ひょんなことからあるバンドに加入することになった青年ジョン バンドのリーダーのフランクは、四六時中、奇妙な被り物をしている謎めいた男だった。バンドメンバーはそんなフランクに信頼と尊敬の念を寄せており、ジョンもまた、破天荒な魅力をもつフランクに次第にひかれていく そんなある日、バンドの映像がインターネットで話題を呼び、アメリカの大型人気フェスに招かれることになるが、そのことをきっかけにフランクの調子がおかしくなり、バンドは解散の危機に ジョンはフランクがなぜ被り物をしているのか、フランクの過去を探り始める。
こちらは2014年制作の イギリス アイルランド
の合作映画です(95分)
かの マイケル ファスベンダー が終始 被り物をつけた天才的?ミュージシャンを演じ
るコメディ映画 の被り物をつけた、ほろ苦い人間ドラマの映画でありました
実在した英国のコメディアン、クリス シーヴィーをモデルに(外見のみですが)して
います。会社勤めの青年 ジョン 彼はミュージシャンになる夢を諦めきれず、現在も曲
を作っては夢見ている生活を送っていました そんなある日、偶然の出会いから 「 ソ
ロンフォルブス」というバンドのキーボードで参加する事になります その中心的メ
ンバーでボーカルのフロントマン フランク に出会います 彼は常に 被り物 を被っ
ているという不思議な人物で、バンドのメンバーですら素顔を見た事がありませんで
した
1度ライブに参加した事でジョンに高揚感が芽生え、誘われるまま フランクのバンド
に付き合う事になって行きますが、他のメンバーからは疎まれる存在でした ただこの
メンバー達もやや神経症を患っている感がありますが、、、 流れのままレコーデ
ィングに突入するバンド 間近で フランクの音楽の才能を見て彼に魅かれる ジョン レ
コーディングの模様をSNSに密かにアップしていた彼に音楽コンペから招待が来ま
す
ミュージシャンとして成功したいジョンは大会に参加するよう フランクに強く勧め、
バンドメンバーの反感を買いながらも参加する事になるのですが、現地でバンドメン
バーに亀裂が生じ フランクとジョンだけで出場する羽目になりますが、ステージが始
まった途端 フランクは倒れてしまいます 散々な結果にジョンはフランクに怒りをぶ
つけ、フランクの被り物を無理矢理 取ろうとします パニックになった フランクは外
へ飛び出し車に引かれてしまいます
ジョンが駆け寄ると粉々になった被り物だけが残されていました 嫌悪感に襲われた
ジョンはフランクの行方を捜しはじめるのでした
そして遂に素顔で居るフラ
ンクを見つけ出します 彼を連れ立ち、バンドのメンバーが演奏している場末の店へ
素顔のフランクを連れて行くのでした そこで元バンドのメンバーの演奏の中、誰一
人彼等の歌など聞いていない店内で、フランクが 「愛してる みんな愛してる~♪」
と歌い始めるのでした、、、
この映画の最大の魅力は フランクのビジュアル である事は間違いないでしょう しか
し何故彼がマスクを被り続けているのか?という疑問は意外とあっさりとした理由で
ありました、、 それよりもフランクの内面を象徴した物だという事が重要だったの
でした フランクは他者から愛されたかったのですが、それにはまず、自分が他者を
愛する事から始まるのだという事に最後気付く事になります
その歪んだ感情が素顔を隠し、マスクを被り偽りの人間でいる事で傷つく事から防御
していたのでしょう ジョンはフランクという才能の力で自分の夢が実現するかも知れ
ないと錯覚します 彼は今まで恵まれた生活を送って来た為か、曲を書こうにも書く事
が無かったのでした、フランクと出会った事で、より自分の凡人さに気付く事になり
ます この映画の始まりと終わりで変わった事は、主人公達が、自分という存在を肯
定し、自分自身のあるべき姿を認める事になるのです
音楽によって自分を表現するしか方法がなかった彼等とそれを繋げる音楽という
言葉 ある意味ほろ苦いエンディングではありますが フランクの登場時のインパク
トや、動きとのアンバランスなマスクの表情、こちらの見方で様々に見える顔は 能 に
通じる物を感じますし、ユーモラスでもあります そしてバンドが音楽
(微妙なオルタナティブパンクのような)を作る過程が妙にリアルに感じてしまうので
した テルミンまで使用しております コメディ要素も盛り込まれた作品となってい
ますので気になった方はご覧になってみて下さいませです
では、また次回ですよ~!
エンディングクレジットで、ファスベンダー自身が歌っておられます
こちらが本家の クリス シーヴィー であります ここまでコミカルではありませんが