- 病院や調剤薬局だと給料が低くてもう少し給料を上げたい…..
- 今の職場をやめたいけど、どこに転職すればいいのかわからない
- 結婚や出産予定だから今より働きやすい環境で働きたい!!
薬剤師転職は異なる業界への転職が多いため、仕事内容や労働環境も違う場合が多いです。実際に転職先として自分に合っているのか、希望が叶えられるのか不安を感じるケースが非常に多いです。私は現役ドラッグストアの管理薬剤師であり、転職で年収を150万円も上げることができました。ワークライフバランスも良く、こうしてブログ活動もできています。この記事ではドラッグストア業界への転職をオススメする理由、仕事内容や環境についてまとめて解説していきます。この記事を読めばドラッグストア薬剤師の仕事内容や環境がわかり、自分の希望を叶えられる場所かどうかの判断ができるようになります。
なぜドラッグストアが良いのか

ドラッグストアをおすすめしている理由は今後の成長が期待できる業界だからです。理由は大きく5つあります。
- 国のニーズに近いから
- ヘルスケア産業に変わっていくから
- 利便性が高くニーズがあるから
- 市場規模が拡大しているから
- 会社として収益が安定しているから
国のニーズに近いから
今までの主流は門前薬局でしたが、近年は利用しやすい住宅街や駅の近くなど面対応薬局が主流になってきています。診療報酬改定からも読み取れるように在宅やかかりつけなど様々な取り組みをしていない門前薬局は今後規模の縮小が考えられます。門前薬局よりも地域に根差したドラッグストアの存在がより重要となってきます。
ヘルスケア産業に変わっていくから
今はすでに人生100年時代と言われています。急速な高齢化社会の到来に伴い、健康寿命を延ばす健康志向になってきています。医療経済は治療産業から『未病・予防』といったヘルスケア産業へ時代が移り変わり、セルフメディケーションの意識も高まっています。
利便性が高くニーズがあるから
セルフケア商品が数多くあることに加えて、1か所で買い物ができるワンストアショッピング機能が充実しているため利便性が高いといえます。「買い物ついでに処方箋出しておこう!」現代のパフォーマンス重視世代にとって、時間の使い方ひとつ取ってもニーズが高いです。
市場規模が右肩上がりに成長しているから
ドラッグストアの市場規模はどんどん拡大しています。
参考資料:日本チェーンドラッグストア協会
参考資料:日本チェーンドラッグストア協会
上記のようにドラッグストア業界は店舗数も総売上高も右肩上がりに成長しています。
会社として収益が安定しているから
ドラッグストアは調剤薬局と比べて収入源となる柱が多いのが特徴です。ドラッグストアの事業カテゴリーは調剤、医薬品、化粧品、日用雑貨、食品などに分類されており、各分野で利益を生み出しています。調剤には時間がかかるため、薬ができる間に売り場を歩いたり、近くの医療機関の診察時間まで時間があるから立ち寄ってみたり、調剤薬局に比べて客単価が高いのが特徴といえます。診療報酬改に依存せず、収益に結び付く部門が多いことから会社全体として売上も高く、収益も安定しているといえます。
ドラッグストアと薬局・病院の違い

病院薬剤師、調剤薬局薬剤師、ドラッグストア薬剤師は業界によっての業務内容や求められるスキルは異なってきます。
業務内容
薬局では処方薬を通じて地域住民の健康の一端を担うことも大事な使命です。処方薬に限らず患者の健康相談やOTC薬品の提案を行うこともあります。在宅医療で終末期にも携わり、患者の生活に寄り添った支援をしています。
病院では、注射や混注、治験、院内製剤など病院ならではの業務が挙げられます。そのため取り扱う薬剤の種類も病院の方が多いのが特徴です。他職種とコミュニケーション取り、チーム医療の一員としてカンファレンスなどに参加することもあります。
患者さんと関わる期間
病院と薬局では一人の患者さんと関わる期間の長さが異なってきます。病院は入院期間中など限定的ですが、薬局の場合は期間が限定されていないため長期的な関係を築けるようになります。ドラッグストアにおいては日常の買い物でも関係作りができます。病院ではみえにくい退院後の体調など、長期的に関われるためやりがいを感じるポイントです。
薬剤師に求められるスキル
調剤業務や服薬指導は共通した薬剤師必須の業務&スキルとなります。
病院薬剤師は医師や看護師、コメディカルなど多職種連携するチーム医療のメンバーです。他職種とのコミュニケーション能力や薬剤師として意見を述べられる豊富な専門知識が必要になってきます。
薬局の薬剤師は患者さんに不快感を与えないような接客スキルが必要となってきます。薬局やドラッグストアは地域の患者さんに選んでもらうサービス業であるためです。そのコミュニケーション能力を通じて、体調変化への気付きや、服用薬の相談などカウンセリング力が必要になってきます。
ドラッグストア薬剤師の給料は他よりも高い!

薬剤師の主要な就職先としてドラッグストア、調剤薬局、病院が挙げられますが、一般的には病院薬剤師の年収は低いと言われています。勤務先ごとの平均年収は下記に表を示しています。
ドラッグストア | 調剤薬局 | 病院 | |||
---|---|---|---|---|---|
薬剤師 | 勤務500万~600万 | 薬剤師 | 勤務450万~ 550万 | 薬剤師 | 勤務400万~500万 |
薬剤師 | 管理550万~700万 | 薬剤師 | 管理550万~ 650万 | 主任 | 500万~600万 |
マネージャー エリア | 650万~1000万 | マネージャー エリア | 600万~ 800万 | 部長 | 600万~700万 |
ドラッグストア | 調剤薬局 | 病院 | |||
---|---|---|---|---|---|
勤務薬剤師 | 500万~600万 | 勤務薬剤師 | 450万~550万 | 勤務薬剤師 | 400万~500万 |
管理薬剤師 | 550万~700万 | 管理薬剤師 | 550万~650万 | 主任 | 500万~600万 |
マネージャー | エリア650万~1000万 | マネージャー | エリア600万~800万 | 部長 | 600万~700万 |
ドラッグストアは店舗展開を拡大しているため慢性的に人手不足になっています。収入源も多く会社としての売上高は安定しています。会社の規模や人手不足の影響もあり、他の業界よりも高い給与水準で薬剤師採用が行われている背景があります。
また、ドラッグストアは管理薬剤師やエリアマネージャーで終わらず、ゾーンマネージャーや課長、部長とさらに上を目指すこともできるのが魅力的な一面です。
ドラッグストア薬剤師の労働環境

ドラッグストアの薬剤師は仕事内容も大変で休みが取れないと不安な声は良く耳にします。実際に私が働いている店舗の1日の流れをみてみましょう!
早番スケジュール |
出勤 8:45 開店準備、朝礼 |
開店 9:00 調剤業務、納品、発注 OTC販売、服薬指導 薬歴記載、店間移動 |
13:00 昼休憩1時間 交代して休憩を取得 |
14:00 PM業務開始 調剤業務、納品、発注 OTC販売、服薬指導 薬歴記載、店間移動 |
17:00 閉店に向けて動く 薬歴記載、発注業務 引継ぎ |
17:45 退勤 |
遅番スケジュール |
9:15 出勤 引継ぎ、調剤業務 服薬指導、店間移動 |
昼休憩1時間 13:30 交代して休憩を取得 |
14:30 PM業務開始 調剤業務、納品、発注 OTC販売、服薬指導 薬歴記載、店間移動 |
締め作業 17:30 不足薬の確認、発注業務 在庫管理、閉店準備 |
18:00 閉店 金銭確認、退店準備 |
退勤・退店 18:15 |
早番スケジュール |
8:45 出勤 開店準備、朝礼 |
開店 9:00 調剤業務、納品、発注、OTC販売 服薬指導、薬歴記載、店間移動 |
昼休憩1時間 13:00 スタッフ全員で交代して休憩を取得 |
PM業務開始 14:00 調剤業務、納品、発注、OTC販売 服薬指導、薬歴記載、店間移動 |
終わりに向けて手持ちの業務を進める 17:00 薬歴記載、発注業務、引継ぎ |
17:45 退勤 |
遅番スケジュール |
9:15 出勤 引継ぎ、調剤業務、服薬指導、店間移動 |
13:30 昼休憩1時間 スタッフ全員で交代して休憩を取得 |
14:30 PM業務開始 調剤業務、納品、発注、OTC販売 服薬指導、薬歴記載、店間移動 |
17:30 締め作業 不足薬の確認、発注業務、在庫管理 閉店準備 |
18:00 閉店 金銭確認、退店準備 |
退勤・退店 18:15 |
こちらは実際に私が勤めている店舗のスケジュールになります。店舗によって営業時間は異なるため、モデルケースの一つとして考えてください。概ねこのようなスケジュールになっています。会社によっては営業時間が長く、早番と遅番の時間も大きく異なる店舗も存在しています。
その他の労働環境もみてみましょう。
- 実働8時間が基本
- 土日休みとは限らない
- 残業時間や営業時間は店舗により異なる
- 業務内容は多岐に渡り、多くの業務に携われる
一般的な企業と比べると労働時間は1時間程度長いのが特徴的です。その分給料も高いといえます。基本は暦通りではなくシフト制勤務の会社が多いです。会社により年間休日の日数は異なってきますので事前に比べることをおすすめします。
残業時間や営業時間は店舗によって異なります。自分のワークライフバランスに合った店舗に配属されるように働きかけることが大事です。
業務内容はOTC販売や接客など多岐にわたります。病院のように注射担当、ケモ担当、DI担当のように特化しているわけではなく、全員が運営できるようなマルチタスクの現場になります。そのため少し忙しいと感じる場面もあります。
ドラッグストアで働くメリット・デメリット

ドラッグストアで働くメリット
- 給料が高い
- 休み・シフトが調整しやすい
- 面処方が多いため幅広く知識が得られる
- 調剤業務以外のスキルが身につく
- キャリアパスが豊富
- 給料が高い
病院や調剤薬局と比べて給料が高いのは大きなメリットです。同じ薬剤師という職業で生活水準が異なるのは非常に大きいです。大学病院薬剤師と比較した場合、ドラッグストアの時短勤務薬剤師の方が高収入というのが現実です。収入を重視されている方にはおすすめの勤務先です。 - 休み・シフトが調整しやすい
実はプライベートの時間を確保しやすいのが特徴的な業界です。多店舗展開をしているドラッグストアでは、ヘルプなどで近場のグループ薬局より人を動かすのが日常であるため、自分の薬局の人数をそこまで気にすることなく休みが取れるのもメリットの一つです。 - 面処方が多いため幅広く知識が得られる
ドラッグストアでは日常的に日用品の購入で利用される方も多いため、処方箋を持ってきてくれる範囲も広いのが特徴です。様々な医療機関の処方箋に日々対応しているため、幅広い分野の知識向上に繋がります。 - 調剤業務以外のスキルが身につく
ドラッグストアでは調剤業務にとどまらず、OTC接客や在庫管理、ポップ作成など店舗運営のノウハウを身に着けることができるのも特徴の一つです。薬局長などのマネジメントポジションに早くから携われるため数字をみることにも慣れることができます。 - キャリアパスが豊富
ドラッグストアでは企業としての規模が大きいため、様々な分野で薬剤師が活躍しています。現場はもちろん、人事部や教育部、マーケティングや商品部、システム部などキャリアプランは豊富です。自身の興味のある部署に飛び込めるチャンスがあるのも魅力の一つといえます。
ドラッグストアで働くデメリット
- 長時間勤務
- 業務量が多い
- 祝日出勤もある可能性
- 一人薬剤師になる可能性
- 長時間勤務
他の業界と比べると勤務時間が長いのですが、その分給料も良いのが特徴です。勤務店舗の営業時間によりワークライフバランスは異なってくるため、自分の生活リズムに合った店舗を希望をすることでより充実した生活が送ることができます。 - 業務量が多い
「業務量が多い」というと聞こえは悪いですが、あらゆる業務を行えるようになります。OTC接客や、処方箋入力、在庫管理など業務内容は多岐に渡り、自身の能力向上を実感できる場所でもあります。 - 祝日・日曜出勤の可能性もある
祝日・日曜日は休みを基本とする企業が多い中、場所によっては営業日としている場合もあります。これは所属店舗によるため一概には言えませんが、家族や友人と予定を合わせたいと感じる人にとってはデメリットといえます。反対に、クリニックや病院は閉まっていることが多いため普段より楽をできる穴場出勤日の可能性もあります。 - 一人薬剤師になる可能性
一人薬剤師は薬局長レベルにならないと訪れませんが、新店舗など処方箋枚数が少ない店舗では良くある話です。一人ですべての業務をこなす必要があり、話し相手もいないためデメリットに感じる人が多いです。誰にも左右されず一人で気楽に業務を行いたい人にとっては楽園のような場所ともいえます。
やりたいことができる?在宅や専門チームの活躍

認定資格や専門資格をもつ薬剤師はドラッグストアでも非常に重宝される存在です。専門分野に長けている人材はあらゆる場面において活躍が期待できます。企業においてのメリットとして、困ったときに現場薬剤師の窓口になれる点や、研修における知識の提供者になれるため、質の高い薬剤師育成が実現できることです。必要とされる存在であるため、企業においても専門性の高い薬剤師の育成は力を入れているポイントです。中には独立サポートをしてくれる企業もあり、新店の立ち上げや一人薬剤師の経験を積ませてくれる企業も存在します。私の会社でも糖尿病専門チームが存在しており、学会参加等、会社負担で積極的に活動中です。薬局においても認定資格は取れるものがあるため、興味のある方は挑戦していくことをオススメします。
ドラッグストアに向いている人

- 医薬品の知識の幅を広げたい、深めたい人
- 高収入が欲しい人
- コミュニケーション能力があり柔軟に対応できる人
- ワークライフバランスを重視したい人
- キャリアアップに意欲的な人
- 医薬品の知識の幅を広げたい、深めたい人
ドラッグストアでは面処方が多く、数多くの医療機関から処方箋を応需することがほとんどです。そのため色々な疾患や薬品に出会う機会があります。病院のように採用薬に縛られた処方内容ではないため毎日新しい出会いがあります。知識の幅を広げたい人や深めたい人にとっては豊富なチャンスがあるといえます。 - 高収入が欲しい人
シンプルにドラッグストアの収入は高いです。病院や調剤薬局から転職するだけで年収がUPするケースがほとんどです。収入を増やして少しでも生活を豊にしたい人にはオススメです。 - コミュニケーション能力があり柔軟に対応できる人
地域に根差したかかりつけ薬局だと長ければ数年~数十年単位で患者さんと関わってきます。いかに関係性を作れるかが重要のため日々のコミュニケーション能力は非常に大事です。また、患者さんだけでなく、ドラッグストアという狭いコミュニティにおいても人間関係が大事になってきます。 - ワークライフバランスを重視したい人
病院や薬局から転職してきた人のほとんどが転職したことに満足しています。実際に病院正社員フルタイムで働くよりもドラッグストア時短勤務のが給料が良いのが現実です。給料も時間も手に入れられるドラッグストアならばプライベートが充実するのはいうまでもありません。 - キャリアアップに意欲的な人
キャリアアップが早いのも特徴であり、新人なら2-3年目、中途採用なら1年などで薬局長に上がることが一般的です。薬局長のあとはエリアマネージャー、課長、部長などキャリアは豊富です。医療の知識向上を目指すことも大事ですが、ご自身のキャリアアップに取り組み、収入や地位を上げることもモチベーションの向上に繋がるでしょう。
どこのドラッグストアが良いの?

まずドラッグストア市場の約80%を占めているのは売上げランキング上位10社になります!この10社の中でも勤務地域、勤務形態、出世、出産、育児、時短勤務など自分に合った労働条件は人それぞれ求めるものが違います。
実際に私と妻では、求める条件が異なることから別々のドラッグストアに就職しました。私は『出世や勤務地』の条件を重視し、妻は『時短制度』の条件を比較して会社を選びました。
働く環境として、何が大事であるかは人それぞれ異なります。同様に企業によっても働く環境は違い、強みや特色も違ってきます。自分に合う企業が見つかるように条件を徹底的に比較することが大事です。
ドラッグストア薬剤師になるには

ドラッグストア薬剤師になるためには転職活動をする必要があります。人脈があれば紹介という選択肢もありますが、多くの人は個人で転職活動をすることが多いです。育児をしながらや働きながら転職活動を行うことは非常にハードです。そこでオススメなのが転職エージェントに相談することです。転職エージェントはしっかりサポートしてくれるため無理なく転職活動を行うことができます。何から始めればいいのか、次に何をしたら良いのか、どのようなことを書けばいいのか、わからないことが山程ある転職活動の不安に対して的確にアドバイスをしてくれます。ドラッグストア薬剤師になるためには転職エージェントに登録して転職活動をすることが一番楽な方法です。
まとめ
給料を上げたい!プライベートを充実させたい!と考えているならば今伸びに伸びているドラッグストア業界がおすすめです。ドラッグストア業界の中でも上位10社が全体の約80%を占めており、企業としても大きいため福利厚生などが充実しています。ドラッグストア業界に転職を検討している方は、事前に各会社の違いや自分の希望条件が叶えられる場所なのか吟味していくことが非常に大事です。転職は大きな労力を使うため、失敗しないためにもしっかり調べることが大事です。