河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑149 / 雲外蒼天

2024年04月30日 | 菜園日誌

朝方に雨が降った。
五月は半分の日が雨だった。
日月曜の連休の間に、頑張って夏野菜の畝立てを終えて正解だった。
雨上がりのうちに畑へ。
昨日植えた赤シソは、水を吸って元気だ。
それはそうと、ハトに襲われたエンドウを守るための「百姓一揆」の結末を確かめなければ……。

うーん?
手薄だった東西の端がやられた。
スナップはもはや全滅状態。
うーん?
思案の末に黒ビニールの幟(のぼり)を増やした。
30年ほどエンドウを作っているが、こんなの初めて……。
黒いビニールが立ち並ぶ、情けない情景を呆然と眺める……。
遠くの山々が白いベールに覆われだしている。
こんな時は雨になる。
泣きたいのは、こつちやがな……。
……思っているうちにポツリポツリと降り出した。

ビニールトンネルの中に慌てて入って、椅子に座ってぼんやり……。
羅生門の下で、一人で雨やみを待っている下人の心境……。
ビニール屋根を打つ雨音が、ポッポッポッとハトの鳴き声に聞こえる。
羅生門の楼の上で、猿の顔をした老婆が女の死体の髪の毛を抜くのを見た下人が老婆に憎悪を感じたように、エンドウをぼこぼこにしたハトへの憎悪がこみあげてくる。
すると、「これとてもやはりせねば、飢え死にをするじゃて、仕方がなくする事じゃわいの」と老婆の声が聞こえた。
なるほど……、ハトも生きるためにやっているのだ。
ならば、好きなようにすればいい……、憎悪は諦観へと変化した。
過ぎたことを悔やむよりも、先のことを考えよう!
諦観は、やがて前向きな気持ちにかわる。

雨は小止みになった
よし、少し早いが、インゲン、キュウリ、ゴーヤ、ナンキンを植えよう!
雨が降るから水やりをしなくてすむ。
ミストのような霧雨が気持ちい。
雨雲の上には蒼い空があるのだ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 畑148 / 一揆だ! | トップ | 畑150 / 種のネタ »

コメントを投稿

菜園日誌」カテゴリの最新記事