03/22/2025

強気
アップラビン
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堅固な財務基盤と改善が続くEBITDAマージンを踏まえると、アップラビンは将来の予想フリーキャッシュフローの35倍という水準で割安に見えます。
【テクノロジー】アップラビン(APP)とは?目標株価である750ドルは維持?今後の株価見通しと将来性に迫る!

person holding smartphoneマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国テクノロジー関連銘柄である「アップラビン(APP)とは?」という基礎的な内容から、最新の決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • アップラビンは、モバイル広告を軸に急成長中の企業であり、ソフトウェア部門の成長やeコマース分野での展開によって今後さらなる成長が期待できると見ています。
  • 現在の株価は直近の市場調整やネガティブな報道で下落しましたが、投資家の期待はすでにリセットされており、フリーキャッシュフローの大幅な拡大による再評価の余地があると見ています。
  • ソフトウェア事業の高い利益率や堅調なキャッシュ創出力を背景に、2026年夏までの目標株価として1株750ドルを維持しており、現時点での株価は割安であると見ています。

アップラビン(APP)の最新の2024年第4四半期決算後の株価推移

アップラビン(APP)は、2025年2月12日に2024年度第4四半期決算を発表していますが、その後、過去4週間の市場調整の中で大きな打撃を受けています。

さらに、「メタ・プラットフォームズ(META)のエコシステムをハッキングしている」など、ビジネスが詐欺的であるという主張や、その他根拠のない発言も出ています。

一方で、私はすでに投資家の期待は大きくリセットされていると考えます。振り返ってみれば、この銘柄への投資が過熱していた時期もあったかもしれませんが、現在はそうではありません。弱気筋の投資家はすでに市場から退場しており、その影響はほぼ解消されているように見えます。

そして、目の前にあるのは、今年中に30億ドル以上のフリーキャッシュフローを生み出すと見込まれる企業です。広告分野での強い成長見通しに加え、急成長中ながらまだ初期段階にあるeコマース分野でのチャンスも控えています。

私は、同社の株価が2026年夏までに1株あたり750ドルへ向かうと引き続き考えており、本稿ではその理由を詳しく解説していきます!


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アップラビン(APP)を取り巻く背景

調整局面の底では、市場が大きく乱高下します。底値を探ろうとする中で、投資家の恐怖心によりネガティブなストーリーが次々と浮上してきます。

このような局面では、投資家の視野が極端に短期的になります。強気相場のときには「長期投資こそが正義」「絶対に売るな」というのが合言葉ですが、市場が10%以上下落すると、同じ投資家たちでさえ翌営業日のことすら考えられなくなり、ましてや1か月先のことなど見通せなくなります。

はっきり申し上げます。市場が底を打ったとき、強力な反発ラリーで一気に回復するわけではありません。そんな考えは神話にすぎないでしょう。実際には、次の強気相場は、弱気相場が残した悲観ムードの中からゆっくりと立ち上がっていくものであると考えています。

そして、どんな調整局面も「今回は違う」と感じるものです。しかし、実際にはいつも同じです。原因が景気後退のときもあれば、インフレのときもありますし、金利のときもあります。この調整が特別であると思わせる理由なら、いくらでも語ることはできます。しかしその本質は常に同じで、「投資を恐れさせること」が目的なのです。

今回の急速な売りは、私にとっても予想外でした。しかし、今では市場の期待値はすでにリセットされたと考えています。

そして、このタイミングにおいて、ドキュサイン(DOCU)やリクイディティ・サービシズLQDT)のような、成長は緩やかでも割安な銘柄に注目しています。 ただし、急成長しながら急速にフリーキャッシュフローを拡大している高品質な企業への投資機会も見逃すべきではなく、アップラビン(APP)は、まさにその中でも光る存在であると考えています。

アップラビン(APP)とは?

アップラビン(APP)は、モバイル広告の分野で圧倒的な存在感を誇る企業です。

もともとはモバイルゲーム企業が自社アプリを宣伝するための支援からスタートしましたが、現在ではその領域をゲーム以外にも大きく広げつつあります。

同社のプラットフォームは、日々10億人以上のモバイルゲームユーザーに対して、どのような広告をどのように表示すれば最も効果的かをテクノロジーで分析し、広告のパフォーマンスを最大化する仕組みを持っています。

これまでのところ、こうした広告の多くは他のゲームアプリ向けのものでしたが、最近ではさまざまな業種のブランドが同社の広告ネットワークに参加しており、新たな大規模な収益源となっています。

同社はもはやゲームに特化した企業ではなく、より賢く効率的な手法で企業が顧客にリーチできるよう支援する、デジタル広告全体の主要プレイヤーを目指しています。

そして今、次なる成長エンジンとして注目されているのがeコマース分野です。この分野では、急速に動きが活発化しています。

同社はホリデーシーズン中に、自社プラットフォームがゲームのダウンロードを促進するだけでなく、オンラインストアの実売上を伸ばす効果もあることを証明しました。

このeコマース分野での初期段階の成功は非常に重要です。というのも、これにより大手ブランドや小売企業を含む、はるかに広範な広告主層へのアプローチが可能になるからです。

次なる大きなステップは、同社のプラットフォームを企業がより手軽に利用できるようにすることです。具体的には、セルフサービス型のツールや自動化機能の導入が挙げられます。これが実現すれば、同プラットフォームを利用する広告主の数は大幅に増加し、2026年には同社にとって大きな成長ドライバーとなる可能性があると見ています。

アップラビン(APP)の売上高:2025年の売上高成長率は前年比35%を示唆

アップラビンの売上高成長(%)

(出所:筆者作成)

アップラビン(APP)は、2025年第1四半期の前年比成長率を33%と予想していますが、これは過去最も厳しい比較対象との比較になります。注目すべき本当のポイントはここです。2025年が進むにつれて、成長率は30%以上の水準に上昇していく見通しです。これこそが私の強気な見方の根拠であり、それ以外の要素は雑音にすぎないと考えています。つまり、雑音に惑わされないようにしているということです。

特に注目すべきなのは、同社のソフトウェア部門です。この部門こそが事業を牽引しており、2025年第1四半期には前年比56%の成長が見込まれています。ただし、全体の数値はアプリ部門の影響によって押し下げられています。このアプリ部門については、経営陣がすでに9億ドルで売却を決定しています。

要点をわかりやすくまとめると、真に注目すべきはソフトウェア部門であり、アプリ部門が完全に整理されれば、同社の本当の成長力がより一層明確になるはずであると見ています。

アップラビン(APP)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの35倍

アップラビン(APP)が2025年第1四半期の決算を発表する際、アプリ事業の売却完了時期によっては、同社のバランスシートがネットで中立になる可能性があります。つまり、35億ドルの負債が、同額の現金および有価証券とほぼ釣り合う状態になるということです。

このことは、時価総額に対して5%の純現金を持つという、私が通常重視する基準には当てはまらないことを意味しますが、それでも同社のバランスシートは極めて健全であり、今後12か月でさらに改善する見通しです。というのも、同社が生み出すフリーキャッシュフローが徐々にバランスシートへと反映されていくからです。

次に注目すべき点は、昨年の第1四半期において、同社のソフトウェアプラットフォームが73%というEBITDAマージンを記録しており、この数値は2025年を通じてさらに上昇傾向にあったことです。

ソフトウェアプラットフォームの調整後EBITDA

(出所:アップラビンの2024年第3四半期Shareholder Letter)

そして今、2025年第1四半期には、名称を「ソフトウェア事業」から「広告事業」へと変更したこの部門が、約78%のEBITDAマージンを達成する見通しです。これは、500ベーシスポイント(5%)の改善に相当します。

簡単に言えば、同社は急速に売上を伸ばしているだけでなく、マージンの改善によって明らかに収益性も高まっています。

そして、これらを踏まえると、私は同社が2025年中のどこかの時点で33億ドルのフリーキャッシュフローを達成できると見込んでいます。必ずしもその全額が2025年中に実現するとは限りませんが、多少時間がかかったとしても、同社が33億ドルのフリーキャッシュフローに到達する道筋はすでに明確であるように見えます。

この見通しに基づくと、同社の現在の株価は将来の予想フリーキャッシュフローの35倍という評価になります。そして、これは非常に割安であると考えています。

アップラビン(APP)を取り巻くリスク要因

もし景気後退、あるいは景気後退の懸念が高まった場合、企業の支出項目の中で最初に削減されるのは広告予算です。そうなれば、アップラビン(APP)が私の想定する33億ドルのフリーキャッシュフローに到達するまでに、より長い時間がかかる可能性があります。仮に、同社のフリーキャッシュフローが28億ドルにとどまった場合、株価は将来の予想フリーキャッシュフローの37倍という、より割高な水準で取引されることになります。

私は今でも、同社に対して予想フリーキャッシュフローの50倍を支払う価値があると考えていますが、景気後退の懸念が払拭されるまでの間は、バリュエーションの圧縮(マルチプル縮小)が長期間続く可能性があります。

また、重要なリスクのひとつは、広告業界が非常に競争の激しい市場であるという点です。メタ・プラットフォームズ(META)やGoogle(GOOG)といった大手企業がデジタル広告市場を支配しており、TikTokも急成長を遂げています。

さらに、同社がeコマース広告へ参入することで、これらの巨大企業と直接競合することになります。規模を拡大していくには、容易ではないでしょう。

加えて、もうひとつの課題は、同社の広告をコネクテッドTV(CTV)でも効果的に機能させることです。この市場は大きな可能性を秘めていますが、一方で技術的な課題も抱えています。たとえば、広告視聴後に実際に購入が行われたかどうかを正確に追跡することなどが挙げられます。

アップラビン(APP)に対する結論

以上より、予想フリーキャッシュフローのわずか35倍という水準で取引されているアップラビン(APP)は注目に値すると考えています。

この企業は、単なる高成長企業ではなく、マージンを拡大しながらキャッシュを生み出し続ける優れたビジネスモデルを持ち、広告事業は急成長中で、33億ドル超のフリーキャッシュフローへの明確な道筋も見えていると考えています。

そのため、ソフトウェア部門が莫大な収益性を牽引し、eコマース分野での存在感も高まりつつある中で、市場は依然として同社の潜在力を過小評価しているように見えます。

投資家のセンチメントはやがて改善し、決算発表が進むにつれて、私は同社株式が大きく再評価されると考えており、2026年夏までの目標株価として1株750ドルを維持しています。


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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

📍テクノロジー&エネルギー担当

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