「早起きは三文の徳」の意味と由来について解説

雑学・学び

昔から事あるごとに言われるこの言葉。

『朝早く起きれば、少しではあるが何かしらの利益がある』という意味のことわざですよね😁

けれど、言っていて少し気になるところはありませんか?

気になるところあります。

まず「三文」ってなんですか?

では、まずその「三文」という言葉に関して解説していきます。

1.『三文』とは何か?

1.1 漢字文化圏での銭貨の通貨単位

まず、文(もん)とは、かつて漢字文化圏で使用された銭貨の通貨単位です。

中国が「晋」から「南北朝」の時代(265~589年頃)に使われ始めたと言われています。

1.2 日本での使用と歴史

その後 日本に渡り、和同開珎が流通する700年頃には日本でも使われていたそうです。

その後、使われない期間もいくつかあったが、基本的に使用され

明治維新で新通貨単位・円が導入されるまで続きました。

1.3 代表的な表現としての「三文」

「早起きは三文の徳」の他に、「一文無し(無一文)」や「二束三文」「三文芝居」などもあります。

また、人気武将の真田幸村が背中に背負った「六文銭」も有名ですよね。

現在の価値に換算しようにも使用されてきた期間が長いため、貨幣価値の相関は難しいですが、

1600年頃では1文は「餅一個」、1800年頃の『東海道中膝栗毛』では三文で「餅一個」の

値段として記載が残っており、江戸後期の感覚で換算するとざっくり100円と

いったところでしょうか。

2.「得」と「徳」の漢字の選択

三文はだいたい100円くらいとわかりました。

あと、「トク」ってどっちの漢字ですか?

「トク」は「徳」と「得」のどっちか問題がありますよね。

基本的にこの言葉が使用される際は「徳」の漢字があてられています。

ただ、三文が金銭であれば、「得」という漢字の方が適切なようにも思えます。

そこについて解説していきます。

2.1 「徳」の意味と使用例

ここで使われている「徳」は「精神的な意味での利益」を意味します。

「人徳」や「徳を積む」などの意味でも使われる

「社会通念上よいとされる、人間の持つ気質や能力」の事。

「早起きをするとお金が得られる」という意味のことわざではありません。

2.2 中国での語源

「早起きは三文の徳」の語源は中国にあります。

「早起きは三文の徳」は、中国の樓鑰という詩人が詠んだ

「早起三朝當一工(3日続けて早く起きれば一人分の働きになる)」が語源とされています。

その後、日本に伝わってから言葉が変化し「三朝」が「三文」に変わりましたが、

その理由として主に2つの説があるとされます。

2.3 「奈良説」と「高知説」の語源説について

●奈良説
江戸時代中期に発布された「生類憐れみの令」では奈良の鹿も手厚く保護され、危害を加えた者には三文の罰金刑が科せられていました。そのため、江戸の庶民は早起きをして、軒先に鹿の死骸がないかどうかを確かめたという逸話があります。この逸話が「三文の徳」の由来になったとされているのが「奈良説」です。

●高知説
「高知説」によれば、当時の土佐藩が治水対策の堤防を築く際に少しでも土を早く固めるため、「堤防の土を朝早く踏み固めた者には三文を与える」というお触れを出したことが由来とされています。

いずれの語源説においても、「少しだけでも得をする」という意味が共通しています。

「早起きは三文の徳」は、少ない費用や努力でも得られる精神的な利益や価値を示しているのです。

3.まとめ

この言葉は、早起きによって健康や生産性を向上させ、人間的な良い気質や能力を培うことが重要であると教えてくれます。わずかな努力でも大きな成果や喜びが得られる可能性を示唆しています。

つまり、早起きは単なる時間の使い方ではなく、自己成長や幸福感を追求する一環として意識することが大切なのです。日々の生活において、この言葉の教えを心に留め、早起きの習慣を築くことで、より充実した人生を送ることができるでしょう。

早起きは三文の徳、まさに少ない投資で大きな利益をもたらす言葉です。ぜひ、この教えを実践して、より豊かな人生を手に入れましょう

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