【童子堂】基本情報
華台山 童子堂
■住所:埼玉県秩父市寺尾3600
■駐車場:あり
■電話:0494-23-9989
【御朱印受付 基本情報】
■受付時間:8:00~17:00
※11月~2月は16:00まで
※12:00~12:30は昼休憩
■定休日:なし
■御朱印料:500円
※2巡目以降は200円



さまざまな変遷を経て現在に至る寺院。正式には永福寺という。平安時代の大同2年(807)、淳和天皇の弟である伊予親王の菩提を弔うため、遍照僧正が領主に堂宇を建てさせたのが始まりとされる。この頃は蒔田村(現在の秩父市蒔田)の清水谷の山奥に堂宇があったという。延喜年間(901~922)に子どもたちの間で天然痘が蔓延した際、堂宇を里に近い土地へと移転。観世音に平癒を祈願したところ、天然痘の猛威が治まったため、堂宇が童子堂と呼ばれるようになった。その後、一時衰退するが、江戸時代の元禄14年(1701)になって栄福寺(現在の永福寺)の住職の弟である鏡栄が願主となって府坂峠に再建。明治43年(1910)に現在地へ移された。四注屋根の観音堂は3間(5.5m)四面。本尊は聖観世音菩薩で、弘法大師の作といわれている。
Kとの秩父札所巡りで24番目に訪れたお寺。
秩父市街から向かう場合は、埼玉県道208号 秩父停車場秩父公園線から埼玉県道72号 秩父荒川線に入って北上。途中、お地蔵さまが鎮座している角を曲がった先に「童子堂」がある。
21番札所「観音寺」からの場合はお寺の前を走る埼玉県道72号をそのまま南下すれば、歩いて20分ほど、車だと数分でたどり着ける。
仁王門に鎮座するユニークな「童子仁王」
「童子堂」は広い境内を囲う塀や垣根がなく、開放感がたっぷり。というか、境内に仁王門や観音堂、納経所も兼ねた本堂が点在している感じで、これまでに訪れた札所とはちょっと違う不思議な雰囲気があった。
入母屋造りの仁王門は茅葺きで、古めかしくも堂々とした姿が歴史を感じさせる。ただ、長年にわたって風雨にさらされてきたため、ワタシたちが訪れたときは大改修を発願し、浄財を募っている真っ最中。これには札所の維持が大変なことを実感させられた。
色彩豊かな彫刻に目を奪われる観音堂の「童子堂」
仁王門をくぐると観音堂の「童子堂」や納経所へ続く参道がある。
こちらの参道は左右が垣根で区切られているのが目印。仁王門から観音堂にかけて右手に広いスペースがあり、こちらも駐車場になっているようだ。
3間(5.5m)四面の観音堂はこぢんまりとしているうえ、周りが広々としていることもあって、のどかな景色の中にポツンと立っているような印象を受ける。
しかし、観音堂の存在感は抜群。周囲に勾欄のついた廻縁のある観音堂は江戸時代中期に建てられたといわれており、見事な彩色彫刻が施されている。
特に、内陣・外陣と向拝の間にある桟唐戸に彫られた風神や雷神、唐人や迦稜頻迦に注目。頭が美女、体が鳥の迦稜頻迦は極楽浄土にいて、仏の妙音を奏でるという言い伝えがある霊獣だ。
観音堂の左側には、秩父札所の見どころのひとつでもある「観音霊験記」の扁額が掲げられている。
昔、讃岐の国に強欲な農家の主がいて、施しを求めた旅僧の願いを拒絶。旅僧は米を買い、これを器に入れて犬を呼んだところ、農家の子どもが現れて犬の姿に変わり、米を食べはじめたという。
農家の主は己の行為を反省して旅僧に許しを乞うものの、旅僧は「童子堂」で祈るように言い残し、そのまま去ってしまう。犬になってしまった子どもを残された両親は、この子を連れて東西各地の霊場を巡り、ようやくたどり着いた「童子堂」で祈念したところ、子どもがやっともとの姿に戻ったという縁起が残っている。
人々を救ってきたお地蔵さまを祀る地蔵塚
観音堂でお参りをしたあとは、境内散策の前に納経所で御朱印をいただく。
納経所は「童子堂」を管理する「永福寺」の本堂の中にあるのだが、建物が新しくて気の小さいワタシは入るのにちょっと躊躇してしまった。
御朱印をいただいたのち、境内に点在する社や石仏などを見て回る。中でも目を引いたのが、大きな石を組み上げて造られている地蔵塚だ。
この塚は首や手などが取れてしまったお地蔵さまを供養するためのもので、中には朽ちたお地蔵さまが安置されているのだとか。
石仏については、駐車場近くの石仏以外は比較的新しいものが多い印象だ。
「童子堂」は上空からの写真で見ると木立に囲まれているものの、実際に境内へ足を踏み入れるとそんな印象をまったく受けず、むしろ空が広く感じられる。
ちなみに、参拝してから御朱印をいただき、境内を散策してもかかる時間は30分ほど。車で5分くらいのところに「童子堂」跡があるそうなので、余裕があったら回ってみてもいいかもしれない。
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(お出かけ日:2025年2月19日)
※施設情報は2025年3月時点のものです。