[雑感]某TV局の騒動に見る個別株投資の難しさ

雑談

先日異例の10時間超のやり直し記者会見を開催、非難を集めている某TV局の一連の対応経緯ですが、個別の株式投資の観点から、事後的に振り返ってみて、何か事前に対応できることがあったでしょうか。

事実経緯は不明

大前提として、ブログ主はマスコミ報道以外の情報は持ち合わせていません。明らかな事実としては、
・被害を受けたとされている女性の人権保護の観点から記者会見で開示できる情報は制限されるとTV局側は明示している。
・当初の某週刊誌の報道は、2度目の記者会見後、事実関係が訂正されている。
というもののみです。

今回の週刊誌報道の正確な事実関係と真偽、TV局側が甚だしい人権侵害行為を黙認していたか否かは、報道内容のみから、我々第三者が客観的な事実を知りうることは困難です。接している情報は、マスメディアやSNSなど接する情報経由の間接的な事実からの推測や憶測、感情的な反応でしかありません。

株価の推移

出典:GoogleFinace

直近6ヶ月の株価推移です。相次ぐスポンサーの自粛により収益の悪化が織り込まれるのではなく、6ヶ月単位で見ても高値更新されています。下がるも上がるも予想し難いのではないでしょうか。事後的にも、売買は困難としかいえません。

報道で注目され安値放置が見直されたとか、次回の株主総会への出席を目的に買われている、または信用売りの買戻しに起因など、様々要因は語られていますが、目の前で既に起こったことに後付で理由付けしているに過ぎません。何かしらの誰も知らない情報を個人が奇跡的に事前に得ていたと仮定しても、事後的に遡って、インサイダーではない情報で株価予想をすることは無理でしょう。

出典:GoogleFinance

5年単位で見ても同様です。今回の件は大事件のように見えますが、5年間推移でみると、他の要因の方が株価変動に大きく影響を及ぼしているといえます(今のところ)。在京キー局は概して独占利用できる電波で得た収入を不動産投資に回しており、メディア部門の収益は伸びていません。古いですが、当社においても、

出典:フジ・メディア・ホールディングス統合報告書2023

メディア事業と不動産事業の営業利益は、近年、とても近い水準となっています。

株主として事前に対応できたか

企業風土の構築に多大な貢献をしたとされる某取締役相談役の責任を問うかのような記者会見での質問・詰問や報道もなされています。

会社法の観点からは、代表権を有しない特定の取締役に対して、事実上の影響力だけを根拠に責任追及するのは、ズレているとしか言えないのですが、それは置いておきます。

取締役の選任は、株主総会の議決事項であるため、会社提案の選任議案を否決する権限を株主は有しています。株主は株主総会での議決権等を通じて会社のカバナンスに影響を与えることが可能です。

しかし、株主の誰かしらが「代表権を有しない取締役が事実上の権限者として君臨している当社の企業風土は脆弱。将来的に、ガバナンス上の問題を発生させ株主に損失を与える恐れがある。会社提案の取締役選任議案には反対すべし」と考えて、事件前に情報を把握して事前に何か行動できたでしょうか。

出典:フジ・メディア・ホールディングス統合報告書2023

内部事情に異例に精通していて、かつ、経営に多大な関心があり、行動する覚悟もある株主がいたとしても、事件のような出来事を予想してさらに発生させないよう対応する術は思い当たりません。

情報の不確かさをあらためて認識

真否はさておいて、今回の事件であらためて思ったのは、メディア情報の不確かさです。

・国内有数の報道部門を有し、普段は正義の仮面を被って追求する側なのに、追求される側となると適切に対応できないマスコミ
・冷静・中立であるべきメディア・記者と称するマスコミの方々が、事実関係の裏付けせず一週間紙の報道を持ってのみ推測・憶測のみで感情的に反応し、安全地帯に籠もったまま、正義を体現している勘違い
・報道の事後訂正にすら他責的対応であったり、なかったことにしたりして、過ちは素直に認めず検証・対応しない無責任な方々

それなりに信頼を築いてきた大手メディアですらこの体たらくです。今回の事件をみていて、メディアを通じた間接情報が主体とならざるを得ない一個人が、投資に限定したとしても、情報を正確に把握して、個別株で他者を上回る成績を残し続けるのは、やはり相当困難と思いました。

不確かな情報で社会的地位がある関係者がこれだけ行動し、社会が動いていくんだということは承知しておくべきです。そうせざるを得ない社会的背景があるかもしれなかったり、さらに、実は関係者に不満が鬱積していたりして、この機に乗じて、特定の意図により意識的に行動していたりする可能性すら想定しておくべきかも。これは株式投資に限ったことではありません。

反面教師として、消去法的に、こうした清濁を包含し変化し続けるインデックス投資の存在意義を意識します。

不可能は不可能

株価予想は可能と思うより、不可能と認識した上で、個別株投資は趣味的に楽しむのが無難だと思います。真否不明の事実に対しても、しかりです。推測や憶測、感情的な判断での行動は愚の骨頂です。答えが出なくても、このような動きになる社会構造や人間心理は自問自答し続けるべきです。

とはいいつつも、硬い話ばかりもつまらない。ライブドア事件から偶然の行き着く先、時代を経てまた違った視点で光が当たる楽しさも一興です!時代は韻を踏む?

外部リンク:Yahooニュース トラブル問題で再注目のドラマ「新しい王様」が描くテレビ業界の“病巣”

出典:Amazon prime video

情報発信いただいた方には心より感謝申し上げます。これぞ、セレンディピティ。最後までご覧いただきありがとうございました。

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