ボリュームが未来永劫120%筋肥大に重要であり続ける理由

「筋肥大にはボリュームが大切!」
「筋肥大にボリュームは関係ない!」
筋トレをしたことがある人はどちらも聞いたことがあるかもしれないが、どちらが正しいのだろうか?
今回はそんな人のために「ボリュームが筋肥大に絶対的に重要な理由」を紹介。
- そもそもボリュームは筋トレを定量化しようとしたもの
- ボリュームは「筋肥大を予測する指標」として定義したい
- よく使われるボリュームはロードボリュームとセット数の2種類
- ボリュームには一長一短があり定義が確立されていない
今回は曖昧に語られがちな”ボリューム”について詳しく解説していきます。
ボリュームの定義
筋トレを定量化しようとしたものがボリューム
「そもそも筋トレのボリュームってなに?」
こう聞かれたとき、ある人は「重量×レップ数×セット数」と答えるかもしれない。
あるいは単に「セット数」と答える人もいるだろう。
というのも実はボリュームにはいくつかの定義があるのだ。[1,2,3]
- ロードボリューム系
- 絶対的ロードボリューム(Volume Load):セット数×レップ数×重量
- 相対的ロードボリューム(Relative Volume Load):セット数×レップ数×%1RM
- 数える系
- 総レップ数(Total Repetitions):セット数×レップ数
- セット数(Hard Set):セット数
- 物理系
- 総仕事量(the total work):力 [N]] ×距離 [m]
- 時間系
- テンション時間(Time under tension):エキセントリックの時間+コンセントリックの時間
- 主観も入れた系
- トレーニングインパルス(Trarining Impulse)
そもそもなんでこんなにもたくさんのボリュームの定義があるのか?
それはボリュームの定義自体が時代を通して移り変わっているからだ。
というのもボリュームが同じなら筋肥大も同じになるように定義したいのだが、それがうまくいかずに紆余曲折あった結果ボリュームの定義が乱立しているのだ。R [3]
The main challenge with training volume is its quantification (16). A good quantification method should imply similar muscle gains at matched training volume, independently of other training variables including intensity, training frequency, rest between sets, movement velocity, exercise order, etc. (25).
「トレーニングボリュームにおける主な課題はその定量化方法にある。よい定量化方法は、ボリュームを揃えたときに同様の筋肥大となるような方法だ。そしてそれは他のトレーニング変数...例えば強度や頻度、セット間のインターバル、挙上速度に依存しないのが望ましい。」
まずボリュームというのは、筋トレを定量化したもの。
そして大事なことが、ボリュームが同じ=筋トレの量が同じ=筋肥大も同じとボリュームを定義したいということ。
要するにボリュームとは「筋肥大を予測する指標」として定義したいというモチベーションがある。
なのでボリュームの定義こそコロコロ変わることはあるが、ボリューム自体が筋肥大に重要でないことはありえない。
そういったボリュームの定義は時代の流れとともに淘汰されるからだ。
筋肥大には強度は関係なさげ
そしてボリュームというのは、できれば”他の変数”に依存しないように定義したい。
つまり強度が変わろうと頻度がかわろうと、ボリュームが同じなら筋肥大も同じとなるのが望ましい。
筋力の指標が強度なら、筋肥大の指標(として定義したいの)がボリュームだ。
もしここで強度が筋肥大を強く予測するなら、ボリュームなんてものは定義しなくてもよい。
しかし実際に、強度は筋肥大を予測できないことがわかっている。
- 2017年の研究[4]
- ≦60%1RM vs >60%1RMで筋力や筋肥大を比較
- 1RMは高強度に有利
- isometric strengthは有意差なし
- 筋肥大は有意差なし
- ≦60%1RM vs >60%1RMで筋力や筋肥大を比較
強度や頻度などの変数とは独立して筋肥大を予測する指標...それこそがボリュームです。
そして筋肥大を予測する指標として定義されているからこそ、ボリュームという言葉はよく出てくる。
今回はそんなボリュームについて一つずつ丁寧に解説していこう。
ボリューム①絶対的ロードボリューム
まず一つ目が絶対的ボリュームロードと呼ばれるもの。
これは「重量×レップ数×セット数」で定義されるもので、見かけることが非常に多い
Webでも本でもボリュームといえば、この絶対的ロードボリュームを指していることが多い。
ボリュームを揃えたところ同様の筋肥大が見られた...そんな文脈で語られるときのボリュームは99%がこのロードボリューム。
- 2016年の研究[5]
- 高強度低回数:週3で”2~6レップ”を"8~10セット”行う
- ボディビル式:週3で”8~12レップ”を”4~5セット”行う
- ボリュームは両グループで同一(高強度8180kg vs ボディビル式8280kg)
- 結果
- 高強度低回数 vs ボディビル式で同様の筋肥大を示した
この研究ではロードボリュームを調べたところ、同様の筋肥大が観測されたことが報告されている。
このように、ロードボリュームを揃えると同様の筋肥大が観測されることが多い。
もちろんロードボリュームを揃えると”絶対に”同様の筋肥大を示すわけではない。
しかし、多くの場合はボリュームロードを揃えると同様の筋肥大が誘発されるのだ。
そしてそれは現在でも覆っていないため、ボリュームロードは”ボリューム”として今もよく使われる。
ボリューム②相対的ロードボリューム
ボリュームの定義として広く浸透している絶対的ボリュームロード。
しかし、ひとつ欠点がある。
それは被験者間で比較ができないということだ。
この減少は、特に被験者の属性が変わる場合に顕著になる。
というのも、重量の部分が大きく変わってしまうからだ。
例えば、2つの被験者集団にベンチプレス10RM3セット→ダンベルフライ10RM3セットを行なってもらったとしよう。
- 男性:100kg×3セット → 30kg×3セット(3900kg)
- 女性:90kg×3セット → 20kg×3セット(3300kg)
このとき、絶対的ボリュームロードとしては男性側のほうが絶対的ボリュームロードは大きい。
しかし、果たして筋トレの量は男性側の方が多いと言えるだろうか?
絶対的ボリュームロードとしては小さいが、確実に男性の筋力で100kgのベンチプレスを挙げるよりも女性の筋力で90kgのベンチプレスを挙げるほうが難しいだろう。
さらにはダンベルフライよりもベンチプレスのほうが絶対的ボリュームロードを稼ぎやすいが、ダンベルフライ10RMよりもベンチプレス10RMのほうが筋肥大に効果的という通りもない
このように絶対的ボリュームロードは被験者集団やエクササイズによって大きく値が異なってくるため、絶対的ボリュームロードは研究間での比較が難しいのだ。
そこで考え出されたのが重量の部分を”%1RM”にした相対的ボリュームロード。
重量の部分を相対値にすると、先ほどの筋トレも同じ値になる。
- 男性:75%1RM×3セット → 75%1RM×3セット(4500)
- 女性:75%1RM×3セット → 75%1RM×3セット(4500)
このように絶対的ボリュームロードを異なる被験者間でも比較できるようにしたのが”相対的ボリュームロード”なのだ。
絶対値 vs 相対値
では絶対的ボリュームロードのほうが相対的ボリュームロードより優れているのかというとそういうわけではない。
実際に相対的ボリュームロードは絶対的ボリュームロードよりも浸透していないが、それには理由がある。
- そもそも違う被験者集団やエクササイズを比較する意味がない
- 個人で相対的ボリュームロードを使うモチベーションがない
まず第一に、そもそも違う被験者集団やエクササイズに対して”ロードボリューム”で比較したいというモチベーションがほとんどない。
というのも相対的ロードボリュームは計算がやや面倒だし、何より後述する”セット数”という容易に比較できる指標がある。
加えて個人レベルでは相対的ボリュームロードを使うモチベーションが皆無なのも理由のひとつ。
なぜなら絶対的ボリュームロードのときにあった「個人の進捗を測る機能」が完全に失われるから。
例えば100kg10RMでベンチプレスをしていたとしよう。
このとき、日数を重ねるごとに10回の挙上が11回や12回になるかもしれない。
さらには13回ほど挙上できるようになった時点で、重量を110kgに上げて10RMにすることもあるだろう。
もし絶対的ボリュームロードで計測していたなら、重量を110kgに上げた場合でも値は増える。
しかし、相対的ボリュームロードでは最大筋力も上がっているが故に110kgも同じ75%1RMになる。
このようにトレーニングの進捗を測る効果は完全に失われるため、個人レベルでは相対的ボリュームロードを使うモチベーションが皆無。
ましてや異なる集団やエクササイズを比較したいというモチベーションもないため、相対的ボリュームロードはあまり知られていないのだ。
ボリューム③:Time Under Tension
次に紹介するボリュームが「テンション時間(Time Under Tension:TUT)」と呼ばれるもの。
これは筋肉に機械的張力がかかっている時間を指したもので、具体的に言えば「コンセントリックの時間+エキセントリックの時間」で定義される。
実際に「ゆっくり筋トレをする=筋肥大する」という理論を一度は聞いたことがある人が多いのではないだろうか。
ゆっくり筋トレをすることを「スロートレーニング」というが、これは特に高齢者でよく流行っている。
というのもこのスロトレ、実は低強度で運動せざるを得ない被験者で効果が出やすいことがわかっている。
理由としてはスロトレにすると1レップあたりのキツさが上がることがある。
ちなみに低強度とは、具体的な数字で言うならば50%1RMくらいを指す。
この状態で12RMで筋トレをすると、普通のテンポでは全く追い込んでいないことになる。
しかし、スロトレにすると追い込んだ状態で筋トレをすることが可能になるのだ。
一方で、普通の健康な若者は10RM…つまり75%1RMほどで筋トレしている場合が多い。
こういった人がスロトレをすると、むしろ(ロード)ボリュームを損なう可能性が高い。
- 50%1RM:スロトレによって可能なレップ数が減り、12RMほどで追い込める
- 75%1RM:スロトレによって可能なレップ数が減り、本来10RMできたものが8RMとかになる。
つまり、スロトレは高齢者やケガをした人など何らかの理由で低強度の筋トレをしなければならない人によっては有利に働くことがあるが、普通の人にとってはそう言うわけではない。
このように確かにTUTを長くすることで有利な条件が存在するのは確かだが、「TUTが長い=筋肥大も大きい」と言う図式は多くの場合で成り立たない。
こういった理由もあり、テンション時間はボリュームの指標としてはあまり定着していません。
ボリューム④:総仕事量
次に紹介するのが総仕事量という指標。
これは高校で習うあの仕事量のことで、力[N] × 距離[m]で定義される。
あまり聞きなれないボリュームの定義だが、実は某筋肉博士が話しているボリュームの動画もこの総仕事量が定義になっている。
この仕事量、あまり知られていないくせに実は「ボリュームとして一番適しているのでは?」という研究もある。
ボリュームを比較した
- 2009年の研究[1]
- 被験者となったのは筋トレ経験者10人
- 3条件で1週間筋トレしてもらったクロスオーバーデザイン
- 筋肥大トレーニング:75%1RM×10レップで4セットのスクワット(インターバル90秒)
- 筋力トレーニング:90%1RM×3レップで11セットのスクワット(インターバル4分)
- パワートレーニング:0%1RM×6レップで8セットのジャンプスクワット(インターバル3分)
- ボリュームを4つで比較
- volume load(VL):レップ数×外部負荷
- maximum dynamic strength volume(MDSVL):repetitions [no.] × [body − shank mass (kg) + external load (kg)]
- 自重で行うジャンプスクワットなどに用いる
- time under tension(TUT):コンセントリック時間+エキセントリック時間
- total work(TW):力×距離
この研究は3つの筋トレ方法(筋肥大・筋力・パワー)に対して、4つの尺度でボリュームを計測したというもの。
その実際の結果は下記のようになる。
ボリュームロードは自重で値が0になってしまう
まず一番左にあるのが(絶対的)ボリュームロード。
この測定方法は筋肥大と筋力はいいのだが、パワーは0になってしまっている。
実はボリュームロードには先ほど言わなかった欠点がひとつある。
自重トレーニングは負荷が0になってしまうこと。
というのも、ボリュームロードの重量というのは厳密には外部負荷の値が入るから。
スクワットのような自重運動であった場合、体重全部をいれていいのかがわからない。
- 上半身は足の力で挙上するので入れてもいい気がするが、それでは下半身はどこまで入れていいのだろうか?
- そもそもバーベルスクワットでは自重の重さを入れていないのに、自重のスクワットは体重を入れるのはいいのだろうか?
こういった問題が出てくるため、自重種目でボリュームロードを測るのは実は結構難しい。
その弱点を抑えたのがMDSVLという方法で、これはレップ数に”体重ースネの重さ”をかけることでボリュームを算出したもの。
このように補正をかけてボリュームとして機能させようとした例はあるが、この場合でも自重の値が0にはならないとはいえバーベル系種目よりも不当に値が低くなってしまっている可能性がある。
TUTは爆発的な挙上をするトレーニングで値が低くなってしまう
そして左から3番目にあるのがTUTだが、これはパワー系種目で不当に値が低くなってしまうということがある。
爆発的に挙上をするパワートレーニングは結構な高重量を扱っていたとしても、コンセントリックの時間が短いので当然TUTは低くなる。
つまりパワー系トレーニングで値が低くなってしまうので、こちらもボリュームとして機能しない。
総仕事量が一番正しくボリュームを測定できた?
そして一番右が総仕事量。
この研究では「総仕事量が最もボリュームとして機能する可能性がある」と結論づけられる。
というのも、この総仕事量だけが3つのトレーニング全てを等価と扱うことができるからだ。
(ちなみに私個人としてはこの3つのトレーニングが等価ということに納得はいっていない。明らかに自重のジャンプスクワットの方がラクに感じるからだ...)
そして総仕事量が筋肥大を正確に予測するかはわからないが、仮に予測したとしても気にする必要は全くない。
というのも、この総仕事量は計算が複雑すぎて個人の筋トレには全く役に立たないからだ。
実際にこれで情報発信をしているインフルエンサーがいたから紹介しただけ、というのがこの指標。
「総仕事量というものがあるんだな」くらいに覚えておけば問題ないだろう。
ボリューム⑤セット数
次に紹介するのがセット数。
これもロードボリュームと並んで有名な指標の一つで、ボリューム=セット数として紹介しているインフルエンサーも多い。
最も実用的なボリュームの定義でもあるため、最近は特にボリューム=セット数だと思われる節が強い。
セット数で定義されるボリュームは文字通り筋トレのセット数を数えるだけというもの。
まずなんでセット数を数えるだけで筋トレのボリュームとなりうるのか?
ボリュームロードで一番聞いてくる値はセット数
一つ目の理由は元々古くから使われていたボリュームロードにとって、セット数が一番操作しやすいかつ影響が大きいということ。
例えばベンチプレスをしたとき、100kg10RMが限界だったとしよう。
3セット行っているとして、ボリュームロードは100kg×10レップス×3セット=3000kgとなる。
ここから重量を110kgにあげたとすると、レップ数は当然落ちる。
仮に8レップスしかできなくなってしまったとすると、ボリュームロードは110kg×8レップス×3セット=2640kg。
ボリュームは大して変わらないどころか減ってしまう可能性すらある。
これはレップ数に関しても同じで、レップ数を増やすと重量は必然的に下がる。
結果としてボリュームロードは大して変わらないという状況が発生するのだ。
一方で、セット数は簡単に増やしたり減らしたりすることができる。
いわば簡単にボリュームロードを増やす手段として機能するのだ。
先ほどの例でいえば、1セット増やすだけで簡単にボリュームロードを100kg増やすことができる。
よってセット数をそのままボリュームとして使ってもいいという仮説が成立するのだ。
1セットを完了すれば”理論的には”すべての筋肉が刺激されているので等価
そしてもう一つの理由が、セット数を1つ完了したら理論的にはすべての筋肉を刺激しきっている可能性が高いということ。
筋繊維というのはいくつもの小さい繊維(筋原線維)が束になって出来ているが、筋繊維というのはすべてを同時に動かすわけではない。
いくつかの繊維を動員しておもりをウエイトを持ち上げ、使用できる筋繊維が1つも残っていないとオールアウトとなる。
つまりオールアウトまで筋トレした(1セットを完了した)=すべての筋繊維を刺激できたという図式が理論的には成り立つのだ。
なのでセット数を数えるのが筋トレを定量化する方法として妥当なのでは?という話がある。
ボリュームが同じなら筋肥大も同じ、というパターンが多かった
そこで実際に「ボリュームの定義としてセット数が使えるのでは?」というものが出てきたので紹介しよう。
- 2021年のレビュー[3]
- 組入基準
- ランダム化試験
- セット数、反復範囲、頻度の比較
- 期間が6週間以上
- 筋トレ経験歴が1年以上
- 被験者の対象が18-35歳
- 筋肥大を測定した件杞憂
- 健康な被験者
実際にこの研究で抜き出された研究は下記の14件。
Study | Groups | セット数が同じ/レップレンジが違う | セット数が同じ/頻度が違う | ボリュームロードが同じ/セット数が違う | セット数もボリュームロードも違う | 結果 |
Au et al. [6] | HR: 3sets × 20–25RM | Yes | 有意差なし | |||
LR: 3sets × 8–12RM | ||||||
Morton et al. [7] | HR: 3sets × 20–25RM | Yes | 有意差なし | |||
LR: 3sets × 8–12RM | ||||||
Schoenfeld, et al. [8] | LL: 3sets × 25–35RM | Yes | 有差なし/ESはHLに有利 | |||
HL: 3sets × 8–12RM | ||||||
Mangine et al. [9] | VOL: 4sets × 10–12RM (70%1RM) | Yes | 有意差なし/ESはINTに有利 | |||
INT: 4sets × 3–5RM (90%) | ||||||
Schoenfeld et al.[10] | CL: 3sets × 8–12RM | Yes | 有意差なし/ESはVALに有利 | |||
VAL: 3sets × 2–4RM → 3sets × 8–12RM → 3sets × 20–30RM | ||||||
Schoenfeld, et al. [11] | HL 3sets × 2–4RM | Yes | 有意差なし/ESはMLに有利 | |||
ML: 3sets × 8–12RM | ||||||
Brigatto et al. [12] | HF: 8*2sets × 8–12RM(週2) | Yes | 有意差なし | |||
LF: 16sets × 8–12RM(週1) | ||||||
Thomas and Burns [13] | HF: 3*3sets × 8-12RM(週3) | Yes | 有意差なし | |||
LF: 9sets × 8-12RM(週1) | ||||||
Gomes et al. [14] | HF: 10-15sets × 8-12RM(週5) | Yes | 有意差なし/ESはHFに有利 | |||
HV: 10-15sets × 8-12RM(週1) | ||||||
Yue et al. [15] | HF 2sets × 4day × 8-12RM | Yes | 有意差なし/ESはHVに有利 | |||
HV 4sets × 2day × 8-12RM | ||||||
Lopes et al. [16] | ML: 6sets × 10RM | Yes | 有意差なし | |||
LL: 3sets × 20RM | ||||||
Klemp et al. [5] | HL: 8 × 6 → 9 × 4 → 10 × 2 | Yes | 有意差なし | |||
ML: 4 × 12 → 4 × 10 → 5 × 8 | ||||||
Schoenfeld et al.[17] | Strength: 7sets × 2–4RM | Yes | 有意差なし | |||
Hypertrophy: 3sets × 8–12RM | ||||||
Amirthalingam et al.[18] | HV: 10sets × 10RM | Yes | 有意差なし | |||
LV: 5sets × 10RM |
まずこれらの研究は、大前提としてどれも2グループ間で有意差なしとなっている。
その中で下記のように分類することができる。
- レップレンジが違うけどセット数が同じ
- 頻度が違うけどセット数が同じ
- セット数が違うけどボリュームロードが同じ
- セット数もボリュームロードも違う
簡単にいえば1と2は「セット数がボリュームとして使える」仮説に合致する研究、3と4がこの仮説には合致しない研究となっている。
まず1と2に関して言えば、たとえレップレンジが異なろうと頻度が異なろうと、セット数が同じならば筋肥大は同じだった。
つまるところ、セット数さえ揃えれば多少筋トレの条件が異なっていても同様の筋肥大がもたらされることを意味する。
そして3が「セット数が違うけどボリュームロードが同じ」という研究。
これは高強度 vs 中強度を比較した研究が多い。
つまり、単にパワーリフターが行うような高強度の筋トレとボディビルダーが行うような中強度の筋トレは単純にセット数では比較できないということを意味する。
実用的な面で考えるなら、高強度トレーニングでボディビル式と同じくらい筋肥大しようと思ったらボリュームロードが同じになるまでセット数を重ねなければいけないということだ。
そして4が「セット数もボリュームロードも違うのに筋肥大は同じだった」という研究。
これは単純にセット数がボリュームとして使えるという仮説に完全に反するもの。
とはいえ、どんなに受け入れらている理論でも基本的にすべての研究が100%合致することはない。
反例というものは一つくらいは出てくるもので、逆に1/14しか反例がないという意味ではかなり理論としては正しそうといえる。
これらの研究をすべて総合して「6-20RM+の範囲であればセット数はボリュームの指標として使える」というのがこの論文での結論だ。
条件付きではあるが、セット数はボリュームとして機能する。
低レップではセット数よりもボリュームロードのほうが正しい。
高レップに関しては、どこに上限値があるのかは正直なところ不明。
高レップになればなるほど筋トレに重要なもう一つのファクターである「(ある程度)追い込む」ということが難しくなるので、実質的にこの仮説が破れる可能性は大いにある。
とはいえ現実問題として高強度はまだしもそこまでの高レップで筋トレをする人はほとんどいないだろう。
とりあえず「6-20RMであればセット数が同じだと筋肥大は同じになる可能性が高い」と覚えておけばいいだろう。
セット数と筋肥大には用量依存性の関係がある
セット数というボリュームの定義だが、セット数が同じなら筋肥大も同じという以外に用量依存性の関係も見つかっている。
つまり、筋トレのセット数を増やせば増やすほど筋肥大する傾向にあるのだ。
このことをまず示したのが2017年の「週あたりのセット数と筋肥大」に関する研究。
- 2017年のメタ分析[19]
- 組入基準
- 英語の出版物
- 65%1RM以上
- 6週間以上
- 病気とかじゃない
- セット数の計測方法
- 直接的な種目も間接的な種目も1セットとしてカウント
- 筋肥大の結果
- <5セット:+5.5%
- 5-9セット:+7.2%
- ≧10セット:+8.6%
この研究では、セット数をふやすほど筋肥大することが示されている。
筋肥大の効果としては先細りとなっているが、たしかにセット数を増やすほど筋肥大していることが判明したのだ。
ちなみにこの研究も主に6-20RMの研究がほとんど。
研究 | レップ数 |
Bottaro et al. (2011) [20] | 8-12RM |
Cannon and Marino (2010) [21] | 10-20+RM |
Correa et al. (2015) [22] | 15RM |
Galvao and Taaffe (2005) [23] | 8RM |
McBride et al. (2003) [24] | 6-10RM |
Mitchell et al. (2012) [25] | 8RM or 30%1RM |
Ostrowski et al. (1997) [26] | 12RM |
Radaelli, Fleck, et al. (2014) [27] | 10RM |
Radaelli, Wilhelm, et al. (2014) [28] | 15-20RM |
Radaelli, Botton, et al. (2014) [29] | 6-20RM |
Rhea et al. (2002) [30] | 8-12RM |
Ribeiro et al. (2015) [31] | 10-15RM |
Ronnestad et al. (2007) [32] | 7-10RM |
Soonest et al. (2013) [33] | 8-10RM |
Strarkey et al. (1996) [34] | 8-12RM |
唯一この条件に合致しないのが2012年のMitchellらによる研究。
それ以外は軒並み6-20RMの研究となっている。
さらに最近になって、週あたりのセット数と筋肥大の関係に関するメタ分析が出てきた。
- 2024年のメタ分析[35]
- 週あたりのセット数と筋肥大の関係を調べた研究
- 計測方法
- 直接的な種目を1セット、間接的な種目を0.5セットとしてカウント
- データのほとんどが6-20セット
- 6セット未満:1.1%
- 6-20セット:97.6%
- 20セット以上:1.3%
実際の週あたりのセット数と筋肥大の関係が下記。
こちらも結果は同様。
セット数を増やせば増やすほど筋肥大する傾向があり、その値はどんどん先細りになるという結果に。
このようにセット数を揃えると筋肥大は同じくらいに落ち着く可能性が高く、さらにはセット数を増やすほど筋肥大するという結果になっている。
このような関係があるかつ計測のしやすさも相まって、現在ではボリュームの定義としてかなり定着しつつある。
ボリューム⑥総レップ数
そして次のボリュームの定義が、総レップ数。
これはボリュームロードの重要部分をなくしたもので、レップ数×セット数で計算される。
実際に総レップ数でボリュームが計算されている研究もあるにはある。[2]
しかしそんなに多くないうえに、そもそもボリュームとして機能するかが怪しいのがこの定義。
というのも、総レップ数で考えると”低負荷高レップ”が筋肥大に有利ということになるが、実際はそんなことはない。
- 2002年の研究[36]
- 4つのグループで比較
- Low Rep:3-5RM
- Int Rep:9-11RM
- High Rep:20-28RM
- Control:筋トレなし
- 4つのグループで比較
こちらの研究はレップ数による違いを調べたもの。
結果として高~中強度でトレーニングをしたLow RepとInt Repが同様の筋肥大、低強度のHigh Repと筋トレなしは筋肥大しなかったという結果に。
基本的に誰もが10RMで筋トレしていないというような状況であればレップ数はボリュームとして使えると思うが、それ以外のときは通用しない。
加えてそのような状態であれば計測もしやすいセット数でボリュームを計測すれば事足りる。
このように総レップ数で数えるメリットもなければ筋肥大も予測できないので、総レップ数もボリュームの定義としてはほとんど定着しない。
ボリューム⑦トレーニングインパルス
最後に登場するのがトレーニングインパルスと呼ばれる指標。
これは先ほど紹介したレップ数にセッションRPE(sRPE)をかけたもの。
セッションRPEというのは要はセッション当たりの主観的な辛さを表す指標で、0-10までの数値で表される。
このトレーニングインパルスという指標は、今までのボリュームで用いられてきた外的な指標に主観的な指標をかけたというもの。
こうすることで何がいいのか...というのは実際の研究で紹介しよう。
- 2020年の研究[37]
- 被験者となったのは筋トレ経験のある男性12人
- クロスオーバーデザイン
- 3つの条件で筋トレをしてもらった
- 筋肥大:75%1RMで5セット(追い込む)
- パワー:50%1RMで6レップを5セット(追い込まない)
- 筋力 :90%1RMで5セット(追い込む)
- 計測方法は4つ
- Volume Load(外的)
- バイオマーカー(内的)
- sRPE(内的)
- トレーニングインパルス(外的×内的)
この研究は筋肥大・パワー・筋力という3種類のトレーニング法を4つの方法で測定したもの。
まず大前提として、ボリュームロードもトレーニングインパルスも一番値が大きいのは”筋肥大”トレーニング。
要は10RMできるくらいのボディビル式が一番筋トレの量が大きかったという結果に。
ここまでは問題はないだろう。
しかし、パワーと筋力の比較になると少々問題が出てくる。
というのも、”筋力”のような高強度で行うトレーニングはロードボリュームが稼ぎづらく、全然追い込まない軽い負荷で6レップの筋トレをした場合のほうがむしろボリュームが大きくなってしまうのだ。
ここで皆さんに聞きたいのが、超低重量を6レップだけ行う筋トレと2-3レップしかできない重量で追い込む筋トレ、どちらのほうが「量が多い」と言えるだろうか。
確実に低重量より高重量のほうが量が多いと感じるほうがいいだろう。
ということで、ここにセッションRPEをかけたトレーニングインパルスという指標を持ち込むと、パワーと筋力でトレーニングの量は同じとなる。
このようにレップ数という外的指標に加えてどれだけ疲労しているか(またはどれだけ追い込んのか)という要素を入れ込んだのがトレーニングインパルス。
ちなみに紹介しておいてなんだが、おそらくこのトレーニングインパルスというのはおそらく流行らないだろう。
このトレーニングインパルスは筋肥大を予測することもできなければ、筋トレの量と疲労度を混合するべきではないという批判もある。
正直存在を知っていたから一応紹介しただけなので、特に覚える必要はないだろう。
まとめ
今回はボリュームについてまとめた。
- 筋トレを定量化しようとしたものがボリューム
- そもそもボリュームが同じ=筋肥大も同じと定義したい
- 現在よく使われるボリュームの定義はセット数とボリュームロードの2つ
色々なボリュームの定義を紹介したが、生き残っているのはセット数とボリュームロードの2つ。
ボリュームという言葉は発信者側もものすごく曖昧な意味で使うことが多いので、これらが筋トレの定量化方法として生み出されたもので筋肥大を予測する指標として機能させたいというのは覚えておいてもいいだろう。
参考文献
1. McBride JM, McCaulley GO, Cormie P, Nuzzo JL, Cavill MJ, Triplett NT. Comparison of methods to quantify volume during resistance exercise. J Strength Cond Res. 2009;23: 106–110.
2. Wernbom M, Augustsson J, Thomeé R. The influence of frequency, intensity, volume and mode of strength training on whole muscle cross-sectional area in humans. Sports Med. 2007;37: 225–264.
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