地方を活性化させた田中角栄元総理の桁外れの凄さ
石破総理は、何かにつけ古き良き時代であった昭和のノスタルジーを持ち出す方なのです。
その石破総理が一番のお手本とするのが、田中角栄元総理の日本列島改造論なのです。
巨大都市から地方にネットワークを逆流して地方に富をもたらすと宣言して、本当に地方を活性化させ、地方の創生を実現してしまったのが田中角栄という人物なのです。
これこそは、田中角栄元総理でなければ出来ないという離れ業です。
そうした中で、地方創生の音頭取りで田中角栄元総理の日本列島改造論にあやかって多額の国家予算を投下して令和版の日本列島改造を実行するなどと大見得を切った石破総理でしたが、掛け声とは裏腹に期待した成果は見え辛いのです。
それにしても、今の地方創生は、何故実態が見えてこないのでしょうか。
誰が見ても成果が一目瞭然であった田中角栄元総理の日本列島改造論と全く成果が見えない現在の地方創生の摩訶不思議。
ということで、今日は田中角栄元総理の日本列島改造論を雑学タッチで紐解き、現代の地方創生との違いを簡単判りやすく解説してまいります。
田中角栄元総理は税金の使い方の大天才
勿論、当時と今では、時代のバックグラウンドはまるで違うので安易な比較はナンセンスなのですが、何故ここまでのことが出来てしまったのかを知っておくことはとても有意義なことなのです。
しかしながら、石破総理には大変失礼なのですが、田中角栄元総理という人物は、今の政治家とはまるで違う桁外れの決断力を持った人なのです。
石破総理の提唱する令和の日本列島改造は、田中角栄元総理の日本列島改造論を模したものですが、決定的な違いは、公共事業対策と人口増加対策の違いなのです。
田中角栄の日本列島改造は、大規模で大胆な大型プロジェクトの公共事業を展開することで地方を豊かにし、日本列島の改造を実行したものなのです。
これによって、新幹線などが新たに整備されて、多くの高速道路や巨大な橋が作られたことで、地方への工場の進出などが進み相乗効果として大規模な地方への雇用も生み出されたのでした。
要するに田中角栄元総理の日本列島改造論は、公共事業を中心としたもので、これによって、国民の生活自体も大きく底上げされた日本屈伸のインフラ整備の大プロジェクトなわけなのです。
これでお判りの通り、田中角栄元総理の日本列島改造論は、大胆な公共事業の推進で地方に富をもたらせて、地方の近代化も果たしたものなので、誰が見ても成果は一目瞭然だったわけです。
何と言っても、地方を活性化させると大号令をかけて、これだけの大事業が一気に実現出来てしまったことは田中角栄の発想でなければ出来なかったことです。
その田中角栄の凄さは、決断力と実行力の早さ、そしてお金の使い方の上手さにあるのです。
丸投げでは成果はまるで見えてこない
しかし現代版の地方創生の日本列島改造の方は、人を増やしていくことを主題として街を甦らせるという地味なプロジェクト、派手な公共事業をやらない事業ということなので形が見えないというわけなのです。
何故、公共事業で地方を活性化させないのか、それはもう既に道路も橋も作り上げてしまい、インフラ整備は完了しているからです。
加えて、その後の地方のコンパクトシティ化の大失敗によって街を空洞化させたことで、地方では公共事業の手法はもはや無駄な経済活動の典型となってしまったのでした。
ということで、地方創生の現代版、令和の日本列島改造は、金の使い道を地方に任せてばら撒きに変えてしまったことで、何をやっているのかが皆目見えてこないというわけです。
オイルショックで計画が終焉
田中角栄元総理の日本列島改造論での公共事業での地域振興は、日本全国のインフラを大規模に変革するもので、これによって間違いなく地方の人たちを潤したのです。
その熱気ぶりは今とは大違い、我が町、我が村に新幹線を招致する為に、目白の田中邸には連日、なりふり構わずの招致を懇願する地方の自治体関係者が押しかけてごった返したのでした。
しかし、オイルショックの断末魔によって計画が頓挫して行ったのです。
いくら高度成長の世の中であっても、日本の実態は資源なき国家なので、石油をストップされたら公共事業は停止せざるを得なくなる。
その後は、ロッキードによって政治生命のとどめを刺されてしまったのです。
それこそ、オイルショックとロッキードが無かったら、この時代に北海道にも新幹線が通っていたかも知れないのです。
田中角栄の政治はなりふり構わずで先を見通せる力がなかったという持論を展開する向きもありますが、それは勝手な結果論、オイルショックなど誰も見抜けなかったし、その後のグローバル化もバブルの崩壊もそうなのです。
田中角栄の大胆不敵な政治力はインテリ衆にはない発想なので、今のトランプ大統領と被るのです。
こんな政治家はもう二度と現れないことでしょうね。
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