2007年の1月に帰国して以来4年ぶりの2011年1月、またソウルに住むことになったわけですが、昨日お話したように仕事がなくなり、遊んでばかりもいられない状態でした。

自分名義の携帯が出来て部屋も借りられたのに、家賃と生活費が払えなくてはシャレになりませんから。

でも、不思議なことにちょうど日本から大きな文書翻訳の話が舞い込んできたのです。文書翻訳はパソコンで作業してメール送信すればいいので、どこにいてもできます。ただ、膨大な量だったのでまほらちゃんと、まほらちゃんの友達キョンミン君の3人でやることにしました。

 

そんなある日、忘れもしない3月11日、日本にいる母から電話があり「あんた、日本のニュースを知らないの?大地震があって大変なのよ」と。幸い、千葉県の実家は何も被害がなかったのですが、急いでテレビをつけてNHK WORLDチャンネルを見ると、そこには映画としか思えない光景が映ってました。ものすごい津波が町や人々を飲み込んでいく光景びっくりマークもう、あまりにすごすぎて、それから何日かは何も手につかないまま、ひたすらテレビでニュースを見てましたね。そして計画停電などが一段落してから日本に一度帰りましたが、どこへ行っても建物内が全て薄暗く、なんか異様な雰囲気だったのを覚えています。

 

もちろん、韓国でも大々的にニュースになっていたので、私が近くのスーパーへ買い物に行くと、レジのおばさんが私が日本人だと知っているのか「家は大丈夫だった?大変だったわね」と心配してくれるのです。私はそのおばさんの顔も覚えてないのに。大家さんはもちろん、他のお店でも心配して声をかけてくれて…あ~なんて韓国の人たちは優しいんだ…と涙が出そうになりました。

 

あとで帰国した時に友達から何時間もかけて歩いて家に帰った話や、家の中がぐちゃぐちゃになった話などを聞いて、地震を経験しなかったのは個人的には幸いでしたが、逆に思いを共有できず申し訳なくなりました。

 

それから2ヵ月ほどたった5月27日、私はネットニュースを見て愕然としました。

「元sg WANNA BE+のチェ・ドンハが自宅で…」

前々回のブログで、ドンハに申し訳ないことをしてしまった話を書きましたが、

それもあって私はいても立ってもいられず急いでソウル大学病院の葬儀場に行きました。するとヨンジュンジノが気づいてくれて、最後のお別れの時に呼んでくれましたが、どうしてもドンハの顔を見ることができなかったのでお断りしました。そしてお花だけ手向け、挨拶をして帰ってきました泣

韓国でお葬式に出たのは初めてでしたが、まさか自分が関わったアーティストが自ら命を絶つなんて…。しかもポニーキャニオン時代、最初に担当した岡田有希子ちゃんについで2人目です。この前年には、キャニオンの先輩がプロデュースしたパク・ヨンハ君まで…。私も一度だけ日本語の歌のチェックでお会いしたことがあったのでショックでした。

 

どうしてこんなにも韓国の芸能界(音楽業界含め)は自ら死を選ぶ人が多いのでしょう。確かに日本よりずっと早くからインターネットが普及していて、SNSのように自由に意見が言える場が多いので、誹謗中傷される機会も多いようです。日本進出することで非難されるケースも多かったと言われます。ソン・スンホン「あいつはカッコよかった」で共演したチョン・ダビンちゃんや、ナムグン・ミン「バラ色の人生」で共演したチェ・ジンシルさんの自殺も衝撃を受けました。韓国は日本よりずっと競争の激しい社会です。歌手でも俳優でも本当に実力がないと、ファンからですら批判されるのです。時には理由なく非難されることも。

日本でもそういった被害は増えてますが、韓国はその何十倍と考えてもいいほどなので、深刻に受け止めてしまう人も多いでしょうし、自分の本当の気持ちを言えなくて苦しむ人が多いのかもしれません。とにかく、特に若い人が死を選ばざるを得ない環境が少しでも改善されることを祈るばかりです。

 

さて、そんなショッキングな事件が多かった2011年前半ですが、私の第二の人生を本格的に歩き始めるきっかけにもなりました。

ポニーキャニオンは当時、韓国にも支社がありイ社長とは同い年でたまに飲んだりしてたのですが、社長から連絡があり「ドラマの日本語字幕の仕事とか、興味ない?友達がそういう会社の社長なんだけど」と言うのですびっくりマーク

私は留学前に立て続けに映画「シルミド」「ブラザーフッド」を見て、最後に日本語字幕の翻訳者名が出た時、私もいずれ、こういう所に名前が出る翻訳者になりたい!と思ったので、願ってもない提案でした。

 

何しろ、本当に韓国ドラマが好きで、おそらく日本にいた時でも少なくとも毎日1話は見ていたのでその字幕翻訳ができるなんて、夢のようでした。

そして早速、社長さんに会いに行くと、もう契約書が用意してあって…。「ギャラが安いから、数をこなさないとお金にならないよ」と言われましたが、その時はそんなことよりやりたい気持ちが大きかったので、すぐにサインして仕事を始めるのですが…。

実はそう簡単ではありませんでした。

 

ということで、字幕翻訳のお仕事についてはまた次回。

 

それでは~

 

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