのない音だと判断されます。

客観的に聞いてもらうのはもちろん大切ですが、言葉のチョイスや受け取り方にも注意が必要です。
「柔らかい、まろやか」は「弱い」、「コシのある音、強い」は「直線的、乱暴」とも受け取れる場合があり、表裏一体だと考えておくことが大切です。こうした細やかな気づきがヴァイオリンの音色や特性に耳を傾けて、表現力アップにもつながるのではないかなと感じています。

ヴァイオリンの選び方についてはこちらの記事に詳しく書いてあるのでぜひご覧ください!(制作中)

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