医者を選ぶ時、良い医師に診てもらいたいと思うのは当然だと思います。
 それと同時に、弁護士を選ぶ時、良い弁護士に弁護してもらいたいと思うのも当然です。
 しかし、医者も弁護士も、良い先生をどのように見分けるのか、それ以前に、「良い先生」って一体なんなのかがよくわからないことが多いです。
 この点について、私の経験から、「良い先生」とは何かということを考えていき、どうすれば弁護士を選ぶ際に良い弁護士を選ぶことができるのかについてお伝えします。

きっかけ・経緯

26歳の時に大腸ガンが発見

 私が「良い先生」ということについて考えたきっかけは、26歳の時です。腹痛が持続するようになり、痛みが日々日々増し、救急車で搬送され、検査した結果、大腸がんと診断されました。手術後の検査によってステージⅢbと診断されたため、結構進行した状態で発見されたことになります。

入院・手術・抗がん剤治療

 当然、検査後に即入院となり、手術を受け、そして術後の補助化学療法(抗がん剤治療)も受けました。
 今では、手術後7年以上が経過し、再発等の兆候も見られないため、当事務所を開業するなど普通の生活を送ることができています。

主治医のことを「良い先生」だと感じていた

 私は、その入院や手術、抗がん剤治療の間、担当してくれた主治医の先生のことを「良い先生だな」と感じていました。今でもそう思っていて、また病気が見つかった時には、当時の主治医に担当してもらいたいと思っています。
 入院した当初、私は、「病院のHPに載ってるプロフィールで色々と実績や認定資格が書かれているような先生だといいな」などと思っていました。ですが、主治医は、その当時、入院した病院の消化器外科の担当医の中で2番目くらいに若い先生であり、思っていたのとは真逆のような先生でした。
 しかし、手術を受ける頃には、主治医のことを「病院内で一番良い先生だ」と感じ、安心して手術を任せることができました。

なぜ主治医のことを「良い先生」だと思ったのか

プロフィール上の実績・役職・認定資格は秀でていなかった

 では、その主治医のことをなぜ「良い先生」だと感じたのでしょうか。
 先ほど述べたとおり、主治医は若い先生でしたから、病院のホームページに記載されていたプロフィールに、実績は全然記載されていませんでした。また、役職や認定資格もほとんど記載されておらず、プロフィール上の記載からは、全く「良い先生」だと感じることはできない先生でした。

患者とのコミュニケーションの時間・回数

 しかし、主治医は病院内で1番と言って間違いないほど、自分の担当患者と密にコミュニケーションを取る先生でした。勤務日は最低でも朝と夜の2回は必ず、担当患者の病室に行き、個別に状態を聞いたり、検査結果やこれからの治療の方針などを丁寧に説明したりしていました。夜は手術が長引いたりして遅くなる時もありましたが、そんな時でも必ず、担当患者の病室に来てくれていました。
 他の医師が担当している患者さんを見ていると、そこまで個別にコミュニケーションを取っている医師はおらず、私の主治医は最もコミュニケーションの時間や回数が多く、また、内容も丁寧で充実していたといえます。

結論

「良い先生」とは真剣に向き合ってくれる先生

 以上のことから考えると、「良い先生」とは、どれだけ自分に対して真剣に向き合って、大切に扱ってくれるかという点から決まってくるのではないかと考えられます。
 医師からすれば多くの担当患者の中の1人でしかありませんが、患者にとっては1つしかない大切な自分の身体です。そのことを理解し、大勢の中の1人として扱うのではなく、大切な1人として扱う。このことが「良い先生」としての必須要素ではないかと思います。

弁護士も同様

 このことは、弁護士にもそのまま当てはまります。
 一般に、弁護士に依頼する際にはホームページなどを見て、「実績がたくさん書かれている弁護士だから良さそうだ」、「公的役職に就いた経験があって信頼できそうだ」などと思うのではないでしょうか。ですが、それらの先生が本当に「良い先生」であるかどうかはわかりません。
 どんなにプロフィールが立派でも、依頼した事件を多くの担当事件の中の1つとして扱い、対応や事件処理が丁寧ではないということもありえます。そのような弁護士を「良い先生」だと感じる依頼者は少ないでしょう。
 「弁護士からすれば多くの担当事件の中の1つかもしれないが、依頼者にとっては1つしかない大切な事件である」ということを理解して、1つ1つの事件に真剣に向き合い、丁寧に扱う。このようなことを実践できる弁護士のことを、多くの方が「良い先生」だと感じるのではないでしょうか。

相見積もりの重要性

 弁護士を選ぶ際に、ホームページや広告に書かれているようなことを重視するのでは、このような「良い先生」を見逃してしまうかもしれません。良い弁護士を選ぶためには、①実際に法律相談をして、②見積書の作成を依頼し、③見積書の内容を見るというプロセスを通して、どれだけ真剣に向き合い、丁寧な仕事をしてくれるのかを見極めることが大切です。そして、比較検討材料を得るために、できる限り、複数の事務所から相見積もりを取るなどして弁護士を選ぶことが大切といえるでしょう。失敗しない弁護士の選び方や相見積もりの重要性については、以下の記事でも説明していますので、興味のある方はご覧ください。

 最後に、当事務所は、ポライト(丁寧)という言葉を事務所名に掲げて、私が出会った主治医のように、真剣に1人1人に向き合い、丁寧に事件処理を行うということを日々意識して業務に取り組んでいます。
 相見積もりを取る法律事務所にお悩みの方は、当事務所を選択肢に入れてみていただけますと幸いです。