ダファー兄弟が明かしたシーズン5の事、そして今後の作品

ダファー兄弟
この記事は約10分で読めます。

この記事は、前回の「ストレンジャーシングス生みの親 ダファー兄弟の歩み」の続きとなります。

続編映画を意識して展開、そしてヴェクナの登場

Embed from Getty Images

ダファー兄弟は、ストレンジャー・シングスを単なる前シーズンの続きではなく映画好きの2人らしく続編映画のように制作することを心がけているそう。
シリーズを通して一貫したテーマはありながらもシーズンを追うごとにスケールアップし、またシーズン毎に異なる雰囲気があるのはジェームズ・キャメロンの手法に影響を受けていると語ります。
キャメロンのように、シーズンごとに新たな要素や挑戦を加えていくことは俳優やスタッフが新鮮な気持ちで取り組む事にも良い影響を与えていると感じるそう。

シーズン1はスピルバーグ作品「E.T.」や「グーニーズ」のわくわくするテイストが強く、シーズン2では「未知との遭遇」や「グレムリン」の雰囲気から始まり、後半になるにつれて「エクソシスト」や「死霊のはらわた」といったダークな要素も加わります。
”One Summer can change everything(ひと夏で全てが変わる)”というキャッチコピーで作られたシーズン3は夏の超大作映画のテイストでポップな雰囲気と恋愛要素も増えていく。
そしてシーズン4では「エルム街の悪夢」のサイコホラーを主軸にそれぞれが違う場所に居て、ホーキンスで起きているメインストーリーと「ホッパーの脱獄」、「イレブンの過去」が並行して進んでいきます。
マットは「私たちが幼い頃『エイリアン』や『スター・ウォーズ』はどれが一番良いのか討論していたように、この作品もどのシーズンが一番のお気に入りか熱く語りあってくれたら嬉しいです。」と語っています。

その一方で、テイストや変化を加えながらも、キャラクターの設定は絶対にブレない事を一番大切にしているそう。「どれだけスケールが大きくなり、スペクタクルになっていても視聴者が共感できなければ意味がない」と言います。
それはメインキャラクターだけに限らず、ヴェクナやアップサイドダウンについての設定も矛盾が生じないようにあらかじめ決めている点が多いそう。
「グーニーズのようなワクワク感をずっと演出するには、子役たちが成長するので無理がありました。私たちは幼い頃、フレディ・クルーガー、ピンヘッド、ペニーワイズといった悪役が出てくるホラー映画を見た時、飛び上がるような怖さはないけど、じわじわと恐怖心が湧いてきて眠れなくなるほどで、母は怯える私たちと部屋にいなくてはならなかった。何がそんなに私たちに恐怖を与えたのか考えました。」「レクター博士のような、こちらが勝ったと思ってもその一歩先を行っているような知性の高さも含みたかった。当初からヴェクナというキャラクターを登場させることは決まっていましたが、それをいつ出すのかが重要でした。一度アップサイドダウンがホーキンスに大々的に侵入してしまえば、後戻りは出来ません。なので、シーズン2と3ではマインドフレイヤーの存在をほのめかす程度に留めました。シーズン4では子役たちはティーンエイジャーになり、そのようなホラー要素を演出しても不自然にはなりません。」と語っています。

ひねりを加えすぎてストーリーラインが現実離れしすぎる事も避けているそうですが、その中でシーズン4でヴェクナの正体が明かされていく過程は挑戦だったと言います。
「私たちは早い段階で、8(エイト)を除く子供たちが死んでいることを決めていました。その謎を解明したかったんです。イレブンのフラッシュバックとして少しずつ明かされていきますが、(イレブン役の)ミリーが成長した今どのように展開させていくのか、そして1(ワン)の存在をどう明かしていくのか悩みました。非常に重要な点なので、ドラマ以外にサイドストーリーを描いた漫画などが展開されていますがワンに関する事に触れるのだけは(ドラマ外で展開する事を)ノーと言い続けていました。ようやく彼を登場させることが出来て、安心しています。」
「どんでん返しに依存するショーではないので、ひねりを加える時は緊張します。それに映画で2時間秘密を隠すのとは訳が違います。ドラマシリーズなので、長い間タネを明かさずにいなくてはなりません。そしてそれが明かされた時に視聴者が不公平だと感じない方法じゃないとダメなんです。知る由もなかったのに騙されたと感じると腹が立ちます。今回は3つのひねりを段階的に加えました。事前に気づいていた人もいると思いますが、多くの人は彼がワンであることはわかっても、その後にまた別の事実が発覚するとは予想しずらいでしょう。」

Netflixの幹部が泣いたシーズン5について明かしていること

Embed from Getty Images

ダファー兄弟は製作開始時からシーズン4か5で物語を完結すると決めていたそう。
人気にあやかり長くシーズンを続けてストーリーやキャラクターにブレが生じるような悲しい終わり方は望んでおらず、まだ視聴者が興奮している状態できっちりと完結したい思いは当初から変わらない。

シーズン4で裏側の世界がウィルが失踪した日で時間が止まっている事など、いくつかのヒントを与えてくれましたが、それらの答えはシーズン5でしっかり明かされるそうです。
また今までに意図的に見せなかった大きなサプライズがまだいくつかあるとも明かしています。

シーズン毎に違う雰囲気を演出してきましたが、シーズン5はどのような雰囲気になるのかとの問いに対しては「シーズン5は今までの集大成になります。ある意味では、原点であるシーズン1に戻ると言えます。スケールは大きくなりますが、キャラクターたちが集結するという意味ではシーズン1の雰囲気が戻ると思います。」と答えています。

多くの人が気になっているマックスについては「シーズン4で彼女が死ぬのではなくあの状況になったということが、シーズン5でとても大きな意味を持ちます。」と語っています。またウィルに関しても「シーズン5で大きな役割を担います。彼の旅に焦点を当て、成長を見ることができるでしょう。」と明かしています。
さらに「単純に謎を明かすだけではなく、物語と共に成長してきたキャラクター達それぞれに相応しいエンディングを用意したいと考えている」二人は、概ね決まっているエンディングについてNetflixにプレゼンしたところ数名の幹部が涙を流し手応えを感じているそうです。

また公式Twitterアカウントで明かしているのは、第一話のタイトルは「The Crawl」になる予定でシーズン5の公式ビジュアルには「THE EPIC CONCLUSION(壮大な結論)」の文字と共にホーキンスを見下ろしているマインドフレイヤーの姿があります。

この作品は私たち全員の生活の大きな部分を占めています。物語が終わるだけでなく、この番組自体が終わりに近づいているのは寂しいです。しかし私たちは本当にこの物語の結末についてしっかり着地をしたいと願っています。よく他の作品のエンディングと比較してどのように終わるのか尋ねられますが、私たちはただ『ストレンジャー・シングスにふさわしい結末』を目指しています。

ダファー兄弟(ストレンジャー・シングスの結末について)

スピンオフやその他の作品など今後の活動

Embed from Getty Images

ストレンジャー・シングスは今後いくつかのスピンオフが製作されることが決定しています。
しかし、ダファー兄弟は単純にその後のストーリーを描くようなスピンオフには興味がないそうです。

ダファー兄弟が「大好きだった土曜の朝のアニメ」のようなアニメ版ストレンジャーシングスがNetflixで製作されることが決まっています。
そして、2023年末にロンドンのフェニックス・シアターで上演予定の舞台「Stranger Things The First Shadow」は、ウィルが失踪した1983年から遡ること24年、1959年のホーキンスを描いた内容で脚本家の一人ケイト・トレフリー執筆のオリジナルストーリー。ジョイスや、ホッパー、ボブがホーキンス高校に在学中の話で、なんとヘンリー・クリールが下級生として転校してくる話になるとか。

2022年に自身の制作会社Upside Down Picturesの設立を発表したダファー兄弟は、ストレンジャーシングスの枠を超えて多くの作品を手がけることが決まっています。

シーズン4でルーカスがマックスに「タリスマン」の本を読んでいますが、スティーブン・キング作のこの「タリスマン」もダファー兄弟によりドラマ化が決定しています。
80年代のスティーヴン・キングの作品の中でも、映像化されていない最後の傑作と呼ばれている同作はスティーヴン・スピルバーグが権利を持ち続けているため今まで映画化されずにいました。
非常に長い本であるため、スピルバーグは映画化を実現するタイミングを見計らっていたのです。映画と同様にドラマにも予算が当てられるようになった今、ドラマシリーズでやっとそれが実現します。

ダファー兄弟はストレンジャーシングスを売り込んでいた時期に「まだ世に出ていないスティーブン・キングの本をスティーブン・スピルバーグが映画化したらどうなるか想像してください」といって営業をかけていたそう。まさに兄弟にとって長年夢見たことが現実になるのです。
「スティーブン・キングの本をスティーブン・スピルバーグと作るなんて、それは間違いなく夢のようなプロジェクトです。断る理由がありますか?まだ先の話ですが、1話のあらすじについて打ち合わせをしました。皆さんにお見せできる日を楽しみにしています。」と語っています。

また日本の漫画「Death Note(デスノート)」が大好きと以前から公言していましたが、こちらもドラマ版をダファー兄弟が手がけることが決まっています。

さらに「The Boroughs」というドラマで製作総指揮を務めることが決まっています。ファンタジードラマ「ダーククリスタル:エイジ・オブ・レジスタンス」のジェフリー・アディスとウィル・マシューズによるオリジナルドラマで、ニューメキシコ州の砂漠にある老人ホームを舞台に異世界からの脅威に老人達が立ち向かうというもの。老人版ストレンジャー・シングスのようなドラマになるのではと噂されているこの作品は、年齢は違うものの同じように愛すべきキャラクター達を主役にする予定だそうです。

その他にも、兼ねてから二人はストレンジャーシングスともう1作品作っていたオリジナルの脚本があるようで、先にストレンジャーシングスを売り出したため現在まで温め続けていると明かしています。
まだネットフリックスにもプレゼンしていない為、内容は未発表となっていますが、いつかぜひ作品化して欲しいです。

シーズン5への期待はもちろんですが、今後のダファー兄弟の活躍も楽しみです。また気になる情報があれば随時更新していきたいと思います。

STRANGER THINGS ストレンジャー・シングス – HELLFIRE CLUB ラグラン七分袖 / Tシャツ / メンズ 【公式 / オフィシャル】

価格:4,800円
(2023/6/17 00:36時点)




コメント

タイトルとURLをコピーしました