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私の精神科医歴の中で。
夫婦間の悩みはとても多いです。
あらゆるご夫婦をみてきた
といっても過言ではないです
その中で
もちろんパワハラ 不倫 お金の問題など
本当に100人100色の悩みがありますが
では仲良しだったら
それが一番かというと
そうでもないっていうのが結論なので
その話をします
精神科診療の中で
仲良し夫婦が陥る問題の中で
一番困るのが
夫婦の共依存です
仲良しと
共依存は
ちょっと違います
共依存ってもたれ合っている関係といいますか
たとえばですけど
大学生の時代に恋に陥り
夫(妻)しか経験がなく
夫(妻)に欠点があっても見えず
盲信しているので本当に仲良し
批判精神ゼロ
たとえばそんな場合です
だからって皆がそうとは言いません
たとえば、ってことです
そんなご夫婦にも危機が訪れます
夫が突然、病に倒れて亡くなったとしたら
妻はもう
立ち上がれません
長い長い
苦しく辛いうつ状態に陥ります
本当に辛いだろうなと思います
また
ずっと夫に依存したいた専業主婦の女性が
老いてから自分で何かするという意欲がわかず
あれよあれよと認知症になる
ってケースも多いです
老いてから、の年齢ですが
70才前半くらいから兆候が出ます
夫運が悪く
苦労して苦労して
自立の道(精神的にも経済的にも)を模索してきた方は
強いです
やっぱり
ひとりの人間として
自立しているって
本当に本当に大事です
自立って大事です
今日、突然、こんなお電話がありました
仲良くしていただいていたご夫婦の長男さんからです
Yさんといいます
Yさんご夫婦は本当に本当に仲良しでした
Y奥さんは看護師さんで
しっかり者である上に面倒見が良くて優しく
夫を心から慕っていました
私はその雰囲気が良くて
何回もお宅にお邪魔していました
けれども年齢を重ね
やがて夫が亡くなり
もう
こんな夫婦関係の末路は決まっていると思えるくらいですが
Y奥さんは「うつ」になり
同時に年相応の認知症から病気の認知症になり
困った息子さんからお電話で相談を受けたんです
あそこまで仲良しだったら
これは辛いわ
私にもわかります
いい思いをたくさんした分
後で辛い目にあうのかなって思うくらい
つらいです
一心同体ってやつですよね
でもね
嫌わられるのを覚悟でいいます
夫婦一心同体
これっていいですか
もとは他人ですよ
別々の個体です
結婚した途端に
一心同体なんて不自然ではないですか
私は精神科医としてではなく
友達としてつきあっている分には
微笑ましいと思って見ているんですけど
精神科医的には
夫婦は他人
自立した精神であることの重さや大切さを
声を大にしていいたい
精神の自立とは何か
喧嘩をすることか
離れて寝ることか(笑)
そんなことはないですよね
などについては折を見て書きますね
最後まで読んでいただいてありがとうございました