母のEOL人生最終段階にQOL向上に努める娘のライフシフト

がんサバイバー家族

お久しぶりです!

通い介護のミドルケアラーで、ひとり当事者研究者(いこ専門家)のいこです。

最近ブログを書くことが遠のいていますが、私は元気です!
母も抗がん剤の副作用による肌の痒みに多少煩わされてはおりますが、お陰様で体調は安定しており、元気です!

ブログを書く手が進まないのは、私に何やら心境の変化のような(自分ではっきりと認識できていないのですが……)が起こっている最中のようで、そのために何を書いていいのかポカーンとした期間を過ごしていたからなのですが、久しぶりにそのポカーンがポッカーンと吹っ切れたというか、単に気が向いただけともいえますが、数週間ぶりにブログを書き始めることができました。


そんな今回のブログテーマは、「End Of Life(EOL)」です。

エンドオブライフケア

このブログのタイトルはご存じの通り(?)、『母のEnd Of Lifeに』ですが、この「End Of Life」という言葉を皆さまはご存じですか?

私は母がステージ4の大腸がんを告知されるまで、耳にしたことがありませんでした。


がんサバイバー家族になったばかりの頃、母に関わるであろうことを思いつくままにネットで調べていたのですが、その時、「エンドオブライフケア」について書かれたいくつかのサイトに出会いました。

看護の視点から考える「エンド・オブ・ライフケア」の特徴とは……

  1. その人のライフ(生活や人生)に焦点を当てる
  2. 患者・家族・医療スタッフが死を意識したときから始まる
  3. 患者・家族・医療スタッフが共に治療の選択に関わる
  4. 患者・家族・医療スタッフが多様な療養・看取りの場の選択を考える
  5. QOLを最期まで最大限に保ち、その人にとっての良い死を迎えられるようにすることを家族とともに目標とする
エンド・オブ・ライフケアとは | エンド・オブ・ライフケアの考え方 | 千葉大学大学院 看護学研究科 エンド・オブ・ライフケア看護学 (chiba-u.jp)

また、このようなエンドオブライフケアの在り方が重要になるのは、「人々が死について考えるとき」とありました。


End Of Life 人生の最終段階

「End Of Life」とは、「人生の最終段階」という意味があります。

よく似た言葉に、「人生の最終章」という言い方があります。
終活について語られるときなどに、この言葉が使われていそうです。

一方、「人生の最終段階」は、エンドオブライフケアについて語られる中で使われているのを見かけますが、その他の場所では見かけたことがありません。

この領域に入るまでは見ることすらなかった「End Of Life(人生の最終段階)」という言葉。

人生にはいくつものステージがありますが、人生の最終段階とは、最後の最後のステージなのでしょう。

母はその扉を開けてしまった。

そして、私はその付添人なわけです。

そんな私は、母のEnd Of Lifeに―――どう在るのか、どう生きるのか―――私は私で今現在、ライフシフトの最中(人生の移行期)にいるのだろうと思います。

そんな私のプロフィール、まだでしたらぜひ読んでみてくださいね。


End Of Life≠終末期(ステージ4=末期は勘違い!?)

人生最終章、最終段階―――とはいえ、母は最後の最後の最後の段階には、まだいません。

私が最後の最後の最後と考えるのは終末期であり(その中でもまた月単位、週単位、日単位、時間単位と予後予測を表せるようですが、ここでは割愛します)、ステージ4の大腸がんで抗がん剤治療を行っている母は、まだその段階にはいません。

聞いた話によると、ステージ4は末期だと勘違いされている方も多いとか。

私は母ががんの告知をされることが予期されたとき、ネットでがんについて予習していたのですが、その時まで、ステージ4が最終ステージであることすら知りませんでした。

がん情報に疎く、良いも悪いも何も知らない、また先入観なども殆どない所からがんサバイバー家族を始められたことは、母にとっても私にとっても幸いでした。

間違った情報に翻弄され、母を疲れさせたり、私自身疲弊するようなことになるのも、ごめんですから。

最善の生を生きる

そう、母は末期ではない。

でも、母は人生の最終段階にいる。

がんサバイバーに限らず、が差し迫っていると意識した時点で迎える人生の新たなステージをEnd Of Lifeと表現できるのでしょう。

千葉大学大学院看護学研究科エンド・オブ・ライフケア看護学では、エンドオブライフケアをこのように定義しています。

診断名、健康状態、年齢に関わらず、

差し迫った死、あるいはいつかは来る死について考える人が、

生が終わる時まで最善の生を生きることができるように支援すること

エンド・オブ・ライフケアとは | エンド・オブ・ライフケアの考え方 | 千葉大学大学院 看護学研究科 エンド・オブ・ライフケア看護学 (chiba-u.jp)

母に、母の生が終わるその時まで最善の生を生きて欲しい。

そのために、私は母に寄り添いながら、Quality of Lifeの向上のために日々尽力しています。

QOL(Quality of Life)

前述のエンドオブライフケアの特徴について書かれた引用文の中にも、先ほど私が申し上げた「Quality of Life」という言葉、すでに登場しています。

QOLを最期まで最大限に保ち、その人にとっての良い死を迎えられるようにすることを家族とともに目標とする」とありました。

そのQOL、ご存知かとは思いますが、Quality of Lifeの略です。

QOLとは生活の質という意味ですが、人の幸福に欠かせないものです。

Wikipediaでは、このように記されています。

クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、略称: QOL)とは、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた『生活の質』のことを指し、ある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。

クオリティ・オブ・ライフ – Wikipedia

また、健康関連QOLの定義についてはこのようにも記されており……

国際的に定義について必ずしも合意が得られているとはいえないが、1947年の世界保健機関(World Health Organization:WHO)の健康憲章から「(略)not merely the absence of disease, but physical, psychological and social well-being(単に疾病がないということではなく、身体的にも精神的にも社会的にも完全に満足のいく状態にあること)」と定義されることが多い[2]。ただし、この部分には1998年に「spirituality(霊的/宗教的/実存的)」という文言が加えられており、その意味については多くの議論がある[2]。

日本では、2000年に旧厚生省大臣官房障害保健福祉部が公表した「障害者・児施設のサービス共通評価基準」の用語解説にある「日常生活や社会生活のあり方を自らの意思で決定し、生活の目標や生活様式を選択できることであり、本人が身体的、精神的、社会的、文化的に満足できる豊かな生活」をQOLとする定義がある[2]。

クオリティ・オブ・ライフ – Wikipedia

QOLという概念が、人の幸福の指針となるあまりにも重要な尺度であるということが分かります。

さらにもう1つ、国立がん研究センター「がん情報サービス」の用語集からの引用も。

治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味します。病気による症状や治療の副作用などによって、患者さんは治療前と同じようには生活できなくなることがあります。QOLは、このような変化の中で患者さんが自分らしく納得のいく生活の質の維持を目指すという考え方です。治療法を選ぶときには、治療効果だけでなくQOLを保てるかどうかを考慮していくことも大切です。

[QOL]英語名Quality of Lifeの略。

クオリティ・オブ・ライフ:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)

母が自分らしく、納得のいく生活の質を維持できるように、私は母のEnd Of Lifeに、母のQOLを向上ないし維持させたいのです。

それが、私にとって今最も重要なミッションになっています。

私はどう在るか、どう生きるのか

母に美味しいものを食べさせて、快適に過ごせるように気遣い、手伝い、代行してあげ、母が心地よく、穏やかに、楽しそうに、うれしそうにしている姿を見るのが私の喜びになっていますから、に寄り添うことはにとってのQOLの向上にも繋がっているといえるでしょう。

エンド・オブ・ライフケアは、これまでの人生から、これからどうしたいかを実現するために、今をどう生きるかを問うものである。亡くなっていく方だけではない、共に時を重ね、ともに生きた家族にとって「その人の最善」であることが重要である。大切な人を失っていく体験は、残されたその人自身の人生にとって「どのように生きるか」を学ぶ体験でもある。そうして生と死の体験が伝承され、人としてどうあるべきかを問い、意味づけることを重要とする考え方である。

エンド・オブ・ライフケアとは | エンド・オブ・ライフケアの考え方 | 千葉大学大学院 看護学研究科 エンド・オブ・ライフケア看護学 (chiba-u.jp)

母の生と向き合いながら、私の生についても考えさせられています。

この夏まだ我が家と母の家を行ったり来たりしていた頃、我が家で寛ぐねこ。現在ねこは母の家に戻り、母の家でのおこもり生活を満喫しています。やっぱり家が一番のようです。ねこのQOLも向上!

最後までお読みいただきありがとうございました。

今日は母のがんサバイブ150日目です。

冒頭で少し触れましたが、抗がん剤5クール目を前にして、ついに副作用が出てきました。

それと同時に、初めて腫瘍マーカーの値が下がりました。



前回の診察までは、副作用が出ないことを喜んでいる母を横目に、内心、腫瘍マーカーの値が上がり続けていることにガックリ来ていた私でしたが、今回は副作用が出始めたことにやや気落ちする母を横目に、腫瘍マーカーの値が下がったことに喜ぶことができ、母と私の反応は逆転。

引き続き、抗がん剤の効果を最大限に受けながらも副作用が深刻化せず、母娘一緒に喜べる日が来ることを祈りつつ、母のQOLの向上に努めていきたいと思います。

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