母の抗がん剤にソワソワ、モヤモヤ……一般名と商品名?医療用語に混乱しました。

がんサバイバー家族

こんにちは!

通い介護のミドルケアラー(母の付添人で代筆者、家政婦でマッサージ師、一人娘)のいこです。

この初夏、ステージ4の大腸がんと宣告された母ですが、手術では癌を摘出することはできず、頼みの綱は抗がん剤だけとなりました。

詳しくは、過去の記事やプロフィールを読んでみてくださいね。

母の初めての化学療法(抗がん剤治療)は、4週間程前に始まって、今2クール目に入っています。

終わりのない(!?)化学療法はまだ始まったばかり。

今回は、そんな母の化学療法開始時の私の混乱と学びについてお話ししたいと思います。

初めての抗がん剤―――母の入院中はソワソワ、モヤモヤ

化学療法開始時には2泊3日で入院し、抗がん剤についての指導を受けながら投薬をスタートさせると聞いていましたが、血液検査の結果などから母の状態があまり芳しくないとのことで、大事を取って一週間余り病院でお世話になっての抗がん剤スタートとなりました。

その間、抗がん剤の副作用が母を苦しめてはいないかと時々心配でたまらなくなるのですが、実際の母の様子を知る術は、母が毎晩夕食後にくれる電話だけ。

元気そうな声を聴けたその夜は心配も晴れ、心軽やかに過ごすことができるのですが、翌日の朝にはまた、心のどこかに薄っすらと心配が積もり始めます。

電話が来る時間帯が近づくにつれソワソワしスマホを常に気にかけているような有様ですから、母の電話が少し遅くなるだけで「大丈夫かな……」「電話できるだけの元気がないのかも……」と不安が募る、そんなことを繰り返す一週間を過ごしていました。

幸いにも、母は入院中には大した副作用に見舞われることもなく、無事退院することができました。

そんな不安伴う母の入院期間中のある夜、私は看護師さんからいただいていた抗がん剤について書かれた2冊の小冊子と睨めっこしていました。

母の投薬中の抗がん剤について知ろうと、ささやかな奮闘を見せていたのです―――が、しかし……理解保留。

退院の際に抗がん剤について聞きたいことがあることを看護師さんに申し出ると、薬剤師さんが対応してくださいました。

で、何を確認したかったのか―――こんなお話しをすると、「そんなことも分かっていなかったの?」とどなたかに咎められてしまいそうでビクビクしてしまうのですが……確認したかったこととは、母が一週間前から投薬を開始した抗がん剤が何なのかということ。

「これと、これと、これもですか???

小冊子を読んでみるも、どうも分からない。

自分の理解力の無さにはがっかりです(今に始まったことではありませんが)。

入院時に看護師さんが丁寧に説明してくださっていたのに、そんなことも分かっていなかったなんて……。

この入院前日に軽い熱中症に見舞われてしまい、そのダメージがまだ抜けきれておらず、また寝不足だったこともあってですね……白状します……看護師さんの説明を受けていた最中、激しい眠気に襲われてしまい頭がまったく働いておりませんでした……看護師さん、ごめんなさい。

このような極暑下では誰もが大変な思いをされているでしょうが、当然、がん家族である私もなかなか大変だったりします(大目に見ていただけないでしょうか)。

もちろん、看護師さんはそんな私にも優しく、まるで白衣の天使のようで、ついついリラックスし過ぎてしまい……睡魔が……いけませんっ!

先日投稿した『母娘の通い同居生活にバテまして……寝不足解消のため時間割変更しました。』では、この日の私の体調不良とその理由(つまり言い訳)についても触れています。

よかったらこちらも読んでみてくださいね。

とっても大事な説明を聞いてる最中なのに眠くなってしまったのは、小冊子を頂いていたから安心していたということもあったかもしれません。

家に帰ってからでもこの小冊子さえ読めば、理解できるものだと高を括っていたのです。

ですが、実際にはそうはいかず……。

また、入院前日には主治医の先生の説明も受けていたのにも関わらずに……、です。

このときは必死に聞いていたのですが……(まったくポンコツです)。

先生が説明しながら書いてくれていた用紙を手渡されていたので、あとで見返しそこに書かれているであろう聞き慣れない抗がん剤の名前を拾ってネットで検索しさえすれば、その正体についても掴めるはず、そう甘く考えていたのですが……その用紙は母の家に置いて家に帰ってきてしまい入院中は確認できず終いで……(重ね重ねポンコツ)。

(これとこれだよね……これも?)と抗がん剤の名前をノートに書き出し、頭の中を整理してみるも、自分の理解で合っているのかきちんと確認できるまでは落ち着かない。

そんなモヤモヤも抱えながら、ついにやってきた母の退院の日。

薬剤師さんの登場で、ついに理解することができ、無事、私のモヤモヤは、ソワソワと共に晴れるに至りました。

ということで、こんな経緯でもって初めて耳にし、初めて知った抗がん剤のこと、というよりも、数日間に渡り私をモヤモヤさせるに至らせた、抗がん剤の名前に混乱した話をお話ししたいと思います。

抗がん剤、薬の名前、医療用語が分からない

まず私を混乱させたのが、そのあまりに不思議な抗がん剤の名前の響き、聞き慣れなさ、でした。

先生「ベバシズマブ…… パニツムマブ…… カペシタビン…… 」

私は心の中で(えっ?何て? えっ?何て? えっ?何て?)を繰り返していましたが(いちいち先生に聞き返せない小心者で……というよりも……)、先生がその呪文のような抗がん剤の名前を用紙に書き出していることをチェックしていた私は、あとでネットで確認すればいいと安心して構え、今は話の大枠を理解することを優先し、そう努めていたのですが、思惑通りにいかなかったことは先ほどお話しした通りです。

自宅に戻り先生の用紙が手元にないことに気づいたのは、小冊子に書かれていた抗がん剤の名前を目にして、さらに混乱が増していた時でした。

この時何が私を混乱させていたのかといいますと、それは薬には一般名と商品名があるということを知らず、すぐにそれが同じものを指しているということにピンとこなかったことに加え(ネット検索で悪戦苦闘している間に遅ればせながら一般名と商品名があることを知り、それが同じものであることを知りました)、母の治療法がもらった冊子で紹介されている療法通りそのままの治療法とは少しばかり違っていることにもピンとくるでもなく、私の頭の中では(あれ?あれ?どういうこと?)と最後のパズルのピースが不思議と合わないような、非常にモヤモヤする状態に陥ってしまっていたのでした。

一般名と商品名

薬を示す名称には大きく二通り、「一般名」と「商品名」があるようです。

「一般名」とは薬の主たる有効成分(主成分)の名前で、「商品名」は製薬会社がつけた名前だといいます。

その辺の認識がなかったため、「パニツムマブ」と聞いていたところに「ベクティビックス」という名前が登場したりすると、実際には同じ薬のことを言っていても別の薬だと勘違いしてみたり、それ以前に「パニツムマブ」が一体何なのか……「カペシタビン」が一体何なのか……いくつかの薬の名前と説明していただいた概要を頭の中で合致させることができていなかったり、それ以前に、単純に聞き慣れない言葉がいくつも耳に入って来ることで脳疲労を起こし、頭の中の情報処理が追い付かなくなっていたようです(いつものことですが……)。

こんな時には頭の中で散らかっている情報を紙に書き出し、頭の中を整理することが助けになります。

(私は何でも書き出す人です。翌日にやること、献立などなど。そうすることで頭の中が落ち着きます。逆に言うと、そうしないと私の頭の中はすぐにいっぱいいっぱいになってしまいます。)

主治医の説明を理解するために

また、先生の話をきちんと理解するため、短い診療時間の枠の中で有益な話しをするためにも、投薬中の薬や投薬を検討している薬の名前や概要をノートなどにまとめておくことが助けになりそうです。

それを確認しながらであれば、よりスムーズに先生の話を理解できるでしょう。

(私は人との会話から物事をきちんと理解する力が乏しいようで、こういう工夫によく助けられます。)

とにかく、必要最低限の薬の名前など医療用語を把握しておくことは、素人にはなかなか難しいことですが、先生の説明をしっかり理解するためには必要なことだと知りました。

いちいち説明している暇など先生にはないでしょうし、私の方でも聞きたいことがあったり、聞くべきことが山ほどあるはずで、そんな暇などないのです。

聞きたいことメモしておくことも、助けになりますね。

不甲斐ない自分を責めない

今回の母の入院中は、自分の理解力の無さを責めたり、体力のない自分を責めたり、つまり、不甲斐ない自分を責めることが多かった気がします(文章中にもそれが表れていたかと思います)。

こういう心理状態に陥っていると、当然、頭も体も冴えません。

また、体が疲れていても同様で、頭も心も体の疲労度に比例し重たくなる。

心配や不安があって、通い介護(通い同居)疲れがあって、そんな中で難しい話を聞いても頭に入らず、それがまた罪悪感を引き起こし、疲れきる……そんな、ちょっとした負のスパイラルにはまっていました。

こんな負のスパイラルにはまっているのは、私だけではないと思います。

心が疲れていたり、体が疲れていたり、頭が働かなかったり、自分を責めてしまったり……、がん家族の負担は軽くはないのだから、しょうがないのです。

だから、自分にも優しくしましょうね。

私も私に優しくします。

最後までお読みいただきありがとうございました。



今日で母のがんサバイブ84日目となります。

母は姉妹水入らずでのお盆を、実家でもある自宅で満喫していることでしょう。

祖父母の霊も帰ってきているのだとしたら、原家族水入らず。



一方の私は、母のことは一旦叔母に任せ、しばし自宅に戻ってのお盆休みを満喫中です。

台風が過ぎ去ったらまた、母の家に戻り、通い同居再開です。

それまでもう1日か2日、夫とねことゴロゴロ、我が家でのまったり時間を味わいたいと思います。

毎日暑いですね。こう暑いと早い時間からエアコンが欠かせません。ねこはあまりエアコンが好きではないようですが、エアコンのある部屋から出られない私と一緒に、ゴロゴロ寛いでいます。
タイトルとURLをコピーしました