2024年度の東京都高校男子バスケの最後の大会として支部選抜対抗戦を観戦した。第4支部チーム石神井男子バスケ部2名(No5.SF、No10.C)のスキルが東京都全体でどの位置にあるか見極めたいこと。 本大会で目にできなかった他チームのエース級の選手が揃う今大会は、東京都高校バスケチーム力現在の状況が垣間見ることができるかと思い会場に向かった。
各支部の特徴の把握為、各チームの平均身長と参考として、新人戦本大会のチーム成績と選抜選手の人数を基にチームpointを算出した。全くの机上の推論で参考。下表(支部成績Point)参照
支部別成績Point
第一支部 2000 point
第二支部 1660 point
第三支部 2285 point
第四支部 2245 point
算出表
支部別選手身長下表(平均身長)参照
第1支部 179.9
第2支部 178.1
第3支部 180.3
第4支部 181.0
算出表
数値から推測するに、サイズ的には第4支部だがBest8以内の2チームが入る第3支部が僅かに有利か。
2024年度 支部対抗選抜大会
日時:2025年2月11日(火)
会場:日本工学院専門学校蒲田校 日本工学院アリーナ
石神井が所属する第4支部の試合を追った。
第一試合 第4支部 vs 第1支部
第4支部チーム
注目は石神井SF、Cの2名。新人戦やU-18リーグで戦ったチーム以外のメンバーと攻守に自分のプレーが発揮できるか。
初見になる豊島学院、都立文京、東大附属のセンタープレーヤーのスキル。
メンバー構成
Best6実践高校ガードセット2名
Best16帝京高校ガードセット2名
Best40新宿・都豊島、立教池袋、成城ガード各1名
Best40明学東村山ガード・フォワードセット2名
Best16石神井高校のフォワード・センターセット2名
Best32豊島学院C190cm
Best40都文京C195㎝
東大付属C191㎝
第2支部チーム
注目は支部大会で旋風を起こし支部Best4に勝ち上がった都立調布南高校、都立昭和高校両チームのメンバーのプレー。
フォワード、センター陣は多くのチームから多彩な選手が選出されている。
個人スキル重視の構成か。
メンバー構成
Best40日大三高PG、SG
早実PG、SG
Best40都昭和PG、SG
青梅総合PG
Best40東大和SG
Best40調布南SG
都日野SG
Best16東大和南SF
調布北SF
都南平SF
Best40桐朋C
工学院附属C
第4支部 : 第2支部
1Q 41:10
2Q 11:29
3Q 13:27
4Q 16:8
TT 81:74
スタートは実践高校PG、SG、石神井SF、C、明学東村山SF
石神井SF、C立ち上がり、ミスが目立つ、実践ガード陣淡々とゲームメイクし外角のシュートを決めてゆく。
交代の帝京ガード陣も安定して得点を重ねてゆく。第4支部長身のセンター陣投入されるも孤立しがち。石神井センターCインサイドで確実にスコアーしてゆく。石神井SFも順応して好機でスコアーする。
第4支部チーム、同チームのガード、フォワードセットをメインに配置しセットで交代させ、試合経過によりベンチメンバーを送る。試合の流れで高身長の選手の2枚使いなど、監督の意図が明確なメンバー構成を組むがチーム連携が難しい。最終的にスコアーは開かなかったが余裕を持った勝利。
第二試合 第4支部 vs 第1支部
第1支部チーム
注目は新人戦本大会に於いて東京都Best8位に入った大崎高校のツートップPG、SG。両名共、秀でた脚力を生かした強烈なマンマーク、広い守備範囲、スリーポイントシュート。常にファイティングスピリットを全面に出しチームを鼓舞、牽引していた。
都立大崎高校、2019年以降たびたびBest16入りしている実力校。前チームからの上昇機運を昇華させBest8入り。大崎高校HPに創部初の快挙とある。
関係者の喜びぶりは想像に難くない。
メンバー構成
Best8 都大崎PG、SG
Best16東海高輪PG、SG
駒澤PG
駒場東邦PG
Best32世田谷学園SG
Best32日体荏原SG
都小山台SG
国士舘PF、C
成城学園C
國學院C
八雲各園C
第4支部:第1支部
1Q 17:19
2Q 15:14
3Q 25:13
4Q 19:21
TT 76:67
両チーム、2試合目でありセットを分解して混成セットのメンバーのタイム時間が増える。これまで第4、第2、第1支部チームに言えるがガード陣は安定しているがインサイド陣がどのチームも人材が少ない。サイズはあるがインサイドでの動きが少なく、ボールロスも多い。その為インサイドのスキルに長けている、石神井Cが目を引き、キープレーヤーになっている。
第三試合 第4支部 vs 第3支部
これまで2勝同士のチーム、事実上の決勝戦。
チーム力分析表のpointで分かるように机上の計算では第3支部2245P、第3支部2285P、とわずかに第3支部が勝っている。
第3支部
注目は東京都Best8以内の2チーム
成立学園のシューター、都立城東高校のインサイダー
成立学園の一方のスパーシューターは選出外で活躍を観ることができず残念。
都城東の183、186cmのフィジカルを前面に出すインサイドプレーヤー。
都立城東高校は、2017年度新人戦の8位以来7シーズン振りにBest8入りし東京都7位を勝ち取った。これまでの期間、Best16迄の成績はたびたび残していたが、昨年の厳しい組合せのを経て都立の雄の復活。改めてBest8の壁の高さを感じざるを得ない。
メンバー構成
Best4成立学園PG、SG
足立学園PG、C
都足立PG
Best32東京成徳高校PG、PF
Best40都荒川SG
Best40都 橘 SG
Best40東京朝鮮SG
都 東SG
安田学園PF
Best7都城東高校PF、C
都江北C
第4支部:第3支部
1Q 17:12
2Q 27:33
3Q 16:21
4Q 12:26
TT 72:92
1Q : 第4支部 17:12 第3支部
第4支部は実践SG、立教PG,明学PF、石神井PF、Cがスタート。
第3支部は城東C、PF、東京成徳SG、SF、足立学園PGがスタート。
第4支部、実践ガード陣、安定してゲームメイクしている。実践SGシュート好調得点を重ねる。インサイド石神井センターも効果的に得点する。
第3支部、城東、成徳、高身長の編成。強力だが攻守に連携を欠く。
2Q:第4支部 44 (27):(33) 45 第3支部
第4支部のスタートは帝京PG、SG、実践SG、新宿SG、豊島学院C
第3支部のスタートは成立PG、SG、安田学園SF、荒川工科SF、都江北C
お互いに様々なメンバーを繰り出し緊張もほぐれ、得点の奪い合いの様相。都江北Cフットワークのスムーズさが目を引いた。両チーム伯仲1点差の攻防。
3Q:第4支部 60 (16):(21) 66 第3支部
第4支部スタートはゲームメイク、シュート好調の実践SG、帝京のPG、SG、石神井SF,石神井C
第3支部のスタートは成立のポイントゲッターSG、東京成徳PG、SG、城東PF、足立学園C
両チームメンバーを入れ替え一点差の攻防が続く。第3支部ディフェンスの強度を上げはじめ、第4の外角のシュートのミスが出始める。
最終盤、成立のシューターにブザービータースリーポイントシュートを入れられる。第3支部ベンチ大いに盛り上がる。
4Q:第4支部 72 (12):(26) 92 第3支部
第4支部のスタートは帝京PG、SG2、明治学院SF、成城SG、豊島学院C
第3支部のスタートは東京成徳PG、SG、成立SG、城東PF、
第3支部高身長とフィジカルに強いメンバーを組む。サイズと強度を増したディフェンスに第4支部外角のシュートは入らず、逆に開始早々スリーポイントシュートを決められる。第3支部インサイドディフェンスが勢いを増しペイントエリア内のパス、ドリブルミスを誘いターンオーバーから連続2ゴール速攻決め一気に13点差。第4支部外角もインサイドも攻め手を欠く。60:73
第4支部タイムアウト、メンバー交代で勢いをかわし10点差内で推移するも、縮まらない。
残り3分20秒第3支部城東PF投入。直後スリーポイントシュート決める。続けて城東Cフィジカルを生かし強引と思えるゴール下へのステップインシュート決める。石神井C吹き飛ばされる。70:82
このプレーを機に流れが大きく第3支部へ移った。第4支部起死回生のスリーポイントシュート攻撃、焦りからかことごとく外れ、速攻を招く。勢いが急速に無くなる。第3支部多彩なメンバーがシュート、速攻で得点を重ねる。結果、点差20点まで開いた。72:92
優 勝 第3支部 3戦全勝
準優勝 第4支部 2勝1敗
第3位 第2支部 1勝2敗
第4位 第1支部 3敗
支部選抜大会には優秀なシューター、ポイントゲッターが多く選抜されていた。
各校のチーム構成は現代バスケのトレンドであるスリーポイントシュートやアイソレーションに長けたガード陣が2~3人は揃っている。その中でもモンスター級のシューター2人の出場は叶わなかった。
また、今大会では都立高校、私立高校の主なインサイドプレーヤーを見ることができた。
近来の高校選手の大型化は目を見張る。一部の私立校だけではなく公・都立高校にも及んできている。今回選出されていないが、第2支部都福生には200㎝のセンターがプレーしている。
インサイドプーヤーに限って見れば、サイズはあるがガード陣ほどのスキル備えた選手は少なかったが、規格外の身長を誇る八王子学園、国学院久我山の2チーム除き、今回選出対象外の専大附属、東海菅生、第3支部都立城東2人と第4支部都立石神井は課題はあるものの良い働きをしていた。
インサイドプレーヤーがいなくてもスーパーポイントゲッターを複数揃えて勝ち上がったチームもあるが最終的には平均的なポイントゲッターを複数揃え、サイズは無いが献身的なインサイドプレーヤーを擁するチームが勝ち上がっている。インサイドの重要性。
関東大会予選まであと2か月。
Best4、8に勝ち上がったチームでも勝ち上がりの過程で下位チームの戦術に嵌まり苦戦しながら辛勝した試合にたびたび遭遇した。
各校ストロングポイント、ウィークポイントを抱えて完成されたチームは春浅い現時点では生まれていない。
だから、石神井にも他のBest8を目指し頑張っている全てのチームにチャンスはある。
不揃いの隊列を如何に整然と揃えるか、現有勢力で隙の無い強固な隊列を如何に組むか。
各チームの事情が垣間見えた。