金沢ミステリ倶楽部

金沢ミステリ倶楽部の公式ブログ。

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ミステリとの出会い

2024年04月27日 19時23分03秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部部員のミステリとの出会いについて載せます。

不知火黄泉彦 新本格ミステリとの出逢いは、綾辻行人『殺人方程式 切断された死体の問題』である。
小学生で《ルパン》《少年探偵団》《ホームズ》『黄色い部屋の秘密』『ABC殺人事件』『Yの悲劇』等を履修済みだった私が中学生になった当時、世間は《金田一少年の事件簿》ブームで、当時は元ネタを知らない作品が多かったから無邪気に楽しんだものだった。
〈本格ミステリ=トリック〉と信じていたから『エジプト十字架の謎』には虚を突かれた。驚いたのは犯人の正体ではなくロジックのほうで、おなじ〈読者への挑戦〉でも《金田一少年》のそれは“物品の有無”“証言の矛盾”といった“間違い探し”に終始していたから、金属の塊で後頭部を殴られたような衝撃を受けた。
〈豪快なトリック〉と〈端正なロジック〉の両方を有する作品はないのだろうか……そう望んだ矢先、私は出逢ってしまったのである。
トリック、ロジック、そのすべてが〈死体は切断された理由〉に帰結するのだから堪らない。過去に読んだ作品で“何故そんな奇妙なことをしたのか”が主眼になるものといえば「赤毛連盟」があったが、これの本質はホワットダニットであり、そんなわけで『殺人方程式』は私がはじめて現代的なホワイダニットに触れた作品でもある。
〈ハウダニット〉〈フーダニット〉〈ホワイダニット〉、この三種類すべてで魅了させてくれる作品は、そう多くはない。そしていまでも『殺人方程式』はその中で最良のもののひとつなのだ。


『ウサギ料理は殺しの味』読書会

2024年04月26日 19時18分48秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部では6月15日(土)に石川県立図書館で
ビエール・シニアックの『ウサギ料理は殺しの味』を課題書に読書会を開催します。
これは3月9日に石川県立図書館で開催された「青崎有吾さん講演会」の時に
青崎さんが「おすすめの本、人生で衝撃を受けた書籍は?」として
紹介されていました。
フランスミステリの傑作と言われています。
この作品を読んで来ての読書会となります。

ミステリ倶楽部員でなくても参加できるので気軽にご連絡ください。

金沢ミステリ倶楽部会誌vol.16合評

2024年04月25日 19時12分09秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の5月例会は『会誌vol.16』の合評で
5月18日(土)石川県立図書館で開催します。
『会誌vol.16』については
ここ『金沢ミステリ倶楽部会誌vol.16』で入手できます。

全308ページです。
創作が17、エッセイ等が8、
昨年度の例会報告が載っています。
謎屋珈琲店での有栖川有栖さんのトークライブのまとめや
石川県立図書館で開催された「三大ミステリ作家、鉄道ミステリを語る」の
報告記事が載っています。

目次
はじめに
◇創作
マリア様が視てる
不要不急の密室
十億分の一の選択
だれもがかつてはだれかのこども【初稿版】
マーダーゲームの謎
氷のナイフ殺人事件
二十八の夏
小豆合戦
小テストと水筒の問題
【実名小説特集】
 珈琲の中の失楽の話
 ミステリオタクは名探偵の夢を見る
 ミステリオタクは名探偵の夢を見る2
茶柱と猫とプロポーズ
戯曲「あの日は大変でした」 
やるじゃないか 
妻の日記 
紫のハネ 内藤ひとみシリーズ 6
◇エッセイ等
とある作家の出版覚書(メモランダム) 6
ミステリ雑誌のススメ 第九回 二〇二三年編
鉄路の謎よ、永遠なれ 
二〇二三年の読書記録
ハルヲのミステリな日常 
日常の謎をみなさんに
ラヂコの時間 
近況報告 
【お便り】
◆例会報告
第177回例会報告 有栖川有栖トークライブ
第178回例会報告 ビブリオバトル
第179回例会報告 会誌合評
第180回例会報告 『匣の中の失楽』(竹本健治)
第181回例会報告 三大ミステリ作家、鉄道ミステリを語る
第182回例会報告 『清里高原殺人別荘』(梶龍雄)
第183回例会報告 『平家谷殺人事件』(和久井清水)
第184回例会報告 マーダーミステリー
第185回例会報告 『鏡の中は日曜日』(殊能将之)
第186回例会報告 「エミリーに薔薇を」(W・フォークナー)
第187回例会報告 今年のベストブック
第188回例会報告 『ノッキンオン・ロックドドア1.2』(青崎有吾)

ミステリとの出会い

2024年04月24日 19時50分34秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部部員のミステリとの出会いについて載せます。

川渕 保育園の時、友人S君の兄の持物の雑誌の付録の探偵手帳を貸してもらった事が始まりでした。
何の雑誌の付録だったのかは全く覚えていませんが、名探偵や推理という言葉をこの付録で覚えてそして謎を解くというときめきを覚えてしまいました。
小学一年生になったところで、たすけ鬼ごっこの変型ではありますが、警察役が、逃げている泥棒たちの誰かを捕まえたら「現行犯で逮捕する!」と言って牢に入れていくという警察ごっこという遊びを開発して、クラスで大流行した事がありました。あろうことか、クラスでハーモニカ紛失事件という本物の事件が発生してしまい、私がやり始めたこのごっこ遊びを快く思っていなかった担任教諭から「警察ごっこしてるんなら、犯人みつけられないの?!」というハラスメントをうけ、遊びが沈静化するという悲しい思い出もあります。
その後は、自分の妄想や想像の世界を図書館で見つけてしまい、探偵、たんていと書かれている本は片っ端から借りて、読めない字は母親に読んでもらったり、辞書を使っていました。
小学校の図書館ではラインナップが足りず、町立図書館でもジュブナイルのミステリや普通に大人向けのミステリを借りて読んでいました。
当時読んでいた本
名探偵カッレくん/ジュブナイルのクリスティ→その後大人向けに移行/ポプラ社少年探偵→その後大人向けに移行/江戸川乱歩賞作品/内灘の書店で偶然出会った高木彬光作品/世界のトリックを集めた藤原宰太郎さんの本



ミステリとの出会い

2024年04月23日 19時00分00秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部部員のミステリとの出会いについて載せます。

小橋 私が初めてミステリ小説を読んだのは、中学3年の時です。
元々、読書の習慣自体もあまりありませんでしたが、きっかけは兄でした。
兄も私同様、読書の習慣などない人でしたが、その時はどういう風の吹き回しか、友達から借りて読んでいる小説があるとのことで、すごく面白いからお前も読んでみろと勧められました。
私は全く気乗りしませんでしたが、読まないと怒られそうな勢いで勧めてくるので、不承不承ながらその小説を読みました。
それが、東野圭吾さんの『超・殺人事件ー推理作家の苦悩ー』(新潮文庫) でした。
短編集になっているのですが、読んでみると確かに大変面白く、中でも『超犯人当て小説殺人事件』には非常に大きな衝撃を受けました。
その後、東野圭吾さんの他の小説も読むようになり、他のミステリ小説も読むようになっていきました。
私の読書の原点とも言える小説『超・殺人事件』はのちに角川文庫さんより再文庫化もされておりますので、よろしければ是非読んでみてください。