投資を始めたばかりの方にとって、「高配当株」はお金を増やす近道に見えますよね。でも、私はカバードコールETFを強くおすすめします。なぜなら、高配当個別株はハードルが高く、資産形成の初期段階で挫折するリスクがあるからです。
この記事では、カバードコールETFとは何か、個別株より優れている点、そしてメリット・デメリットをわかりやすく解説します。具体的な銘柄(2865、JEPQ、FEPI、AIPI)も紹介するので、最後まで読んで投資の第一歩に役立ててください!
高配当株の落とし穴:ハードルが高い現実
日本株の高配当銘柄は、利回り3~4%程度が一般的です。たとえば、10万円を投資しても年間の配当は4,000円に留まります。10年続けても元本が2倍になるには程遠く、「これなら貯金でもいいかな」とモチベーションが下がることもあるでしょう。
実際に高配当株で成功しているのは、主に次の2つのパターンです:
- 資金力がある人: まとまった資金で株を購入し、配当を再投資して複利効果を得る。
- 10年以上の長期保有者: 時間を味方にじっくりと資産を育てた人。
しかし、これから投資を始める方や資金がまだ少ない方が同じ手法を取るのは、なかなか難しいのが現実です。2~3年頑張っても配当や資産が思うように増えず、やる気を失うケースも少なくありません。「お宝銘柄」を見つけて大きな成功を収める人もいますが、企業分析やポートフォリオ管理のスキルが必要で、簡単には再現できません。
実は、高配当株で成功している人の多くは、10年以上前から投資を始めていたり、大きな資金を運用している場合が多いのです。昔は金融商品の選択肢が限られ、個別株を自分で選ぶしかなかった時代もありました。
しかし、テクノロジーが進化して生活が便利になったように、金融商品も大きく進歩しています。その結果、AIやアルゴリズム取引を活用して自動化が進み、高度な運用が可能なカバードコールETFが生まれました。
個別株のように自分で銘柄を選び買い付ける手間が省け、手軽に高配当を目指せる時代になったのです。時間も資金も限られる現代の個人投資家にとって、この進化したETFを活用することが賢い選択だと私は考えます。
カバードコールETFとは?わかりやすく解説
カバードコールETFとは、S&P500やNasdaq100などの株式を保有しながら、「コールオプション」を売ってプレミアム(お小遣い)を得る投資信託です。簡単に言えば、株を持っているだけで定期的な収入が得られる仕組み。
ETF(上場投資信託)なので、株式と同じく証券会社で手軽に購入できます。しかも、1株1,000円台から始められるので、少額でお試し投資するのもおすすめです。

出典:Google finance
中古スマホの例でわかりやすく理解
カバードコールは、少しイメージしにくいかもしれませんね。中古スマホのやりとりを例に、わかりやすくご説明します。
中古スマホを保有している(=あなたの保有株式)
- あなたは中古スマホを1台お持ちです。
- その価値は市場によって日々変動します。
- もう使用しないため、売却を検討しています。
友達からの提案
- 友達が「1か月後に10万円で買う権利」を1,000円で欲しいと言ってきます。
- あなたは1,000円(プレミアム)を受け取ります。
1か月後の結果
価値が12万円になった場合
- 友達が権利を行使し、10万円であなたからスマホを購入します。
- あなたは1,000円(プレミアム)と売却額10万円を受け取ります。
- もし自分で市場で12万円で売れば2万円多く得られましたが、その分を逃す形になります。
(一方、友達は10万円で買ったスマホを12万円で売れば、2万円の利益を得ます。)
価値が8万円になった場合
- 友達は「購入しない」と判断します。
- あなたはスマホと1,000円を保持したままです。
ポイント
- 保険のようで投資
保険のように「手数料(プレミアム)」を受け取りますが、スマホの価値が上昇するか下降するかに左右されるのが投資の要素です。 - プレミアムは確実に得られる
購入するかしないかにかかわらず、1,000円はあなたのものです。安定した収入源になりますが、値上がり益を逃すデメリットもあります。 - 安定収入が魅力
価値が上昇しても下降しても収入が確保できるため、安心感があります。
高配当株 vs. カバードコールETF:どっちがいい?
項目 | カバードコールETF | 高配当個別株 |
---|---|---|
始めやすさ | ◎ 簡単(ETFを買うだけ) | △ 企業分析が必要 |
リスク分散 | ◎ 高い(数十~数百銘柄) | △ 低い(1社に依存) |
運用の手間 | ◎ ほぼ不要(プロが運用) | △ 決算チェックが必要 |
配当の安定性 | ○ やや不安定(市場次第) | ◎ 優良企業なら安定 |
値上がり期待 | △ 低い(上昇益が制限される) | ○ 企業次第で成長あり |
利回り | 高い(6~35%程度) | 普通(2~6%程度) |
結論: 「手間が少なく、リスクを分散できる」カバードコールETFが現代の投資に適している
カバードコールETFのメリット:個別株と比べて優れている理由
高い配当で実感が得られる
利回りは6~35%と、個別株(平均2~6%)より高水準。FEPIは約25.20%(REX Shares参照)で毎月分配金があり、10万円投資で年間2万5千円以上の成果を実感できます。さらに、市場のボラティリティが大きいとプレミアムが増加し、分配金が上昇します。
分散投資が手軽にできる
個別株では1社に依存する傾向がありますが、カバードコールETFは数十~数百銘柄に投資します。たとえば、2865(GlobalX Nasdaq 100 Covered Call ETF)はNasdaq100の100社をカバーしており、安心感があります。
手間なくプロに運用を任せられる
個別株では決算書の確認などが負担になりますが、カバードコールETFはAIやアルゴリズムを活用してプロが運用するため、購入するだけで済みます。金融の進化がもたらす便利さを実感できます。
市場が停滞しても収入を得られる
株価が動かなくても、オプションのプレミアムで収入が確保できます。個別株では市場の動きが少ないと収益が得にくい場合がありますが、カバードコールETFならその心配が軽減されます。
カバードコールETFのデメリットと活用シーン
注意したいポイント
- 株価急騰時の利益が限られる: 株価が大きく上昇しても利益はプレミアムに抑えられ、Nasdaq100が20%上がってもそれ以上は得られません。
- 下落リスクが残る: 株価が大幅に下落すると、プレミアムでは損失を補いきれない場合があります。
- 分配金の変動の可能性: 市場が安定するとプレミアムが減少し、分配金が下がることも。AIPIは現在35.50%(REX Shares参照)ですが、状況次第です。
向いている人
- 毎月の副収入を重視する人: 毎月分配型は定期的な収入を求める方に適しています。
- 安定収益を優先する人: 株価の急騰より安定性を重視する方に適した選択です(2865など)。
- 老後資金を準備したい人: 高い配当でキャッシュフローを確保し、将来の資金準備に役立ちます。
おすすめのカバードコールETF:注目の銘柄
ETF名 | 投資対象 | 利回り | 特徴 |
---|---|---|---|
2865(東証ETF) | Nasdaq100(ハイテク) | 約8% | GlobalX運営、安定性あり |
JEPQ | Nasdaq100(ハイテク) | 約9% | 毎月配当、高利回り+成長性 |
FEPI | FANG+α(大型ハイテク) | 約25.20% | 高配当重視、変動大きめ |
AIPI | AI関連+α | 約35.50% | AI関連銘柄中心 |
※利回りは2025年3月18日時点の想定値。FEPIとAIPIはREX SharesのDistribution Rate(2025年2月時点)を参照。
カバードコールETFが現代に適している3つの理由
購入だけで始められる
企業分析や決算確認が不要で、簡単に投資をスタートできます。
リスク分散による安定感
1社に依存せず、複数の銘柄に投資するため、安定性があります。
高い配当で実感が得られる
毎月や四半期ごとの分配金により、投資の成果を実感できます。
まとめ:カバードコールETFで賢く高配当生活を築く
高配当個別株は魅力的に見えますが、運用が難しく成果を実感しづらい側面があります。一方、カバードコールETFは、「始めやすさ・高い配当・リスク分散」を兼ね備えた商品です。テクノロジーの進歩により、手軽に高配当を目指せる時代になり、資金が少ない方や投資を始める方にこそ適しています。
たとえば、10万円でFEPIに投資すれば、年間2万5千円以上の分配金が期待でき、簡単に高い収益を得られます。少額から試して、投資の魅力を感じてみませんか?迷った際は、この記事を参考に一歩踏み出してください。