「魚料理には白ワインが鉄則」とよく言われますが、実は赤ワインがぴったり合う魚料理もあります。魚の種類や調理法、ソースの味わいを考えれば、赤ワインとのペアリングの幅も広がるのです。今回は、なぜ赤ワインが合う魚料理があるのか、その秘密を紐解きながら、具体的なおすすめの組み合わせを紹介します。
なぜ赤ワインと魚料理は合わないと言われるのか?
赤ワインが魚に合わないとされる理由の一つは「鉄っぽい味(メタリックフレーバー)」が出やすいからです。魚に含まれる特定の成分が赤ワインのタンニンと結びつくことで、えぐみや渋みが強調されてしまうのです。
特に、タンニンが豊富なフルボディの赤ワイン(ボルドーやカベルネ・ソーヴィニヨンなど)は、鉄分を多く含む魚(マグロやカツオなど)と組み合わせると、相性が悪くなることが多いです。
しかし、すべての赤ワインが魚料理と合わないわけではありません。タンニンが少なく、酸味がしっかりとした赤ワインを選ぶことで、相性の良いペアリングを楽しめます。
赤ワインと相性の良い魚料理
1. マグロのたたき × ピノ・ノワール(ブルゴーニュ)
マグロの赤身は牛肉にも例えられるほどしっかりとした旨味があります。特に、炙ったり、醤油ベースのソースを合わせたりすると、ピノ・ノワールの果実味と酸味がバランスよくマッチします。ブルゴーニュのピノ・ノワールならタンニンも控えめで、鉄っぽさが出にくいのもポイント。
📝 おすすめワイン
- ジョセフ・ドルーアン コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ
- エレガントな赤い果実の香りと控えめなタンニンで、マグロと絶妙に調和。
2. カツオのたたき × ガメイ(ボジョレー)
カツオは赤身の魚でありながら、脂肪分が少なくさっぱりとした味わい。そのため、軽めの赤ワインがよく合います。ボジョレーのガメイはフレッシュな酸味があり、カツオの鉄っぽさを打ち消しながら、さっぱりとした味わいを引き立てます。
📝 おすすめワイン
- ジャン・フォワヤール モルゴン
- ほどよい果実味とスパイスのニュアンスがカツオと相性抜群。
3. サーモンのグリル × ラングドックのシラー
サーモンは白ワインとの相性がよい魚ですが、バターやトマトベースのソースを使うと赤ワインとのペアリングも楽しめます。シラーのスパイシーさと濃厚な果実味が、サーモンの旨味と絶妙にマッチします。
📝 おすすめワイン
- ドメーヌ・ゴビー コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ
- ブラックベリーの果実味とスパイス感がサーモンの香ばしさとよく合う。
4. アクアパッツァ × ネッビオーロ(バローロ)
白ワインを使うことが多いアクアパッツァ(魚介の煮込み料理)ですが、トマトやオリーブが入ると、ネッビオーロの酸味やハーブのニュアンスと絶妙にマッチします。特に、少し熟成したネッビオーロなら、魚の旨味を引き立てながらもタンニンがなめらかで心地よい飲み心地に。
📝 おすすめワイン
- マッテオ・コレッジア ロエロ・ネッビオーロ
- フローラルな香りとスムースなタンニンで、魚料理にも合わせやすい。
赤ワインと魚料理を合わせるときのポイント
- タンニンが強すぎないワインを選ぶ
- 軽めの赤ワイン(ピノ・ノワール、ガメイ、ネッビオーロなど)が鉄則。
- 酸味がしっかりしたワインを選ぶ
- 赤ワインでも酸味があると魚のさっぱりとした風味と調和しやすい。
- 調理法に注目
- 煮込み、グリル、スパイシーなソースなら赤ワインがマッチしやすい。
- 鉄分が多い魚は避ける
- マグロやカツオは合わせる赤ワインを選ぶ必要がある。
まとめ

魚料理には白ワインという常識はありますが、赤ワインとのペアリングも意外と楽しめるものです。軽めの赤ワインや酸味のある品種を選ぶことで、魚の旨味を引き立て、より深みのある味わいを楽しめます。ぜひ、次の食事で赤ワインと魚のペアリングにチャレンジしてみてください!