プレイステーション5のマーケット事情を見てると、総体的にゲームソフトが弱いなと感じる。
結局、大手ソフトメーカーのゲームがプレステ4版と同時発売なら、4でイイやって感じになる。流れ的には旧作のリメイクが流行ってるんだけど、リメイクは所詮リメイクでしかなく、キラーソフトには為り得ない。キラーソフトと言うのは、そのゲームをやりたいが為に本体を同時購入させてしまうほどのパワーを持った作品の事で、こう言った作品がプレステ5には無い様な気がするのである。
2024年11月14日に「ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・」のリメイクが発売された。
ネットのファミ通・COMの集計によると、現時点で任天堂Switch版が64万本、プレステ5版が18万本。機種として圧倒的な差を付けられてるプレステ5だが、この数字はプレステ的には大健闘の数字で、これまでを見てると、プレステのゲームソフトは総じて売り上げの伸びが悪い。
何故、プレステのソフトは売り上げが伸びないのか?
自分なりに考察してみると、新機種を購入するライト・ユーザーが居ないからだろうと思う。
プレステのゲームは難し過ぎると言うイメージが定着し、ゲームに対する愛着心が無い人は手を出し辛い傾向がある。それに比べると任天堂はゲーム作りと人気取りが上手で、売り上げを伸ばすゲームの殆どが<マリオ関連>で、ファミコン世代のゲーマー達の期待を裏切らない。
それは例えば、プレステにもマリオの様な強烈な個性と人気を取れるキャラが居ればイイのか?ではなく、もっと重要なのは<ゲーム性>と言う要素で、システム、操作感、繰り返し遊びたいと思わせる中毒性、買って損はしないと思わせる信頼感と安心感なんだと思う。
正直な所、ドラクエ3リメイクが、プレステにとって一つの起点になると私は予測した。つまり、新規のファン獲得よりもファミコン世代のオールドゲーマー達が、ここぞとばかり本体と同時購入するほどのキラーソフトに成り得るのではないかと。
ファミコンを知らない若い世代は信じられないかもしれないけど、今に至るまで、どれだけの新機種が出てもファミコンソフトの売り上げには届かないのである。100万本、200万本は当たり前の様な景気の良かった時代であり、いかに最高峰のゲーム機・プレステ5でも、この売上本数に到達するのは不可能なのではないか?とさえ思う。
で、ドラクエ3リメイクの評判はどうなのか?
Amazonのコメント欄を覗いてみると、やはりと言うかオールドゲーマーの書き込みが多い。実の所、若い世代は手を出してなくて、ファミコン世代のオジサン、オバサン達が期待を込めて買ったのではないかと思う。
それで言えば、私自身もドンピシャのファミコン世代であり、当然ながらファミコン版のドラクエ3に嵌まった。オールドファンがドラクエ3リメイクに込めた期待とは何だったのか?と言うと、幼かった頃に体験したドキドキ感、ワクワク感を与えてくれと言う願いだった。気持ちは判るが、それは無理と言うモノだろう。何故ならば、我々は歳を取り、考え方や感性も少年時代とは全く変わってしまったからだ。
自分自身、歳を取ってみて感じてる事は、あらゆる事に<偏屈>になってきている事で、ああじゃなきゃいけない、こうじゃなきゃいけないと言った<拘り>が強くなってきている。
まだ青年だった頃、世間の中年のオジサン達の偏屈と拘りを傍から聞いててウザいなと感じた事もあったが、いざ自分達が歳を取ってみれば、あの頃の中年達と同じ事をしている訳だ。それが悪い事なのではなく、自然現象なのだろうと私は思っている。その自然現象とは、それなりに世間と人を見て来た訳だし、揉まれもした。そう言った経験の集大成が今なのだろうと素直に受け入れられる。
当然、ゲームに対する意識と考え方も変わって当たり前なのである。