「Apple Pencilのペン先が折れたときの対処法」というサイトはすぐに見つかった。
やはり世の中には、私と同じようにペンを床に落としてペン先が折れてしまった人がいるらしい。
そのサイトによると「まち針をペン本体の内側に差し込み、ペン先の破片をまち針で無理やり回転させる」というものだった。
そのような方法で本当にペン先の破片を取り外すことができるのだろうか。
半信半疑ながら、押し入れの中から裁縫セットを取り出す。
久しぶりにその裁縫セットを開け、まち針を一本掴みだした。
ペン本体の内側に残ってしまったペン先の根本部分は、ネジ状になっている。
まち針をペン本体の内側に差し入れ、その残った根元部分を懸命に回転させようとする。だけどまち針ではそれほど大きな力をかけることもできず、そのネジ部分は全く回る気配も見せない。
5分ほど試してみても、その状態は変わらなかった。
他に方法はないのだろうか。
検索結果一覧の中から、別のサイトを開いてみる。
基本的には同じような方法を紹介していたのだけど、そこではカッターの刃先をペン本体の内側に差し込んで、その残ったネジ部分を回すという方法を紹介していた。
机の横のペン立てからカッターナイフを取り出し、ペン本体の内側に差し込んでみる。まち針よりは力は入りそうだが、ただ、下手をすると指を切ってしまいそうだったし、ペン本体側に傷もついてしまうようだった。
その方法は少し試してやめ、再びまち針に戻した。
15分くらい奮闘していただろうか。
ペン本体の内部に残っていたネジ部分が少し動いたような感触があった。
「回った……」
私はまち針を持つ手に力を入れる。
一度回ってしまえば、あとはそれほど力をかけることもなく回っていく。
結局30分ほどかけて、ようやくそのペン先の破片をペン本体から取り出すことができた。
ほっと胸をなでおろす。
これでペン本体を買い替えずに済んだ。
ただし、代わりのペン先を買うという作業が残っている。
私はペン先を発注するためにAmazonのサイトを開いた。