行政書士はやめとけって言われる20の理由。それでもあなたは受験しますか?

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行政書士はやめとけ、と言われる20の理由。あなたはそれでも挑戦しますか?

あなたはこの悲しい現実を、ご存じでしょうか。

行政書士資格は取得しても意味が無い、やめとけと一部で言われていることを……。

せっかく行政書士試験にチャレンジしようと考えても、そんなマイナス要因を突き付けられると、受験前にやる気も一気に失せてしまいますよね。

とはいえ行政書士試験は、例年多くの方が受験されているのも、また現実です。

2023年の行政書士試験では、以下の情報が出ています。

ちなみに私が行政書士試験を受験して、合格した年度です。

  • 申込者数 59,460人
  • 受験者数 46,991人

行政書士資格の取得理由としては、開業以外にもキャリアアップのために取得したなど、様々あることでしょう。

実際にこれだけの人数の方が受験されているのですが、果たして行政書士資格は本当に意味のない資格なのでしょうか。

行政書士資格は意味がない、やめとけと言われるのは、ほんの一部ではあります。

ですが不安があれば一歩、踏み出しにくいことであるのは頷けます。

今回はそんな不安を解消できるように、敢えてマイナス要因に目を向けてみました。

このマイナス要因を踏み越えても、行政書士資格を目指しますか?

このように書くと、行政書士をお勧めしていないように思われるかもしれません。

決してお勧めしていない訳ではありません。

ただ長く苦しい行政書士試験の受験勉強や、開業した後の苦労は、並大抵のものではありません。

マイナス要因を踏み越えられる気概がある位でないと、行政書士試験合格や開業は、より厳しいものになってしまうからです。

自分への戒めの意味も込めて、少々厳しい目を持って、当記事を進めていこうと思います。

以下からはあくまで一部の意見や感じ方であり、必ずしも正しいわけではないことを踏まえてお読みください。

何だかんだで受験者が多い行政書士試験

まずはちょっと参考までに。

なぜ受験者数を挙げたかと言うと、行政書士はやめとけと言われることがある割に、受験者が多いという現実を考えてみようと思ったからです。

ではさっそく、法律系資格でよく比較される資格試験の、過去5年間の受験者数の推移を見てみましょう。

この表は法律系資格の、過去5年間の受験者数の推移です。

受験者数2023年2022年2021年2020年2019年
行政書士試験46,991人47,850人47,870人41,681人39,821人
司法書士試験13,372人12,727人11,925人11,494人13,683人
宅建士試験233,276人226,048人234,714人204,250人220,797人
社会保険労務士試験42,741人40,633人37,306人34,845人38,428人
予備試験13,372人13,004人11,717人10,608人11,780人
司法試験3,928人3,082人3,424人3,703人4,466人

宅建士試験に次いで受験者数が多いのが、行政書士試験です。

この受験者数を見てみると、試験の受けやすさと難易度が、関係していそうですよね。

司法書士試験も行政書士試験と同じく誰でも受験できる試験ですが、行政書士試験と比べると、試験の難易度は格段に上がります。

私は実際に司法書士試験のテキストや過去問、記述式対策の書籍を読んだことがあるので、それを踏まえて難易度を考えてみました。

試験範囲が行政書士試験よりももっと広がり、細かい点まで問われること、記述式試験で実務さながらの申請書を作成しなくてはならないなど、試験内容も専門性が強く、難易度はかなり高いと感じます。

かなり頑張れば択一は解けないこともありません。

ですが記述は勉強したことがない未知の世界です。

司法書士試験の記述がヤバい!
腰が引ける!

司法試験は予備試験を突破、または法科大学院に通わないと受験資格がないので、ちょっと別枠ですが、誰でも受験できる予備試験も、やはり難易度のため受験者数は、少ないです。

行政書士試験は法律系資格試験の、初級的な位置づけに置かれることが多いので、受験者数が多い状態になっていると考えられますね。

行政書士試験が意味が無いと言われる割に、この受験者数の多さ。

誰でも受験できる手軽さや、試験が簡単だろうという考えもあるのでしょう。

ですが合格率は10%台です。

それでも受験する。

この魅力?は一体何なのでしょうか。

ほんの一部ですが行政書士資格は意味が無い、やめとけと言われることもあるのに、何故行政書士試験を受験するのでしょうか。

あなたは、どのように感じますか。

行政書士はやめとけって言われる20の理由

ではいよいよ、ここから行政書士試験はやめとけって言われる20の理由、考えていきましょう。

もしできたら自分の状況に当てはめて、読んでみてください。

そうすると、行政書士の資格が自分にとって意味が無いか、受験をする意味があるのか、その考えをまとめる1つの手助けになればと考えています。

あくまで一部の意見や感じ方であり、必ずしも正しいわけではないことを踏まえてお読みください。

合格しても仕事が見つからないことがある

もちろん行政書士事務所や行政書士の求人はありますが、数はそう多くありません。

また行政書士事務所以外にも、行政書士としての求人は出ています。

例えば税理士事務所や司法書士事務所、たまに弁護士事務所などや会社の法務部などです。

私が見ていた感覚だと、中でも税理士事務所の求人が多いように感じました。

ただ、お給料面で、資格保持者の割に少ないな、と個人的に感じてしまいました。

求人を求める場合、通勤距離や事務所の形態など考えると、求人数が少ないのも相まって、就職という手段は少々狭き門であるようです。

そうなると行政書士と名乗り資格を活かすには、開業という選択肢へと絞られていきます。

行政書士資格は他の士業と言われる、法律系資格よりも、開業色の強い資格です。

これは、扱える書類の数、専門性も含めて仕事内容が多岐に渡るためであると考えます。

行政書士試験に合格をして、登録・開業という道を選ぶ場合、独立開業には集客力や営業力が必要で、すぐに仕事が見つかるわけではありません。

もともと何か伝手があれば別ですが、そのような恵まれた環境にいる人の方が少ないでしょう。

私だってそんな伝手はありません。
開業した暁には、是非、伝手!ください!

そもそも行政書士に限らず、事業を始めるには皆、顧客開拓など営業、経営を地道に行っていきますよね。

行政書士という国家資格フィルターに惑わされがちですが、資格があるから仕事がもらえるなんてことは、今の時代考えられないんです。

行政書士だから仕事が無いんじゃないんです。

あくまで1事業主になるということを念頭に置いて、行政書士という資格を活用して事業を行うんだ、ということを忘れてはいけません。

資格のせいで仕事がないんじゃない。

行政書士という資格を活かしきれていない、経営力やマネジメント力が問題なのだと考えます。

事業家としての自分がどうなのか、どうなりたいのかを是非考えてみてください。

収入が不安定である

行政書士としての平均収入が高くない場合もあり、特に開業直後は収入の不安定さが問題視されることがあります。

仕事が無ければ収入は生まれません。

行政書士は書類作成業務がメインになり得るため、単発のお仕事が多いというのも、収入の不安定さに拍車をかけます。

そこで事業を安定させるには、継続案件の契約を結ぶことが必要になるでしょう。

継続案件の契約ができれば、契約内容により毎月収入が見込め、経営の見通しもしやすくなります。

そのためには自分が行政書士としてどんな方向性で仕事をしていくのか、しっかりしたビジョン、経営戦略が必要と考えます。

とはいえ継続案件の依頼を開拓することは容易ではありませんよね。

すでに他の競合と契約されている場合も多いからです。

仕事の取り合いも相まって、これが新規参入の難しさの1つであり、行政書士はやめとけと言われる理由の1つであると考えます。

行政書士の資格だけでは差別化が難しい

行政書士資格は法律系国家資格の中では比較的取得しやすいとされ、他の行政書士との差別化が難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。

行政書士の資格は先にお話ししたように、開業色の強い資格です。

全ての方が進行形で開業、運営されているか定かではありませんが、日本行政書士会連合会のWEBサイトを見ると、行政書士会登録個人会員数、合計 52,796人とありました(2025年1月現在)。

参考までに司法書士の人数は 23,059人(令和5年)となっており、行政書士登録者の人数の多さが伺えます。

当然登録者数が多いと、地域差もありますが競合が多くなり、より経営も難しいものとなっていきます。

そんな競合うごめく中で廃業をせず、行政書士として経営をしていくには、どうしたらいいのでしょうか。

この辺りは地域差も考慮に入れる必要があります。

例えば地方など、行政書士や士業が少ない地域であれば、幅広い業務を行うことも1つの方法ではないでしょうか。

町の身近な法律家さん的な役割ですね。

また都会で競合がウゴウゴしている場所では、競合との差別化や特化型にするなど、戦略が必要になるでしょう。

競合が多くて差別化が難しいとはいえ、行政書士が扱える書類は約1万以上と言われています。

逆を考えれば、扱える分野が広いため、例えば登記がメインの司法書士と比べるとビジネスチャンスは広いのではと考えられます。

自分が何をやりたいのか、どうなりたいのか、どう人の役に立ちたいのか。

差別化が難しいと言うのではなく、生き残るためには、率先して差別化を考えていく必要があるのではないでしょうか。

行政書士試験の内容が実務に直結しない部分がある

行政書士試験に合格するために勉強する内容は、実務で直接役立たないと感じることもあり、試験を受ける意味がないと言われる理由の一つになっています。

とはいえ、行政書士試験に合格しないことには、国家資格である行政書士の資格を取得することはできないので、勉強しないわけにはいきませんよね。

行政書士に登録するには、行政書士試験合格の他にもルートがあります。

  • 行政書士試験に合格する
  • 弁護士資格を持っている
  • 弁理士資格を持っている
  • 公認会計士の資格を持っている
  • 税理士の資格を持っている
  • 公務員として一定の仕事をしたことがある

当然、行政書士試験ルート以外の方は試験無しで行政書士登録できるので、私たちがやっている行政書士の試験勉強はしていません。

それでも行政書士、なれるんですね。

このことからも余計に試験が無意味に感じることもあるでしょう。

確かに行政書士試験の試験内容が、実務に直結しないとはいえ、その後の基本的な内容であることに変わりありません。

行政書士試験は暗記のみでは合格が難しく、内容を理解したうえで、自分で考える力が必要になります。

内容が実務に直結しないと言っても、自分で考える力、法的思考力と言われる部分は培われているので、あながち全てがムダというわけではなさそうです。

試験内容云々は別にして、行政書士資格を得るためには、大多数の方は資格取得のために、この勉強をしていくことになります。

行政書士試験合格は、通過点であり、ゴールではないという見方をすれば、また考えも変わるのではないでしょうか。

行政書士は競争が激しい業界である

行政書士の登録者数が多いから、という理由から競争が激しい業界であると、考えられます。

行政書士の登録者数だけ見ると、かなり人数の多い業界です。

日本行政書士会連合会のWEBサイトからは、行政書士会登録個人会員数、合計 52,796人とありました(2025年1月現在)。

そもそも行政書士になるには、行政書士試験に合格する以外にも方法はありますし、試験を受験するにしても、受験資格が無く誰でも受けられます。

また他の法律系国家資格と比べると、試験内容は言うなれば易しい部類に入るでしょう。

このように行政書士という国家資格を得るためには、色々敷居が低いというのが競争が激しい一因とも言えます。

競争が激しいということは、開業後収入を得ることがより難しくなるとも言い換えられます。

行政書士を開業しても、年会費などお金がかかるだけで稼げない、だからやめとけという理由も一理あるでしょう。

ですが何でもある今の世の中、競争はどこでも行われていますよね。

行政書士は誰でも受けられるから、有資格者の人数も多く、開業の競争が激しい。

そして競合が多いから安定した収入も得にくい。

確かにこのような流れも1つ考えられます。

でもそれは他の職種などでも同じだと思いませんか。

ラーメン屋さんでも、動画の編集者でも、今読んでいただいている、ブログでも。

競合は多いし激戦です。

行政書士だから出来ない、ダメというのは、ちょっと取って付けたようで、もうちょっと捻って考えてもいいのかな、と思っています。

現在私は仕事でWEBやDTPなど広告関連の仕事をしています。

仕事の中で競合他社と競うには、と常々考えて仕事をしています。

ね?どこにでも、同じ悩みがあるでしょう?

AIなどIT技術の発展による業務範囲の縮小

IT分野の進化に伴う懸念は、とても大きいのではないでしょうか。

電子申請やAIの普及により、行政書士が行っていた一部の業務が自動化され、業務範囲が縮小する懸念があります。

これらの進歩により、パソコンを持っていたら、行政書士にわざわざお金を掛けず、自分で申請してしまおうと考える人も増えてくることも考えられますよね。

そうなると当然、行政書士としての仕事がどんどん減っていきそうなのですが……。

ですが複雑で手間のかかる申請であれば、専門家にお願いした方が早いし、安心だという流れはあるのではないでしょうか。

また行政書士は書類を作成するだけが仕事ではありませんよね。

書類作成以外の付加価値があれば、この人にお願いしたい、というニーズも出てくるはずです。

さらにAIに関してですが、実際に行政書士として働いている実務家の方が、申請書の作成にAIを活用する、という話を聞いたことがあります。

AIに仕事を取って変わられる。

こちらも確かにそういう部分もあるかもしれません。

ですがAIを使うのは人間です。

そして人間はAIやITではカバーできないサービスを提供することができますよね。

行政書士の仕事が代書屋、書類を作成するだけと考えると、今後本当に行政書士は意味ないと言われることが多くなるでしょう。

AIなどのITが進歩する中、より一層自分の強みを活かせる経営方針を打ち立てる必要があるのではないでしょうか。

それが差別化となり、荒波を泳いでいけるようになるかもしれません。

資格取得後にさらに努力が必要

行政書士の資格を取っただけでは実際に成功することは難しく、その後の営業活動やスキル向上が求められるため、手間や労力を考えて意味がないと感じる人もいます。

ですがこれは行政書士に限ったことではありませんよね。

あえて行政書士に限って考えてみると、開業をするにあたり、確実に以下の努力が必要になります。

  • 実務の勉強
  • 経営やマネジメントなど運営スキルの勉強

行政書士を開業して事務所を運営していくには、最低限上記の2つは必要になるでしょう。

ですがこれら2つは行政書士試験の受験勉強で触れていません。

すなわち行政書士試験に合格した後に、新たに身に付けていくべき内容になるのです。

事務所が成功するとも限らない、それなのに更に努力が必要になる。

費用対効果が悪いと感じるということですね。

確かに行政書士試験に合格するために勉強してきたことは、実務と直結しているとは言えません。

そのため、開業をしたらある意味、またゼロからスタートと言える状況になります。

ですが行政書士に限らず、独立や開業をする場合、事業を伸ばしていくためには、毎日が勉強の連続です。

新しい情報を調べたり、市場調査や競合調査をしたり、今現在ある会社や事業所も、日々何らかしらの勉強や積み上げをしています。

開業後、勉強や努力を続けることは前提条件、当たり前のことなので、それが無理ならサラリーマンでいるのが、一番安定しているのではないでしょうか。

開業資金や運営費用が負担になる

行政書士を開業する場合、行政書士の登録料や年会費、事務所の家賃や運営費など、必ずかかる出費があります。

行政書士になったとしても、それに見合う収益を得られないリスクがあるとされています。

行政書士を開業するだけならば、貯金や現在の勤務先のボーナス、融資などを利用すれば可能でしょう。

問題はそこから先の、家賃など固定費を含めた運営費です。

貯金は使っていればいつかは無くなります。

貯金だけでは事務所を運営していくことは、できませんよね。

その費用を捻出するためには、それなりの収入が無くてはなりません。

事務所の運営資金だけでなく、自分の生活費までを稼ぐ必要があります。

できればプラスα。
貯金や遊びに使えるお金も稼ぎたい!

そこまで行政書士で稼げるのか、という不安や疑問が残るため、行政書士はやめとけと言われる一因になっています。

対策の1つとしては、可能であれば事務所運営が安定するまで、兼業という方法もあります。

今の仕事をメインで行政書士を副業的に運営する、またはバイトをしながら事務所を運営するなどです。

とはいえ、お金を自分の力だけで稼ぐというのは、並大抵の努力では実らないので、兼業での運営も苦労することは否めません。

このように行政書士を開業しても、事務所が維持できないという不安は常につきまとう問題であることは間違いありません。

他資格との競争が厳しい

行政書士が抱える仕事範囲は、行政書士の独占業務ばかりという分けではありません。

行政書士が提供するサービスの一部は司法書士や税理士などと競合し、行政書士の必要性が薄れる場面もあります。

逆に忙しい司法書士や税理士、弁護士事務所などは、書類作成を行政書士と提携して行う場合もあります。

他の職域を犯すことはできないので、競合とは、同じ行政書士だけではないということを念頭におく必要があります。

仕事内容によっては専門職の強い司法書士や税理士の方が、顧客からしたら安心感があるというのも理由の1つです。

難しいですが、他資格に仕事を奪われてしまうのか、共存していけるのか、はたまた被りにくい業務を行っていくのか。

自分が行政書士を開業する際に、しっかり決めておく必要があります。

行政書士試験の合格がゴールになりがち

行政書士試験に合格したら、満足してしまう。

行政書士を目指す過程で、合格が目的化してしまい、合格後の具体的な計画を立てていない場合、意味がなかったと感じることがあるのではないでしょうか。

せっかく行政書士試験に合格したのに、資格を活かさず、宝の持ち腐れにしてしまうことが多いということです。

行政書士試験に合格をしても、例年新規行政書士に登録する人数は2,500人程です。

総務省HP-行政書士の登録状況(令和4年度)より

この行政書士新規登録者も、その年の行政書士試験合格者が登録した数ではありません。

前年度以前に行政書士試験に合格した方も含まれています。

5,000人近い人が行政書士試験に合格しているので、そこから考えるとほとんどの方が登録をしていない状況にあります。

行政書士に登録や開業するにも、お金や準備が必要になりますし、現在の仕事や開業後の生活についても考えることが多くあります。

私もそうですが、そのように色々考えていると、開業ができずに日々過ぎていく人も多いのではないでしょうか。

長い受験期間の末に行政書士試験に合格して、気が抜けるというのも一因でしょう。

行政書士に合格しただけで、登録しないと、行政書士と名乗ることもできませんので、結果として合格しただけで意味が無いと言われる一因になっていると考えます。

行政書士に合格した後にどうするのか。

行政書士が意味がないと言われないためには、その後の計画がとても重要になります。

行政書士の認知度が低い

一般の人々にとって行政書士の役割があまり知られていないため、資格の価値を実感しづらいことがあります。

実際に私も行政書士という資格を知っていても、何をする業種か知りませんでした。

私がまだうら若き頃、親が車関係で行政書士は代書屋と言っていた記憶があり、そのまま大人になった経緯もあります。

法律の国家資格なんだよ!

へ~、凄いね!

で、行政書士って何する人?

概ねこんな感じの会話が成り立つでしょう。

もしくは昔からの名残で、行政書士って代書屋でしょ?

代書なんて誰でもできるじゃん。

悲しいかな、そう思われている場合だって考えられます。

認知度が低い、何をしている人か分からない。

そんな人に自分の財産や大事な仕事を任せたくないですよね。

現在は情報社会であるため、調べれば行政書士の仕事を何となくでも知ることは可能です。

マンガやドラマもありますから、昔よりは行政書士のイメージは変わってきているかもしれません。

弁護士は裁判やトラブル解決、司法書士は不動産登記、税理士は税金関係、職域が見えやすいですよね。

行政書士は?

扱える書類の数が1万以上と多いので、行政書士側からすれば、やれることが多くビジネスチャンスかもしれませんが、外からみたら、ボンヤリしすぎです。

何をやっているかサッパリですよね。

このボンヤリさ加減も相まって、行政書士やるなら、司法書士にしたら?とか言われてしまう悲しさがあることは否めません。

特定の分野に偏ると依頼が限定的になる

レッドオーシャンに飛び込むと、競合が多くて仕事がない?!

例えば、車庫証明や建設業許可など特定の業務にだけ依存すると、依頼の幅が狭くなり、稼ぎにくいと感じられることがあります。

すでにこの辺りは先輩方が独占していたりして、仕事を得るのが難しいと言われている所以です。

このことから行政書士は仕事が無い、だから食えない資格でやめとけと言われているのでしょう。

車庫証明や建設業許可は仕事の数も多いので、扱う行政書士も多いという傾向にもなっています。

ですが行政書士の仕事はその分野だけなのでしょうか。

レッドオーシャンに飛び込めば、ノウハウも沢山あり仕事はしやすいかもしれません。

ここで競合との差別化が重要になる難しい所です。

地域性にもよると思いますが、特定の分野に絞ることは決して悪手ではないと考えます。

その分野で何か突出できれば、その地域のマーケットをひっくり返すこともできるのではないでしょうか。

資格自体では信用が確立しない

資格を持っているだけでは、顧客からの信頼を得るのが難しく、営業力や実績が重視される点が課題です。

誰だって、ピヨピヨの新人よりも、やり手のベテランに仕事をお願いしたいと感じるのは人の常です。

行政書士って何やっている人かわかんないし?

まして行政書士という資格自体が世間一般には、何をする人かボンヤリしているので、資格だけで信用を得るのは、やはり難しいと考えます。

何してる人か分からないのに、信用できますか?ということですね。

例えば行政書士のピヨピヨの新人と弁護士のピヨピヨの新人だと、どちらが一般的に信用度が強いでしょうか。

この資格という冠に頼ることができないために、行政書士はやめとけと言われる要因でもあります。

開業がメインの資格である

行政書士として高収入を目指すには独立が前提になるケースが多く、会社員のような安定収入を期待しにくいと感じる人もいます。

事務所に入る、会社の法務部に勤める、というケースもあるでしょうが、給料という扱いになった場合、思っていたよりも収入が少ない場合も考えられます。

そもそも行政書士として事務所や法務部に雇われるのも、求人数が少ないと感じています。

事務所に入ることもできなく、収入を多く得たいと考えたならば、開業の道が候補に上がりますが、開業をしたからといってすぐに収入を得られるわけではありません。

ましてや、夢のような年収を得るためには、恐ろしいほどの努力が必要になるでしょう。

ほんの一握りですが行政書士を開業して、年収1,000万以上の行政書士もいらっしゃいますが、全員が成功する分けではありません。

事務所や会社に行政書士として就職しても、安定しているけどお給料が安い。

行政書士として稼ぐならば、やはり開業という道に繋がっていきます。

でも開業してもうまく稼げない。

このサイクルが行政書士はやめとけと言われる理由の1つになります。

高齢化する顧客層への依存

行政書士の業務は一部の分野で高齢者向けのサービスに依存しており、長期的な需要に不安を感じる場合があります。

近年は相続問題や成年後見制度への進出が見られます。

行政書士を開業して、事業を安定させるには、継続的な案件の業務契約をすることがおすすめです。

ですが需要の多い相続や成年後見などでは、比較的年齢層の高いお客様や個人のお客様が対象になるケースが多いため、長期的な継続したお仕事とは、少々言い難い部分も出てきます。

事業をどのように展開していくのか、お客様に対してどのようなサービスやお手伝いをしていくのかをしっかり計画していくことが重要です。

需要が多く新規参入しやすい分野のため、レッドオーシャンでの競争になってくるでしょう。

資格取得の費用対効果が見えにくい

行政書士として活動するには、まずは行政書士試験に合格しなければなりませんよね。

行政書士試験の受験料や教材費、勉強に費やす時間のコストや労力、そして行政書士試験の難易度。

これらに対し、得られるリターンが少ないために、行政書士はやめとけと言われる理由の1つに挙げられます。

お金や時間を費やし行政書士試験に合格して開業をしても、中々稼げないからということですね。

地域差による需要の偏り

地方では行政書士の需要が少ない地域もあり、資格を生かした活動が難しいと考えられることがあります。

それを言うと裏を返せば、都市部では需要があっても競合が多くて仕事がない、とも言えますよね。

地方では行政書士の人数も少ないため、オールマイティな人材が求められるかもしれません。

逆に都市部では競合との差別が重要視されてくるでしょう。

どこで行政書士を開業するのか、マーケット選びが難しいのも、行政書士はやめとけと言われる理由の1つとなり得ます。

これは行政書士に限らず、他の業種でも言えることなので、事業戦略の重要性が浮き彫りになってくるのではないでしょうか。

事務作業が中心で地味

行政書士のメイン業務の1つは、書類作成なので、当然事務作業が多くなります。

これは昔から代書屋と言われてきた名残りも強いのではないでしょうか。

事務作業が苦手でない人ならば、こなしていける業務であると考えます。

コツコツ派の人には向いている仕事なのではないでしょうか。

とはいえ事務作業が苦手、嫌いな場合は行政書士を始めとした士業を仕事として選択するのは、少々辛いものがあります。

特に開業をしたら、外注する余裕があれば別ですが、経理関係も含めて行政書士の仕事以外の全て事務作業もこなさなければなりません。

このように重要な仕事ですが一見地味な作業が多いので、面白みに欠け行政書士はやめておけという理由の1つと考えられます。

ただ最近はこの書類作成業務の他に、コンサルタントとして活動しているケースも多いので、自分の経営方針や戦略によっては、むしろコミュニケーション能力の重要性も心に留めておく必要があります。

年収が少ない・稼げない

行政書士は年収が少なく稼げない資格だ、とよく聞きます。

そう考えると行政書士はやめとけと言われる理由がわかります。

では実際はどうなのでしょうか。

平均年収が約550万程、300万円以下も一定数おり、上は1,000万円以上の行政書士もいます。

この数字を参考に考えてみると、今の自分の稼ぎと比較して良しとするか無理とするかは、人それぞれです。

たとえ年収が今勤務している会社より下がったとしても、個人事業主として活動するなら、ありと考える方もいるでしょう。

また行政書士の年齢層は割と高いので、がむしゃらに働かず事務所運営しているケースや、副業を持ちながら活動している場合、当然年収は低い傾向にあります。

事務所の運営方針によって収入の差も出てくると考えられるので、でてきた年収の数字のみ鵜呑みにすることはでないように感じます。

そう考えると、超大金持ちになれるとは言えませんが、本人の努力や工夫、能力次第で年収は大きく変動することが考えられます。

そもそも行政書士試験が難しい

ある一定の条件を得ている人以外は、行政書士試験に合格しないと、行政書士資格を得ることはできません。

開業云々の前に行政書士試験が立ちはだかり、試験が難しいため、時間だけを費やしてしまうため、行政書士はやめとけと言われる所以でもあります。

私は2021年から受験し2023年で行政書士試験に合格しましたが、1回で合格する方もいれば、私のように複数回受験される方もいます。

行政書士試験は、働きながら受験される方が多い資格なので、時間のなさをカバーしながらで多くの苦労をされていると思います。

私自身も行政書士の受験時代に感じていましたが、試験の内容も相まって受かる気がしないという声もよく見かけます。

資格試験というのは、いい加減に受からせる訳にはいかないので、一般的に受かる気がしないと感じるものですが、やはり先が見えないというのは、心を折る原因にもなります。

勉強をするために他の時間を削ってまで、無理ゲーの行政書士を受験する意味があるのか、本当に必要なのかというのが論じられます。

司法試験や予備試験、司法書士試験のような他の法律系資格の試験内容と、行政書士試験の試験内容を実務に絡めて考えてみると、行政書士試験の試験内容は他の法律系資格よりも、実務とは少々遠い出題になっています。

そのことからも行政書士試験っていったい……と思われてしまう理由の1つなのでしょう。

また行政書士の仕事内容として、会社関係、相続関係、入管関係、福祉関係、資金関係、書類関係など様々ですが、自分が開業してやろうとしていることは、本当に行政書士の資格が必要なのか、という疑問も出てきます。

もちろん行政書士という資格があった方が、やれることがより多く信頼獲得にも繋がるため、資格が重要な要因であることは否めません。

行政書士試験の勉強をするには多少なりとも、何らかの犠牲の上に行うことになります。

自分がどうしたいのか、何をやりたいのか、まずは今一度振り返って、今後のプランを見つめ直してみるのも重要なのではないでしょうか。

今回のまとめ。行政書士はやめとけって言われるけど、一事業主として立つならどうなの?

行政書士は開業色の強い資格です。

そして世間一般では、代書屋か何んなのか、何をする人かイマイチ分かりにくい資格です。

  • 行政書士は何をする人かわかりにくい
  • 代書屋でしょ
  • 行政書士の認知度が低い
  • 行政書士の数が多く、競合が多いため仕事がない
  • 仕事が取りにくい
  • 報酬が安い
  • 廃業率が高い

このような理由から行政書士はやめとけ、資格を取っても意味が無い、という言葉が生まれてきています。

私も今回の記事を書いていて、そうだよね、と感じることは多々ありました。

ですが行政書士という肩書を得たとしても、開業をしたら一事業主であることに変わりはありません。

行政書士という資格を使ってお仕事を頂く、資格は1つの手段でしかありません。

例えば相談業務のコンサルタントを思い浮かべてみてください。

行政書士の仕事でコンサルをされる場合もあると思います。

コンサルタントと名乗っている人の中で、何か専用の資格を皆さんが持っているのでしょうか。

何も資格がないよりは国家資格である行政書士という資格の肩書は、武器の1つとなり得るのではないでしょうか。

確かに弁護士や司法書士、税理士資格と比べれば、専門色が薄いため資格としては弱く見られるのかもしれません。

ですが行政書士資格は国が認めている立派な資格です。

大昔の様にどの資格も、資格があるから稼げるという時代は、とうに過ぎています。

行政書士資格は開業のための武器の1つにすぎない。

こう考えれば資格や開業への向き合い方が、変わってくるのではないでしょうか。

資格を取る取らない、自分が将来何をして、どうなりたいのか。

それによって取るべき道が見えてくるのだと考えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。