【恐怖】ポンジスキームとは?歴史から学ぶ詐欺の仕組み

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【恐怖】ポンジスキームとは?歴史から学ぶ詐欺の仕組み

Ponzi scheme(ポンジスキーム)

投資詐欺のニュースで「ポンジスキーム」という言葉を耳にすることがある。しかし、その具体的な仕組みや、どのようにして人を騙すのかについて詳しく調べたことはなかった。

被害額が桁違いのため、巧妙に仕組まれた詐欺であることは容易に想像できる。しかし、果たして資産家が簡単に騙されるほどの手口なのだろうか?

そこで、ポンジスキームについて調べ、その概要をメモとしてまとめることにした。

ちなみに、スピルバーグも騙されてました。

Charles Ponzi(チャールズ・ポンジ)

「ポンジスキーム」の名前は、この詐欺手法を考案したチャールズ・ポンジ(Charles Ponzi)に由来する。

彼は1920年代にアメリカで「国際郵便返信券(IRC)を安く仕入れ、高く売ることで利益を得る」と称した投資話を持ちかけ、多くの投資家を騙した。しかし、実際には新たな投資家から集めた資金を以前の投資家への配当に充てるだけの自転車操業であり、持続不可能な詐欺スキームだった。

この手口が後に「Ponzi Scheme(ポンジ式詐欺)」と呼ばれるようになり、現在でも類似の投資詐欺が世界中で横行している。



ポンジスキームとは

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ポンジは生来の犯罪者!

Charles Ponzi(チャールズ・ポンジ)

ポンジスキームの名前は、チャールズ・ポンジという人物に由来している。(Charles Ponzi、 1882年3月3日 - 1949年1月18日)

ポンジはイタリアで生まれ、21歳の時に移民としてアメリカに渡った。ニューヨークのレストランで皿洗いやウエイターをしながら英語を学びつつ、このレストランで釣銭を誤魔化して逮捕されたのが記録に残る犯罪者デビューのようだ。

その後カナダに移り改名(チャールズ・ビアンキ)、国際銀行の出納係見習いとして働きつつ、客のサインを偽造した小切手詐欺を働き逮捕された。

刑期を終えると、懲りずにまたアメリカへ移民と偽り不法入国し1年間拘束された。釈放後も様々な悪事を働き、「国際郵便返信券(IRC)を安く買って高く売ることで利益を出す」という詐欺を開発し、ポンジスキームの生みの親となった。

軽微な犯罪を重ねながら、(悪い方向に)スケールしていったのがチャールズ・ポンジである。

ポンジスキームの手口

ポンジは、「国際郵便返信券(IRC)を安く仕入れ、高値で売却することで利益を得る」という投資話を持ちかけ、多くの投資家を勧誘した。しかし、実際にはそのような利益はほとんど得られておらず、新規の投資家から集めた資金を、以前からの投資家への配当として支払う自転車操業的な手法を取っていた。

この手法は長くは続かず、やがて資金繰りが破綻し、詐欺が発覚。最終的にポンジは逮捕された。

このような詐欺的手法は、後に「ポンジ・スキーム(Ponzi scheme)」と呼ばれるようになった。

平たく言うと、ポンジ・スキームとは、投資家から集めた資金を実際の投資に回さず、新たな投資家からの資金を使って以前の投資家に配当を支払う仕組みのことである。この手法は一見すると高配当の投資案件のように見えるが、持続不可能であり、最終的には破綻する運命にある。

なお、「ねずみ講」も類似した構造を持つが、厳密には異なる仕組みである(ねずみ講は会員が新たな会員を勧誘し、その加入金が上位会員に分配される制度)。

「国際郵便返信券(IRC)」とは

「国際郵便返信券(IRC)」とは、海外に手紙を送る際に、相手が返信用の切手と交換できる券のことです。

ポンジは、このIRCを安く買って高く売ることで、短期間で高配当が得られると謳っていました。実際には、そのような取引はほとんど行われておらず、ポンジは自転車操業的に、新規投資家からの資金を古い投資家への配当に充てることで、あたかも投資が成功しているかのように見せかけていました。

まとめ

  • ポンジ・スキームは、最終的には破綻することが避けられません。なぜなら、配当を支払うためには常に新しい投資家からの資金が必要であり、いずれ資金繰りが回らなくなるからです。
  • ねずみ講は、参加者が新たな参加者を勧誘することで報酬を得る仕組みであり、ポンジ・スキームと同様に、最終的には破綻する仕組みです。

ポンジスキームの仕組み

ポンジの仕組み

  1. 高配当を謳う

    詐欺師は、「必ず儲かる」「高配当」などと謳い、出資者を募ります。

  2. 初期の出資者に配当を支払う

    初期に出資した人には、実際には運用益ではなく、後から集めた出資金を配当金として支払います。

  3. 信用を得てさらなる出資を募る

    配当金を受け取った出資者は、詐欺師を信用し、さらなる出資をしたり、他の人を勧誘したりします。

  4. 破綻

    出資者の増加が鈍化したり、出金希望者が増えたりすると、資金繰りが破綻し、詐欺が発覚します。

ポンジの特徴

  1. 高すぎる配当: 通常の投資では考えられないような高配当を謳います。
  2. 具体的な投資内容が不明: 資金の運用方法や投資先が明らかにされません。
  3. 元本保証を謳う: 投資に元本保証はあり得ないにもかかわらず、元本保証を謳います。
  4. 紹介料の支払い: 新しい出資者を紹介すると、紹介料が支払われることがあります。

ポンジの実例

年代被害額事件概要
19802,000億円豊田商事事件豊田商事は「金(ゴールド)の現物販売」と称して、高齢者を中心に投資を勧誘。しかし、実際には金を保有しておらず、新規契約者からの資金で配当を支払うポンジスキーム。

1985年、社長の永野一男は、詐欺容疑で逮捕される直前に自宅で暴力団関係者に刺殺された。その場面が生中継されるという前代未聞の衝撃的な事件だった。

1990数十億ドルMMMロシアのMMMという会社が「月利30%のリターンを保証する」として数百万人の市民から資金を集める。しかし、実態はポンジスキームであり、最終的に崩壊。

1994年に破綻し、創業者セルゲイ・マヴロディ(Sergei Mavrodi)が逮捕された。

19975億ドルカルロス・ケニー事件カルロス・ケニー(Carlos Keenny)がアルゼンチンで「短期間で高額なリターンを得られる投資」と称して資金を集める。しかし、実際にはポンジスキームであり、投資家が殺到して破綻。

ケニーは国外逃亡したが数年後に逮捕された。

20071,280億円円天事件(L&G事件)「円天」という独自の仮想通貨を発行し、「1年後に元本保証で利息もつく」と投資家を勧誘。新規会員からの資金を既存会員への配当に充てるポンジスキーム。

L&Gの会長・波和二(なみ・かずじ)が詐欺罪で逮捕。2010年3月18日、東京地裁で懲役18年の実刑判決が下された。控訴棄却、上告棄却を経て地裁の判決が確定した。

2008650億ドルバーナード・マドフ事件ウォール街の大物投資家であり、元ナスダック・ストック・マーケット会長バーナード・マドフ(Bernard Madoff)が「安定した高利回りの投資」として、著名な企業・個人投資家から巨額の資金を集めて運用。しかし、実際には新規投資家の資金を古い投資家の配当に回すポンジスキーム。

マドフは2009年に有罪判決(懲役150年)、2021年に獄中で死亡した。被害者: スティーブン・スピルバーグ、ケビン・ベーコンなど

200970億ドルアラン・スタンフォード事件テキサスの銀行家アラン・スタンフォード(Allen Stanford)が、カリブ海のアンティグア・バーブーダに拠点を持つ「スタンフォード・ファイナンシャル・グループ」を通じて「高利回りの定期預金」を販売。実際には新規投資家の資金を使って古い投資家に支払うポンジスキーム。

アランは懲役110年の判決を受けた。

20114,200億円安愚楽牧場事件「和牛オーナー制度」として、投資家に牛の所有権を販売し、「毎年高利回りの配当を保証する」と宣伝。しかし、実際には牛の数が不足しており、新規出資者の資金で過去の配当を賄うポンジスキーム。

2011年に破綻し、社長らが詐欺罪で逮捕。繁殖牛が不足しながら、繁殖牛が存在しているかのように装って勧誘を続けていたことが犯罪と認定され、ほぼ求刑通りの実刑判決が下された。代表者:三ヶ尻久美子代表取締役。

20121,000億円AIJ投資顧問事件AIJ投資顧問(浅川和彦社長)が、「年9%以上の利回りを保証する」として厚生年金基金や企業年金基金から1458億円を集めたが、2011年3月期までに1092億円をデリバティブ(金融派生商品)取引の失敗などで消失。 資産額も2090億円と600億円以上水増しして公表していた。実際には資金の大半を損失し、新規資金で過去の配当を支払うポンジスキーム。

代表取締役・浅川和彦が詐欺罪で逮捕・有罪判決を受けた。事件を機に厚生年金基金制度は廃止され、26年4月以降は新設できなくなり、基金の解散が加速した。

201440億ドルOneCoin事件仮想通貨「OneCoin」は、実際には価値のない仮想通貨でありながら「ビットコインの次の革命的仮想通貨」として宣伝、高配当を謳って投資家から巨額の資金を集めた。世界中で数十億ドルの被害が出ており、日本でも被害者が多数出ています。

創業者ルジャ・イグナトバは、2017年に突如失踪し現在も行方不明、FBIの「最重要指名手配リスト」に掲載(2022年)。コンスタンティン・イグナトフ(ルジャの弟)は、2019年に逮捕、詐欺罪を認めた。マーク・スコット(弁護士)は、2019年にマネーロンダリングの罪で有罪判決を受けた。

2017数十億ユーロクエストラ・ワールドヨーロッパを中心に「AIを活用した投資システム」と称して投資家を勧誘。「月利20%」を謳い、多くの人が資金を預けたが、実態はポンジスキーム。

2017年に破綻し、運営者は逃亡。被害者多数、資金の回収は困難

20172,100億円ジャパンライフ事件「高齢者向け磁気治療器のレンタル事業」として、「100万円投資すれば毎年6%の利息を保証」と宣伝。しかし、実際には治療器の販売・レンタルはほとんどなく、新規契約者の資金で配当を回すポンジスキーム。「桜を見る会」に経営陣が招待されていたことが問題視され、政治的な影響も大きかった事件です。

2022年1月28日に東京地裁で山口元会長に懲役8年の実刑判決が言い渡された。2023年5月23日に名古屋高等裁判所で、ジャパンライフと取締役7人に2億2千5百万円の損害賠償が命じられた。

20182,000億円ケフィア事業振興会事件「干し柿や健康食品のオーナー制度」と称して高利回りの出資を募り、実際には新たな出資金を既存会員に回すポンジスキーム。

東京地裁は、詐欺と出資法違反の罪に問われた元代表、鏑木秀弥被告(86)に懲役7年、罰金300万円(求刑懲役8年、罰金300万円)の判決を言い渡した。

まとめ

matome
reload2025/03/27
【恐怖】ポンジスキームとは?歴史から学ぶ詐欺の仕組み

ポンジスキームは、チャールズ・ポンジという人物が考案した詐欺の手法です。

投資家から集めた資金を、実際の投資や事業に用いることなく、後から参加した別の投資家から集めた資金を以前からの投資家への配当に充てることで、あたかも投資によって利益が生まれているかのように見せかけます。

この手口は、一時的に高い配当を支払うことで信用を得て、さらに多くの投資家を惹きつけますが、実際には運用益が出ていないため、いずれ資金繰りが破綻します。ねずみ講もポンジスキームの一種であり、同様の仕組みで成り立っています。

ポンジスキームは、一見すると魅力的な投資話に見えますが、実際には自転車操業的な仕組みであり、いずれ破綻する可能性が高いです。投資を行う際には、十分な情報収集を行い、リスクを理解することが重要です。

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