「でも、なんでおにぎりやをやりたいと思ったの?」と僕が聞くと
「なにかをやりたいと思ったときに、真っ先に思いついたのが、おにぎりや」
「そんな、単純な発想?」と、あきれ返った顔で僕が聞くと
「うん。そう」と涼しげな顔で答える
「だけど、それって趣味みたいなものじゃあないの?お店の経営ってそんなに簡単なものじゃあないだろう」
「そうかもね、でも何か自分の仕事をしたいと思ったら、それ以外のことは思いつかなかった」
「単純だね、たったそれだけ?」
「うん、それだけ」
「あのさ、店を開いてそれを維持するって大変だよ。開店にいくら位かかるか知っている?」
と、僕があきれ顔で聞くと
「どの位あればいいかなあ?」
「まあ、いつか・・夢が叶えばって、いつしかの先のことか?」
いつか、できればいい程度で考えていたのか?
良くある話だ
僕も、サラリーマンをやっていた時に、同僚や先輩が定年になったら、何か起業でもしようか、と言っていた
そして、定年後も会社に残って再雇用をしているのを何人も知っている