心の闇を押し付けてくる人たち「闇祓」辻村深月

みなさんの周りにも、態度や言葉で相手を支配しようとしたり、心を傷つけてくる人はいませんか?

 

「あの人と関わるようになってから、様子がおかしくなった」
それは、身近な誰かのことかもしれないし、あなた自身のことかもしれない。

 

支配された側は「私が間違ってるんだ」「私が悪いんだ」と錯覚させられていく。

 

そのような闇を押し付けてくる行為を「闇ハラスメント」とこの小説の中では呼んでいる。
少しファンタジー要素もありつつ、心理的な怖さ満載のホラーミステリー。

 

今日のブログは辻村深月の「闇祓」を読んで、私が感じた「心の闇」について少し掘り下げて考えていこうと思う。(小説のネタバレないので安心して下さいね)

 

 

【従順にするしか道はない】

 

小説の中で、闇をばら撒く登場人物が何人かいる。

 

読んでいるだけで不安や恐怖を感じるし、どこか自分にも身に覚えのある感覚が思い起こされる。

 

闇ハラスメントは「人の弱さ」や「人の優しさ」につけこんでくる。

 

私は祖母の支配を受けて育った。
祖母の機嫌を損ねることは避けなければいけなかったし、「あなたのせい」というセリフをよく投げかけられていたので、私はいつも罪悪感を抱えていた。

「私が間違ってるんかな」
「私がおかしいんかな」
「でもなんでこんなに苦しいんやろ」

 

若干の違和感を覚えながらも、従順にするしか道はないと思っていた。

 

そんな私が大人になり、一時期反抗したこともあったけど、心の深いところでは「従順にしなくてはいけない」という思いが根を張っていて、「NO」と言うことには罪悪感を感じていた部分がある。

 

【ママ友から受けた攻撃】

 

ある時、ママ友から理不尽なことでキツイ物言いをされたことがある。

 

今思い返しても「なんで私がそんなことを言われるの?」と思うようなことだったけど、その当時の私は謝ってしまった。

 

こうなると、相手からの攻撃は強くなる。

 

また別の日には「○○さんがあなたのこと○○って言ってたわよ~」と告げ口とも取れることを言ってきて、私は身体が硬直したのを覚えている。

 

「え、、、そうなんですね」と私は苦笑い。
「そうなのよ、○○って言ってたのよ~」と念を押すように言い、まるで私の反応を楽しんでいるかのようにも見えた。

 

そんな相手に、私は律儀に新年の挨拶LINEも送ったこともあった。
もちろん相手からの返事はなし。

物凄く悔しかったし、自分が惨めで仕方なかった。

 

【心の闇を押し付ける】

 

祖母にしても、ママ友にしても、おそらく心に何か問題を抱えていたのだと今では思う。

 

自分が抱えている孤独感や、劣等感。
そういったものに自分自身で向き合おうとはしない。

 

「私の寂しさをなんとかして」
「もっと私を慰めて」
「私の孤独感を埋めてよね」
「もっと私を賞賛してよ」

 

そんな声が聞こえてくるような気がする。

 

そして、こういう人は、自分が優位に立てる相手を選ぶ。

 

人の弱さや優しさにつけこむ力がある。

 

【身を守るにはどうすればいいか】

 

違和感を見逃さないことだと思う。

 

「なんとなく嫌な感じがする」
「なんか心が重苦しい」
「この人と会うと変な緊張感がある」

 

こういう感覚に蓋をしないこと。
その違和感は意外と当たっていることが多い。

 

その相手と距離を置けるなら、迷わず距離を置いたほうがいいし、「NO」と言える練習も必要かもしれない。

 

また、信頼できる人に相談するのも効果的だと思う。

 

とにかく、自分を支配したり傷つけてくるような相手とは、さっさとサヨナラしたほうがいい。

 

私の場合、祖母はもうこの世にいない。
私のように、相手が家族となると断ち切るのは簡単じゃないけど・・・この話をすると長くなるのでまた別の機会に話そうと思う。

 

そして、ママ友とは今ではすっかり連絡を絶っている。

 


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