夜間の撮影と一言でいっても被写体によってはカメラの設定も異なる上、動く被写体と止まっている被写体ではそれぞれ設定も変わってくる。
飛行機の夜間撮影に関しては確かに多く経験してきたが、夜桜などの自然を相手にすると全く写真の性格も違うので、どのような写真にするか、主題をどれにするか悩ましいところ。
密集する花に全てピントを合わせるのは普通の撮影ではできない
桜などは群がって咲いているのを塊として主題におきたいものだが、全部にピントを合わせようとすると無理が出る。いわゆるフォーカスブラケットで複数箇所を捉えて合成させるような技が必要になる。
できればどこか1箇所、絵になる所を探してそこを主題としてその他はぼかすことで構図を決めたいもの。
手前の枝葉に咲く花を主題に背景はぼかす。
手前をぼかして奥に咲く花にピントを合わせてみた
こちらは疏水面と奥のトンネルにピントを持ってきて手前の桜はぼかした
何を主題にするか、ピントをどこに置くかはともかく構図としてどうすれば映える写真になるか、与えられた現場の環境でいかにして組み立てるか、やっぱりもっと経験が必要と思い知らされる。
と、ここまでは動かない被写体に対しての夜間撮影について触れたが、飛行機についてはもちろん、停止している機体もあり、時速200kmで通り過ぎる機体もありで昼間と違ってそれぞれカメラの設定を変えつつ被写体を追う必要があるので、これはこれで、慣れと経験が必要なのは確か。ただ、カメラの性能、特にAF性能が優れていて夜間でも被写体を追ってくれるのは大変助かる。
着陸前とはいえ時速200km以上で通り過ぎる機体を暗所で追う。
着陸するA350 -900を背後から追う。機体に滑走路灯が反射している。
絵になる夜間のDHC-8の後ろ姿。 プロペラが止まらない程度のSSで撮る。
夜間の場合、ISO感度 を上げるか、SSを遅くするか、あるいはF値 を下げるなどして被写体の姿をできる限りデータに残して撮りたい。
ゆっくりと滑走路に侵入してくる機体をブレないように追って撮る
止まっている機体の場合、極端にSSを遅くして撮影することでちょっと幻想的な写真にすることができる。特にF値 を上げると滑走路灯や機体のライトに光芒ができて煌びやかになるので映える写真が撮れる。
衝突防止灯や滑走路灯が光芒を作ってくれる
今のカメラだと動きの速い被写体でもISO感度 を上げることで捉えることが容易にできる。 ノイズも当然出るが編集ソフトでかなりの部分リカバリ ーできるので、三脚なしの手持ちで動く飛行機を捉えることも可能。
結論として動かない花も時速200kmの飛行機も今のカメラだとそれほど技術がなくても夜間撮影で写真にできる。しかし構図をいかに決めるかで写真の出来栄えも決まるというもの。それゆえ感性をもっと磨かないといけないということか。