【AI投資の行方】MetaとMicrosoftの最新決算が示すもの

米国のテクノロジー大手であるMetaとMicrosoftが最新の決算を発表し、投資家の間でAI投資の規模と価値に対する疑問が高まっています。
Microsoftのクラウド成長に陰り、Metaは堅調な成長を記録
Microsoftは売上・利益ともに市場予測を上回ったものの、クラウド事業「Azure」の成長が期待に届かず、決算発表後の時間外取引で株価が下落しました。一方、Metaは四半期売上が前年同期比21%増の480億ドル、利益が50%増と市場予想を大きく超え、株価は5%上昇しました。
AI投資の拡大と疑問視される巨額資金投入
- Microsoft:AI事業の年間売上は約130億ドルに達し、今年はAIデータセンターに800億ドルを投資予定。
- Meta:今年の総投資額は少なくとも1,140億ドルに達し、大規模AIデータセンターの建設に注力。
AIは次世代の成長分野と見なされ、各社は莫大な資金を投入しています。2023年1月から8月にかけて、Microsoft・Meta・Google・Amazonの4社は合計1,250億ドルをAIデータセンター構築・運営に費やしました。しかし、投資家の間では、この巨額投資が本当に利益を生むのか疑問視する声が増えています。
中国の「DeepSeek」が市場を揺るがす
最近、中国のAIモデル「DeepSeek」が、OpenAIの最先端モデルに匹敵する性能を「低コスト・少量のチップ」で実現したと報じられました。この成功が、米国テック企業の従来のAI投資戦略に警鐘を鳴らしています。
さらに、AlibabaもMetaの「Llama」や「DeepSeek V3」を上回るAIモデルを発表し、技術革新のスピードが加速。これを受けて、米国の企業も新たな戦略を模索し始めています。
【今後の展開】新たな戦略の必要性
DeepSeekの「成功のために多くを必要としない」戦略が注目を集める中、シリコンバレーの企業はこれまでの巨額投資の正当性を証明するため、新たなアプローチを求められています。その動きの一例として、半導体大手AMDが「DeepSeekをAMDプロセッサー上で稼働させる方法」についてのブログ記事を発表するなど、ハードウェアとソフトウェアの最適化が今後の競争のカギとなる可能性があります。今後、AI市場の競争環境がどのように変化していくのか、引き続き注目が必要です。