日本で全ゲノムが解読されたヤモリ;ソメワケササクレヤモリを愛育しています。
ソメワケササクレヤモリ (学名: Paroedura picta)は、
日本の理研神戸センターのグループにより、全ゲノム解析がなされた日本が誇る画期的なヤモリである。
2018年に出版されたこの論文を少し学習してみることにする。
BMC Biology 16: 40 (2018)
title: Madagascar ground gecko genome analysis characterizes asymmetric fates of duplicated genes.
by Y. Hara, M. Takeuchi, Y. Kageyama, K. Tatsumi,ss M. Hibi, H. Kiyonari and S. Kuraku.
1-ゲノムの長さは、1.69Gbpと。(G=10の9乗)
75倍に相当する長さの配列を解析したそうだ。それだけやっても100%配列が繋がることはないし、染色体数がわかるほどのつながりも未だ。ゲノムの大きさから考えて、90%以上の配列は解析されたと考えているそうだ。(X75の配列解析しても・・・はーーー。)
ちなみに、ヒトは3.0Gbp(30億bpとも)
最小ゲノムの種子植物と知られるシロイヌナズナは、0.13Gbp(1.3×10の8乗)だ。
(ところが、繋がっていないので、染色体数は、不明。
ちなみに、ヒョウモントカゲモドキ は、2n=38と言われる。
ちなみに、GreenAnoleでは、n=18と言われている。)
2-GC 率は、44.8%,
重複配列が、37.3%に相当。
現在までに、タンパク質を作る遺伝子が、27039個同定された。
3-同じく配列が解析されているGreenAnoleとの比較。
13034タンパク質遺伝子が機能的相同(=ortholog).
4-グリーンアノールは、昼行性。
ソメワケササクレヤモリは、夜行性。
その差を調べて、1545遺伝子が昼・夜行性に関連する遺伝子と推定。
光下で必要なロドプシンがなかったりとか。
また「壁ちょろ性」につき、toepad(足指の膨らみ部)のベータケラチン遺伝子に差があるそうだ。
—-
ソメワケササクレヤモリはメスが栄養十分なら10日おきに2個ずつ産卵することもある。さらに卵殻が硬いので外科的操作が可能で、主に発生学研究の材料として使われている。
したがって、今回の全ゲノム解析は、発生学研究の進展に寄与することが期待されている。
—-
飼育繁殖のfancierにとり、
xanthic,
tyrosinase plus albino,
caramel,
などのmorphの遺伝子レベルの違い・変異が解析される日を期待したいところです。
—-
ちなみにソメワケササクレヤモリは、たくさんの英名を持つことも知られる。挙げてみる。
いろいろおもしろがって使うこともある。
Panther Gecko
Ocelot gecko
Madagascar Ground Gecko
Painted Ground Gecko
Malagasy Fat-Tailed Gecko
はたまた・・・・・
Big Head Gecko
この程度か。
—–
—–
0 件のコメント:
コメントを投稿