「そうなんだ・・、そうだよねえっ、」と恵子は納得するようなそぶりでじっと、僕の顔を覗き込むと

「ありがとう」と言いながらじっと何かを考えていた

 

その日は恵子とは別れて、自宅に戻る車の中、いろいろと考えることが多かった

自分では気づかなかったことを、恵子と言う女性が自分の鏡を見るように1つ1つの細かなことを、確認することができた

 

自分が、会社を持っていることの自覚

そして、恵子の夢を聞くことで、また1つの自分の夢に気づくことができた

 

しかしだ、恵子は僕の事業が「不動産屋」だと思っているのか?

そして、恵子はどんなおにぎりやをやっていくのだろうなんて考えると

1年前に、ごく呆然としながら、会社勤めをしていた自分の姿を、車のバックミラー越しに見えた

車のバックミラーのように、目で見る視覚に比べて、圧倒的に視界が狭い

そして、見える部分、方向も限られている