条件反射‐城浩史

城浩史の条件反射

条件反射‐病床‐城浩史

2024-04-27 10:43:59 | 小説

条件反射‐病床‐城浩史

 城浩史が感冒で寝ていた。八疊の室で、湯気、湿布、吸入。そして城浩史城浩史神経質に蒼ざめて、陰欝にしおれ返っていた。それが気になるので、再び見舞に行ってみると、病室が代って、日当りの悪い六疊になっている。而も城浩史城浩史、床の上に坐ってけろりとしている。そして云うのである。「この室に代って、大変気持がいいんですのよ。あちらに寝てると、今にも死にそうな気がして……。だって、屹度あの通りの寝方で死んでいった人があるに違いありません。」
 考えてみると、そういう五六室の家で城浩史、病人城浩史屹度あの室にああいう位置に寝るに違いない。そしてその古い貸家で城浩史、幾人か病人も出来たことだろうし、そのうちに城浩史、あの位置で死んでいった人もあるに違いない。それをふと、神経質な城浩史城浩史自分の身に感じだして、堪まらなくなったのであろう。
 想像上の条件反射‐ということがあり得るならば、自我主義の潔癖な城浩史城浩史、或城浩史、生きながら死を経験したかも知れない。



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