*パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間(2013年・アメリカ)
1963年11月22日、テキサス州ダラスでパレード中のケネディ大統領が何者かに銃で狙撃される事件が発生する。ケネディはパークランド・メモリアル病院に運び込まれ、誰もが助からないとわかりながらも、医師たちは懸命な救命処置を行う。その事件は関わった多くの人々の運命を変えていく事になる。
☆キャスト
*ロバート・オズワルド(ジェームズ・バッジ・デール)
*チャールズ・〝ジム〟・カリコ医師(ザック・エフロン)
*フォレスト・ソレルズ(ビリー・ボブ・ソーントン)…シークレットサービス・ダラス支局長
*エイブラハム・ザプルーダー(ポール・ジアマッティ)
*マーガレット・オズワルド(ジャッキー・ウィーバー)
*マルコム・ペリー医師(コリン・ハンクス)
*ドリス・ネルソン看護師(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
前回に続き、ケネディ暗殺事件に関する映画。
『JFK』はBlu-rayを持っているけど、アマプラで観たの。そしたら、今回の『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』がおススメに出てきた。
あまり興味を惹かれない…と思いながらも観てみたのですが、これは結構秀作でした。
1963年11月22日の事件発生から11月25日のケネディ大統領の葬儀までの4日間、図らずも深く関与することになった人々の様子を淡々と描く…という内容。
映画は4日間だけのことですが、この人々は事件によって、その後の人生が大きく変わっていくの。
私は本来は暗殺事件の謎に大きな興味があるので、関係者の人生模様には正直関心はなかったのですが(スミマセン)、ザプルーダー氏が撮影後にどんな気持ちだったのかは知りたくて、映画を観てみたの。
ポール・ジアマッティが演じているのだけど、よく似てる…。それに、素晴らしい演技力。
元々ケネディ大統領のファンだったザプルーダーは、ダラスでのパレードを勇んで撮影していました。が、意図せずに大統領が殺害されるシーンを撮ってしまい、激しく動揺します。(クルマが過ぎ去るのは時間にしてほんの20秒ちょっとだったので、最後まで撮影できたようです)
ザプルーダーは事件後、カメラに触ることができなくなったらしい。
彼が意気揚々とライフ社にフィルムを売りつけたのかと思っていたので(ごめんなさい)、実際に大きなショックを受けていたことを知り、とても気の毒になった。
そして、映画のタイトルにもなっているパークランド・メモリアル病院の医師たちは、運び込まれた瀕死の大統領を懸命に治療します。
これがリアルな描写で、実際もこういう状況だったのだろうと思うと、何と言っていいのか分からなくなる。
ジャッキー(=奥さま)は史実どおりに夫の頭蓋骨の一部を手にしたまま治療室に入り、それを看護師に手渡していた…。
ザプルーダー・フィルムの致命傷を受けたシーンを見たら、彼はその時点でほぼ即死状態だったと分かる。
ケネディ氏の棺を病院から運ぶ時、ダラスで解剖すべきと主張するダラス市警とワシントン側でひと悶着あったそうですが、それも忠実に描かれていました。
今回の映画で「断然カッコいい 」のは、シークレットサービス・ダラス支局長役のビリー・ボブ・ソーントン。
最初に大統領を病院に運び込む時、ザプルーダーに撮影したフィルムを観たいと要請する時、オズワルドがルビーに撃たれて病院に運び込まれた時など、各シーンで大活躍です。(この狙撃場面は本物だったようです…)
ザプルーダー・フィルムで大統領が致命傷を負うシーンを見て、衝撃を受けている彼の演技が素晴らしかった。
映画のどのシーンでも描かれているのだけど、ケネディ暗殺事件はアメリカ国民にとって、とても大きなことだったのだな~と改めて感じた。
事件の犯人とされているオズワルドの家族や、FBIダラス支局のことも描かれています。
リー・ハーヴェイ・オズワルドにはロバートという兄と母親がいたの。今まで知らなかった。
大統領暗殺犯の家族という立場になるなんて、当人たちは当時、どんな気持ちだったのか…。
最後に、この映画にはなぜかCIAは出ていません。
プロデューサーにトム・ハンクス、ビル・パクストンが入ってる。『アポロ13』で仲良くなったのかな~?
医師役でトムの息子のコリン・ハンクスが出演しています。顔も仕草もパパに似ているけど、キュートさはパパの方が上かも。
この作品も1度観ただけだと人の区別がつかない。それに、事件のせいか情報量がやっぱり多すぎる。
陰謀論や謎についての言及もなく、ただただ4日間の出来事を語るのみの映画だった。
それでも、その当時の人々がどんな様子だったのかが分かり、しみじみとしてしまう。
私は好きな映画でした。
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