金縛りの経験

あれは何年か前、夏の暑い日のことでした。

友達が田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に行く事になりましてね、どういうわけか、ボクも一緒に遊びに行くことになったんです。

この友達、仮にA子としますね。

川が流れ田んぼが広がる、そんな田舎道を行った先に家がありましてね。

昼間は山や川で遊び、その日は泊まって行くことになったんです。

ご飯を食べて、お風呂に入り、あとはもう寝るだけになりましてね。

居間を出て、庭に沿った廊下を進んだ先にある客間にボクたちの布団が用意されていたんです。

エアコンなんてないので、窓も障子も全部開け放ってあり、木々を揺らしながら、サァーーと風が吹き抜けていきます。

二人で夢中で話してるうちに、夜も更けていつしか会話も途切れ途切れになってきた頃、廊下の方から、床が軋むような音が聞こえてきました。

い゛ぃ‥‥い゛ぃ‥‥

ピタ‥‥ピタ‥‥

い゛ぃ‥‥い゛ぃ‥‥

ピタ‥‥ピタ‥‥

最初は誰かがトイレに向かっているのかと思ったんです。
ただ、こう、なんていうか変なんですよ。
なんか、妙に湿っているというか‥‥
この世のものじゃないような、嫌ぁぁな感じがしたんですね。
A子はどうやら完全に寝ているようで、声をかけても気がつかないんですね。
直感的になんか目を合わせてはいけない気がして、廊下に面してる障子を、スゥーと閉めたんです。
ピタンピタンピタン
嫌だなぁ嫌だな‥‥怖いな‥‥不気味だな‥‥
布団を頭からかぶって、通り過ぎて行くのを待ちました。
ピタンピタンピタ‥‥
部屋の前で足音が止まりました。
障子が開く気配はしません。
早く行ってくれないかな‥‥
‥‥ピタ
ピタ
 
どれくらい、そうしていたか、気配も離れた感じがしたので、そっと布団から出てみたんですよ。
その時、閉めていた障子が勢いよくバーン!と開きました。
 
 
#金縛りの経験
 
結構金縛りになる事があって、遠足の後だとか、旅行の時だとか、疲れている時になりやすい気がします。
金縛りになってる時、時計も止まって見えます。
とりあえず、金縛りだと思ったら、空手のように「ハァッ!ハァッ!ハァッ!!」と気合いを入れるようにすると、金縛りが解けるようになりました。
 

 

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