過去の自分の万引き、浮気、盗みが、どうしても許せません。~ココロノマルシェのご相談

「自分の過去の万引き、浮気、盗みが
どうしても許せない。

その時の自分を守る方法はそうするしかなかった、
と聞くけれど、
それでもやっぱりそれはダメでしょ、
と思ってしまいます。」

オンラインカウンセリングサイト「ココロノマルシェ」に
寄せられたご相談にお返事します。

 

自分迷子な大人女子さんに、「わたし」を生きる最高のよろこびを。

 

オランダ在住カウンセラー、コバヤシアキコです。

 

実は私も、万引きも浮気も盗みもしたことがあります。

ご相談者さまの勇気ある告白に感謝しながら、
私の体験も含めてお話しています。

 

ご相談:「自分がしたことをなかなか許せない」

自分がしたことをなかなか許せない

自分が過去にした万引き、浮気、友達のものを盗んだ事実が、どうしても許せません。心理学では、その時の自分を守る方法はそうするしかなかった。と見聞きしますが…。それでも、そういうことはやっちゃダメでしょ〜と、心の声が聞こえてきます。

私は、3人姉妹の長女。4歳下の双子の妹たち。両親の5人家族です。
貧乏家庭、父は借金返済に追われ、母は宗教に没頭し、サラ金に借金。家のことはほぼしてない記憶。家族団欒は私の憧れ。
現在23歳に結婚。3人の子供います。

万引きは、子供の時にお菓子を数回。新婚時に食料品数回。
浮気は、高校卒業前に、親友の彼氏と。夫と交際中で22歳の遠距離の時期に2回同じ人と。
盗みは、小学生の時に学校で友達のものを。

これまで誰にも言ってません。軽蔑されるのも怖いですし。許せるようになりたいです。アドバイス、よろしくお願いします。

(Cさん)

 

Cさん、こんにちは。

オランダ在住カウンセラー、コバヤシアキコと申します。

 

ご自身が過去にやったことを、今も強く責めていらっしゃるのですね。

これは、心を強く消耗して、地味にとてもしんどいのではないでしょうか。

 

「その時の自分を守る方法はそうするしかなかった。」という視点もご存じながら、

「そういうことはやっちゃダメでしょ〜」と、心の声が聞こえて、どうしても自分を許すことができない、ということで、

私からのお返事では、

  • 「許す」のが難しければ、まずは「理解する」ところから始めてみる

ということをご提案しつつ、また別の視点で、

  • 自分を許さないと決めているとしたら?!

ということも考えてみます。

 

ちなみに、

私も、子供の頃に万引きと盗みを、大人になってからは浮気をしたことが、あります。

こうしてブログに書くのは、やっぱり勇気が要りますね。

勇気を出してご相談くださったCさんに感謝しながら、お返事します。

 

私のお返事はこちら↓です。お役に立てれば嬉しいです♡

 

なぜ、そうせずにいられなかったのか?を「理解」する。

Cさんは、ご自身が過去にしたことがどうしても許せないとのこと。

 

倫理的・道徳的・善悪の判断が入ると、

「許す」というのは確かに難しさを感じることもあると思うのですが、

許すかどうかは置いておいて、とりあえず「理解する」だけなら、ちょっとハードルが下がらないでしょうか?

 

ということで、まずは「理解する」ことをご提案したいな、と思っているのですけれども。

 

で、何を理解するのかというと、

なぜ、「当時のCちゃん」は、そうせずにはいられなかったのか?

です。

 

Cさんも、ご自身でいろいろ学んでいらっしゃって、

その時の自分を守る方法はそうするしかなかった。

という視点を既にご存じですが、

ここは、「当時のCちゃん」にさらに寄り添って、彼女の事情を理解してあげたいのですね。

 

実際、今、大人のCさんが、当時のCちゃんを客観的に眺めてみると、

Cちゃんは、どんなふうに、どんな気持ちで日々を生きていたと思いますか?

 

お父さんは借金の返済、お母さんは宗教にはまって家のことはほとんどしておらず、

4歳下には双子の妹さんたちもいらっしゃいました。

 

おそらく当時のCちゃんは、5歳前後にして既に、

家族の中で一番理性的・客観的に(というかむしろ本能的に?)、ご家族の状態を理解しておられて(その自覚があったかは別にして)、

お手伝いも上手にできる「しっかり者」とか、手のかからない「いい子」とか、

そんな風に育っていたのではないでしょうか?

 

するとCちゃんは、他の同年代の子供なら普通にやっているような、

甘える、とか、
駄々をこねる、とか、
拗ねる、とか、
わがままを言う、とか、
親の無条件の愛情を感じること、とか、
お家が安心できる居場所であること、とか、

そんな、いわゆる子供が子供らしく求めることは、ほとんど何も叶わなかったのではないかと想像します。

 

その時のCちゃんの精神状態って、どんなものだったと思いますか?

自由にのびのびと、子供らしい時間を幸せに楽しめていたでしょうか?

 

学校などでは、やはり良い子で、特に大きな問題行動も起こさず、「普通」にしていたかもしれません。

でも、心の中には、それはそれは強い寂しさや、絶望を抱えていたのではないでしょうか。

 

当時のCちゃんは、そんな強い寂しさや絶望を抱えながら、

それでも、手のかからない、しっかり者の良い子をやってあげていたのではないでしょうか。

 

それって、子供にとってはどれほどの負担だったか、

大人のCさんは、想像し、理解してあげることはできるでしょうか?

 

子供の頃の万引きや、お友だちのものを盗んだ時のCちゃんは、

実は、心を普通に保つギリギリのところで、日々を生き延びていたのではないでしょうか。

 

盗みという行動は、

「もう無理、しんどい、さみしい、助けて」と、言葉にする力も選択肢もまだなかった、子供の頃のCちゃんの、

心の叫びが現れたものではなかったでしょうか。

 

そんな風に想像し、理解してみることはできないでしょうか。

 

また実は、子供の頃だけでなく、高校生から大人になってからの浮気や万引きも、

やはりその時のCさんは、心を保つギリギリのところにいらっしゃったのかも、

と想像したりもします。

 

遠距離の寂しさは、子供の頃から抱える寂しさを強く思い出させたかもしれません。

結婚されてからも、旦那さんとの繋がりがあまり感じられなかったりしたのかもしれません。

 

強い寂しさ・孤独は、私たちが何としてでも感じないでいたい感情の一つです。

そんな感情から「自分を守る」ために、ほとんど無意識に体が動いていたのかもしれません。

 

(今思い返すと、その当時って、心ここにあらずというか、魂が身体から抜けたような感じというか、

今考えると自分でも意味が分からないような、そんな感じはなかったでしょうか?)

 

ただ、こういうのって、

自分が生きてきた環境が「普通」で「そういうもの」になってしまうもので、

客観的に想像しにくい部分はあるかと思います。

 

なので、

ご自身ではなく、全くの他人のお家の子供が同じ状況で同じように過ごしていたら、

みたいに考えると、客観的に理解しやすいかもしれません。

 

そして、そんな風に、少しでも、

「そうか、あの時の状況って、普通に考えるとそれなりに大変な状態だったのかな」

「それだけの事情があったら、子供(人)は確かにそうせずにはいられないのかもしれないな」

「私はあの時、実はそんなギリギリの状態だったのかもしれないな」

みたいに、客観的に「理解」ができるようになると、

 

倫理的・道徳的・善悪の判断はちょっとだけ横に置いて、

「だったら、そうせずにはいられない、仕方ない部分もあったと思っても、良いのかな」

と、許せない気持ちが、少し緩まないでしょうか?

 

「許す」と「緩む」は、語源が同じなんだそうです。

 

なのでここではまずは、

「理解」を使って「緩む」ことで、「許し」にちょっと近づいてみる、

というご提案をしてみました。

 

私の事情はこんな感じでした。

(ここはちょっとドキドキしながらですが、お話してみます。

私の話はせずにこのお返事を進めることもできますが、

なんだかそれだとCさんにも自分にもウソをついているような気がしてしまうのと、

やはり勇気を出してご相談くださったCさんのリーダーシップに感謝しつつ、

私はCさんを軽蔑しないですよ!ということを強くお伝えしたいからです。)

 

私が万引きしたりお友だちのものを盗んだのは、

幼稚園から小学校にかけての頃です。

 

引っ越し&転校(転園)したことによる環境の変化や、周りとあまり馴染めなかったこと、

両親がすでに不仲で、その不安定な様子を感じ取りながら、母のサンドバッグになりごきげん取りをしていたこと、

引っ越しに伴い、父が単身赴任となって離れてしまったこと(私は父親っ子で、母は妹を可愛がっていました)、

私が欲しいものは、「それはダメ」といつも否定されていたこと(子供らしい、ごく小さなものです)、

などなどが、当時の私の背景にはあるかなぁ、と思います。

そして私も、さほど手のかからない子で、そこそこ優等生でもありました。

家族団らんは、テレビの中だけのお話だと中学校くらいまで本気で思っていました。

(お友だちとの会話の中で、普通のお家はちゃんと団らんがあるらしいと知った時の衝撃といったらもう。)

 

それから、浮気の方は、Cさんとはまたちょっと違う事情もあるのですが、

日本でエリートサラリーマンになれずに挫折したタイミングと、

トルコでダンサーとして積み上げつつあったものを全部捨てて、やはり挫折したタイミングで、

特定の相手がいたのに、同時に他の複数の人と関係を持ちました。

 

当時の私は、もともとごりごりの無価値感があるところに加えて、

サラリーマンやダンサーとしてのキャリアという社会的成功が手に入らず、

人間としての存在価値はもう何もないよ、と、最後通告を受けたかのように感じていました。

 

そこで、「自分はもう存在してはいけないんじゃないか」という恐怖を打ち消すために、

複数の男性に求められることで、

「少なくとも男性が価値を見るものが私にはある。そしたら、まだ消えていなくならなくてもいいかな?」

と思いたかったのかな、と思っています。

(当時お付き合いしていたそれぞれの彼とは、繋がりらしい繋がりはありませんでした。)

 

心を学ぶようになるまでは、

なぜ万引きや盗みをしたり、彼がいるのに他の複数の男性と関係を持ったのか、

自分でもまるで訳が分からず、ただ恥じて自分を責める気持ちが強かったです。

 

このお話も、万引きの話を以前お世話になっていたカウンセラーさんにさわりだけお話した以外は、

今まで本当に誰にもしたことがありませんでした。

Cさんと同じように、軽蔑される、人として終わってる、と思われるのが怖かったんですよね。

 

でも、ここでCさんのご相談を勇気に、一気にブログでカミングアウトしちゃったわけですけども。

 

(ちなみに、「軽蔑されるのが怖い」のは、それだけ自分で自分を軽蔑している、ということの投影ですね。)

(それからちなみに、私は自分を正当化する意図はありません。お叱りの声があれば、真摯に受け止めます。

お問い合わせフォームより、メッセージいただけます。)

 

・・・と、ここまで読んでいただいて、

Cさんは今どんなことを感じていらっしゃるでしょう?

 

ご自身の「心の事情」を「理解」してあげるための、

一例として見ていただけていたら良いなと願っておりますけれども、

 

もし、

「うわぁ、それはダメでしょ、このカウンセラー…」と感じたようでしたら、

それは、Cさんがご自身を責めていらっしゃる声そのものなのかもしれません。

 

(あ、ちなみに、Cさんがどう感じたとしても、私は傷つきませんし、

むしろそれも「そっかぁ、そう思っちゃいますよねぇ」と、まるっと受け止めますので、

ぜんぜんご心配はいりません!)

 

あるいは逆に、

「まぁ、この人の事情は慮ってあげてもいいけど、私がやったことはやっぱり許されないでしょ」

みたいに感じるとしたら、

もしかすると、

どんな事情があっても、自分自身の罪だけは許されてはいけない、

というゆるぎない無意識の前提が、Cさんの中にあるのかも?しれません。

 

自分を許さず、罪深い悪い子でい続けたい?!

というわけで、

どんな事情があっても、自分自身の罪だけは許されてはいけない、

という、ゆるぎない無意識の前提、です。

 

自分を許せないということは、

Cさんは、罪人(悪い子)であり続ける、ということですね。

 

では、もし、

Cさんが、ご自身を許さないことで、ご自身をそんなにも罪深い悪い子にしておきたい、のだとしたら、

それはなぜでしょう?

 

ご自身が意識してそうしている感覚はないと思うのですが、

仮に、そんな可能性もあるとしたら?と考えてみたいんですね。

 

で、こういう時にいちばん王道な路線としては、

「こんな罪深い悪い子な私は、幸せになってはいけない」

みたいな感覚があるのかな?と推理したりします。

 

そして、なぜ幸せになってはいけないのか?を、今回のご相談文から想像していくなら、

「大変そうな両親を上手に助けられなかったから」
「上手に幸せにしてあげられなかったから」
「ぜんぜん良い子じゃなかったから」
「今も家族は幸せではないから」

みたいな思いが、ゆっくりていねいに掘り下げていくと見つかってきたりします。

 

つまり、

Cさんの、ご家族への愛が深いゆえに、

Cさんは、今もこうしてご自身の罪を責め続けて、罪深い悪い子でいることで、

自分を幸せにすることを許さないでいるのではないかなぁ、

 

それはつまり、

Cさんが許せないのは、「当時の自分の行い」ではなく、「今の自分が幸せになること」、

なのではないかなぁ、

なんて想像したりするのですね。

 

自分を許さず、罪深い悪い子として罰し続ける「罪悪感」という感情は、

まさに、自分に幸せを許さない感情、でもあるのです。

 

ここまで読んでいただいて、どんな気分がしているでしょう?

 

なんとなくでも心当たりがあれば、

ぜひそのご自身の「愛」を、存分に認めてあげてほしいです。

 

が、ここは、心の深い部分のお話でもあるので、

そう言われて即座に「そっかー!」とはならないことも多いとは思います。

 

その場合は、

許されないことをしたから許せない、のではなく、

今の自分に幸せを許さないために、過去の行いを許さず罪人でい続けようとしている、

ということも、心は無意識にやるらしい、

ということを知っていただけたら良いな、と思います。

 

とっても応援しています♡

私のお話まで含め、長文にお付き合いいただきありがとうございました!

何かしらご参考になる部分があれば良いなと願っておりますが、

いかがだったでしょうか?

 

自分をどうしても許すことができず、責め続けてしまう、というのは、

心を強く消耗し、とてもしんどいものです。

 

Cさんが、ご自身の理解者となりながら、そのしんどさを抜け、ご自身に幸せを許し、

ご家族と、これからの素晴らしい幸せを作っていけますよう、

心より応援しております。

 

お手伝いできることもたくさんありますので、

良かったらお話聞かせてくださいね!

 

お読みいただき、ありがとうございました♡

コバヤシアキコ

 

今日の一枚。

(インスタグラムより)

日が出ると人間も運河沿いに出てくる。

人気ブログランキング ブログランキング・にほんブログ村へ

タイトルとURLをコピーしました