スマートフォン(iPhoneやAndroid)は、現代人の生活に欠かせない存在となっています。
通話やメールはもちろんのこと、SNSの利用、インターネット検索、キャッシュレス決済、動画視聴、仕事のやり取りなど、多岐にわたるシーンで活躍しているのではないでしょうか。
その一方で、スマホは高額化が進み、ハイスペックモデルや最新機種では10万円を超えるものが当たり前になってきました。もし故障や盗難、あるいはうっかり紛失してしまった場合、買い替えや修理に相応の費用がかかってしまうのは避けられません。
こうしたリスクに備える方法の一つとして、「スマホ保険」への加入が注目されています。
スマホ保険は、スマホの故障、破損、水濡れ、盗難、紛失など、さまざまなトラブルに対して補償金や修理サポートを受けられるサービスです。
しかし、スマホ保険と一口に言っても、その内容や補償範囲は提供元によって異なります。
特に「盗難・紛失」に関しては保険によって対応が大きく変わるため、加入前によく確認しておくことが大切です。
本記事では、「スマホ保険で盗難・紛失が補償される具体的な条件、保険の種類別の特徴、そして注意点や実際にトラブルが発生した際の流れ」などを徹底解説します。
スマホ保険で盗難・紛失が補償される条件

まず、「盗難・紛失」にまつわる補償がどのような条件で適用されるのかを確認しましょう。
スマホ保険の多くでは、以下のような要件や条件が設けられています。
紛失したら警察への届け出
- 盗難の場合:ほぼすべての保険で、警察への被害届提出や受理番号の取得が必須となっています。
盗難に遭ったらまずは警察に連絡し、被害届を出す流れが必要です。保険金請求をする際には、被害届のコピーや受理番号の提示が求められることが多いです。 - 紛失の場合:単なる紛失(置き忘れ等)が疑われるケースでも、交番や警察署に遺失届を提出できることがあります。
ただし、紛失自体の状況をはっきりと示すことが難しい場面もあるため、保険会社によっては補償が通らない場合や、細かい条件をクリアする必要がある場合があります。
過失の有無
- 紛失については「不注意による紛失」が対象となるのが一般的で、故意に端末を捨てたり、他人に譲渡したりしたケースは除外されます。
- 盗難・強奪など、自分に明らかな落ち度がない「第三者による不法行為」に関しては、補償対象となるのが通常ですが、注意を怠ったり、端末を放置していた場合などは保険会社の判断が分かれるケースもあります。
端末の状態
- 保険に加入する際、端末が正常に動作し、外装にも大きな破損や欠損がないことが条件となっていることが多いです。
例えば、既に画面が割れている、あるいはタッチ操作に不具合があるなどの場合は加入自体を断られる、あるいは特約がつかなかったりするケースがあります。 - 保険会社によっては、加入時の動作テストや外装の写真提出などを求めるところもあるので、事前によく確認しておきましょう。
補償対象期間
- 保険加入後に発生した事故のみが補償対象となります。つまり、加入前に起きたトラブル(すでに紛失・盗難された端末や故障がある端末)は補償されません。
- 一方で、加入後に発生したトラブルであれば、原則として契約期間内であれば何度でも補償が受けられます。ただし、保険によっては年間や契約期間内での回数制限が設けられていることが多いため、この点については後述します。
具体例
- Mysuranceの「スタンダードプラン」
盗難・紛失時に端末価格の50%から自己負担額(3,000円)を差し引いた金額が支払われます。補償を受けるためには警察の受理証明書が必要となっており、警察への届け出を怠ると補償が受けられない可能性があります。
https://www.mysurance.co.jp/service/sumaho-hoken
盗難・紛失を補償する主なスマホ保険の種類

スマホ保険は、その提供元によって大きく3つのカテゴリーに分けられます。
ここでは各カテゴリーの特徴と代表的な保険を紹介します。盗難・紛失への対応状況を確認しながら、自分に合った保険を見極めましょう。
保険会社が提供するスマホ保険
特徴
- 月額200円〜という低額から加入できるものもあり、新品・中古端末、SIMフリースマホなど幅広く対象とするプランが増えています。
- 保険会社系のスマホ保険は、補償内容のカスタマイズ性が比較的高い傾向があります。たとえば、「画面割れのみのプラン」「水濡れ+破損プラン」「盗難・紛失も含むオールカバープラン」など、複数のプランが用意されていることが多いです。
代表例
- ニッセイプラス「スマホ保険」
- 月額400円の「安心プラン」で盗難・紛失を補償。年間最大10万円までの補償を受けられます。
- 自宅外での紛失や盗難にも対応している点が強みです。
- 修理不能の場合でも、対象端末の購入費用の一部を補填してもらえるため、中古端末や海外版スマホなどにも柔軟に対応が可能です。
- Mysurance「スタンダードプラン」
- 月額470円で盗難・紛失、水濡れ、落下などを含む「全トラブル」をカバー。年間最大20万円まで補償されます。
- 警察の受理証明書があれば、盗難・紛失時にも補償金を受け取ることができます。
- 年間2回まで補償を受けられるため、頻繁に端末を壊しがちな方にとって安心感があります。
- さくら少額保険「モバイル保険
」
- 月額700円で盗難・紛失を含む幅広いトラブルを補償。年間最大10万円が補償限度額となります。
- 特筆すべきは「1契約で最大3台まで補償」が可能な点。家族のスマホやタブレットなど、複数台をまとめてカバーしたい場合に重宝します。
- 海外利用に関しては補償対象外ですが、国内での利用がメインであれば十分魅力的な選択肢となるでしょう。
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を5年ほど契約しています。
やはり、3台まで「1契約で最大3台まで補償」できる点が魅力的です。
修理不能や盗難の場合も最大25,000円まで補償。残り2台の副端末は最大3万円までの修理費用、修理不能や盗難の場合も最大7,500円まで補償してくれますが、盗難・紛失に限っては少し他の保険よりは低額保証となります。
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携帯キャリアが提供する保険
特徴
- ドコモ、au、ソフトバンクといった大手携帯キャリアが提供する「端末補償サービス」です。
- 端末購入時に加入が必要で、機種変更時には解約されることが多いため、同じキャリアを長く利用する人にとっては手続きがシンプルです。
- キャリアショップや専用サポート窓口が整備されているため、修理・交換手続きのスピードが早く、代替機の手配もスムーズに行える点が大きなメリットです。
代表例
- ドコモ「smartあんしん補償」
- 水濡れ、破損、盗難などが対象で、1年に2回まで交換機を受け取れます。
- 負担金は4,400〜12,100円と機種によって変動しますが、キャリア直営のサポートが受けられる安心感があります。
- ただし、中古端末や他社で購入したSIMフリー端末などは加入できないケースがほとんどです。
- au「故障紛失サポート」
- 盗難・紛失時にも対応し、最短3時間で交換機を届ける「特急交換」を提供しているのが大きな特徴です。
- 1年間に3回まで利用が可能で、端末の発売年やスペックに応じて自己負担額が異なります。
- 旅行先などで端末を紛失した場合でも迅速にサポートを受けられるため、緊急時に強い味方になるでしょう。
- ソフトバンク「あんしん保証パックプラス」
- 盗難に遭った場合、5,500円の負担金で新品同等品との交換が可能です。
- ソフトバンクショップやオンライン窓口での手続きがスムーズな点が魅力。
- 機種変更時には自動解約になるため、機種変更のタイミングで改めて最新端末に補償をつける流れが一般的です。

端末メーカーの補償プラン
特徴
- AppleやSamsungなど、端末メーカー独自の補償サービスです。
- 製品購入時や購入後一定期間内に加入する必要があることが多く、メーカー修理が前提となるため、修理品質は高い傾向にあります。
- 盗難・紛失対応プランは一部メーカーのみで、補償範囲が限られる場合もあるため注意が必要です。
代表例
- AppleCare+ 盗難・紛失プラン
- iPhone専用のプランで、盗難・紛失を2回まで補償。自己負担額として15,800円がかかります。
- 画面修理やバッテリー交換などの軽微な修理も割安で受けられるメリットがありますが、他の保険に比べると自己負担額が高めです。
- 国内外を問わず、Apple正規のサポートが受けられる点は大きな利点です。
- Samsung「Galaxy Care」
- 盗難には非対応ですが、損傷修理を年間1回まで無料で提供してくれます。
- 盗難・紛失補償を重視したい場合は不向きですが、画面割れなどの故障リスクに備えたい方には役立つプランです。

補償されないケースと注意点

スマホ保険に加入していても、以下のようなケースは補償の対象外となることが多いので要注意です。
- 故意による損傷・紛失
- 「端末を意図的に壊した」「故意に捨てた」などの場合は補償外となります。
- また、家族や友人に譲渡した後のトラブルも対象外となることが一般的です。
- 保険加入前のトラブル
- 加入前に既に画面が割れていた、あるいはスマホを紛失していたなど、保険開始以前に起きた出来事は全て補償対象外です。
- 加入前に既に画面が割れていた、あるいはスマホを紛失していたなど、保険開始以前に起きた出来事は全て補償対象外です。
- 海外での盗難や紛失
- 海外旅行先や海外出張先でのトラブルを補償対象外としている保険も多々あります。
- 例えば、さくら少額保険の「モバイル保険」は国内利用が対象で、海外で発生した事故には対応していません。海外での補償を求める場合は、海外旅行保険やクレジットカード付帯保険などとの併用を検討しましょう。
- 端末の改造や非正規パーツの使用
- ジェイルブレイクやルート化など、正規の状態を改変したスマホは補償対象外となることがほとんどです。
- 非正規の修理店で交換したパーツを使用している場合も、保険金が下りない可能性が高まるので注意が必要です。
注意すべきポイント
- 補償回数の制限:多くの保険で年間1〜3回など回数制限が設けられています。Mysuranceのスタンダードプランでは年間2回まで、auの故障紛失サポートは年3回など、プランごとに異なるため、スマホをどの程度使用し、どれくらい紛失リスクがあるかを考慮して選ぶと良いでしょう。
恐らく、そこまで高頻度で紛失する方も少ないと思いますが… - 自己負担額の差異:保険によって自己負担額は3,000円〜15,800円と幅広く、中には全額補償してくれるものや、逆に高めの自己負担額を設定しているものも存在します。たとえばAppleCare+は盗難・紛失時に15,800円かかるなど、比較的高額な自己負担が設定されているため要注意です。
- 中古端末の条件:一部保険では中古端末でも加入可能ですが、状態が良好であることや購入経歴の証明が必要となる場合もあります。また、中古端末の場合は補償金額が新品価格よりも低めに設定される可能性があるため、加入前によく確認しましょう。
盗難・紛失に備える保険選びのポイント

スマホ保険を選ぶ際には、下記の4点を比較・検討するとスムーズです。
- 月額料金と年間総額
- 月額200円〜1,100円と幅広いプランがあります。たとえば、月額500円だとしても年間では6,000円の負担となりますので、年間トータルで見た場合のコストを比較しておくのがポイントです。
- 端末購入価格が高いほど、長期的なリスクヘッジの観点で保険を検討するメリットが大きくなります。
- 補償限度額
- 一般的には1事故あたり5万円〜20万円の範囲が多いです。ハイエンドスマホや折りたたみスマホのように10万円を超える端末を使っている場合は、上限額が高いプランを選ぶことで修理代や買い替え費用をしっかりカバーできます。
- 中古端末など、購入価格が安い場合はあまり高額な補償限度額を求めなくても良いケースもあります。
- 自己負担金
- 3,000円程度が一般的ですが、中には自己負担金が無料(ゼロ円)となるプランも存在します。一方、AppleCare+のように1万円を超える自己負担金が設定されている場合もあります。
- 自己負担金が高い場合、いざというときに負担が大きいものの、月額保険料が安く設定されていることが多いため、保険料と自己負担金のバランスを見極めましょう。
- 加入条件の柔軟性
- 中古端末や海外製端末にも対応しているか、あるいは家族で複数台を一括で補償できるかなど、サービスによって大きく異なります。
- さくら少額保険の「モバイル保険
」では1契約で3台まで補償可能となっており、家族分のスマホやタブレットをまとめてカバーしたい人には便利です。

盗難・紛失時の対応フロー

万が一、スマホが盗難・紛失の被害に遭ってしまったら、慌てずに以下の手順を踏みましょう。適切に手続きしないと、補償が受けられない場合がありますので注意が必要です。
- 警察へ届け出
- 盗難の場合は速やかに警察へ連絡し、被害届を提出します。受理番号あるいは受理証明書を必ず保管しましょう。紛失の場合も、警察に遺失届を提出することで見つかる可能性があるだけでなく、保険金請求時の証拠としても役立ちます。
- 盗難の場合は速やかに警察へ連絡し、被害届を提出します。受理番号あるいは受理証明書を必ず保管しましょう。紛失の場合も、警察に遺失届を提出することで見つかる可能性があるだけでなく、保険金請求時の証拠としても役立ちます。
- 保険会社へ連絡
- 加入しているスマホ保険のサポートセンターに電話、もしくはウェブから事故報告を行います。多くの保険では「事故発生後○日以内」の報告が必要と規定されており(24時間以内〜48時間以内が一般的)、期限を過ぎると補償が受けられない場合があります。
- 加入しているスマホ保険のサポートセンターに電話、もしくはウェブから事故報告を行います。多くの保険では「事故発生後○日以内」の報告が必要と規定されており(24時間以内〜48時間以内が一般的)、期限を過ぎると補償が受けられない場合があります。
- 必要書類の提出
- 盗難の場合は警察の受理証明書や受理番号、端末購入証明書、場合によってはSIMカード番号なども求められることがあります。
- 修理見積書や端末購入証明、利用していたキャリアの契約情報など、保険会社が指定する書類を漏れなく用意しましょう。
- 審査と補償金支払い
- 提出書類をもとに保険会社が審査を行い、問題がなければ補償金が支払われます。支払いまでには通常1週間〜1ヶ月程度かかることが多いですが、キャリア系保険の場合は端末交換サービスが先に受けられるケースが多く、すぐに代替端末を使えるというメリットがあります。
- 保険会社によっては修理費の立て替えが必要な場合と、保険会社が直接修理費を負担してくれる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
スマホ保険:よくある質問
- 盗難・紛失時、スマホ保険の補償を受けるためにはどんな手続きが必要ですか?
-
まずは警察への届け出が最重要です。盗難の場合は被害届、紛失の場合は遺失届を提出し、受理番号や受理証明書を取得します。その後、スマホ保険会社へ速やかに連絡を入れ、必要書類(警察の受理証明書や端末購入証明書など)を提出して審査を受けます。提出期限(例:事故発生後24〜48時間以内)が設けられている保険も多いため、できるだけ早めに手続きを進めましょう。
- スマホ保険で盗難・紛失が補償されないのはどんなケースですか?
-
保険加入前に紛失・盗難したスマホ、故意の損傷や意図的な譲渡、非正規の改造やパーツを使用した端末は基本的に補償対象外となります。また、海外での盗難・紛失を補償しない保険も多く、国内のみが補償対象というプランも少なくありません。必ず保険規約を確認し、対象外となる条件を把握しておきましょう。
- 盗難・紛失に備えるスマホ保険を選ぶ際、どんな点に気を付ければいいですか?
-
大きく分けて4つのポイントがあります。
1. 月額料金と年間総額:月額だけでなく、長期契約の場合の合計費用を確認することが大切です。
2. 補償限度額:高額端末を使っているなら、5万円〜20万円程度の高めの上限額を持つプランを検討しましょう。
3. 自己負担金:3,000円〜1万円超など幅があります。保険料と自己負担金のバランスを見極めて選ぶと良いでしょう。
4. 加入条件の柔軟性:家族で複数台まとめて補償できるか、中古端末でもOKか、海外製端末が対象になるかなどを事前にチェックしてください。 - 携帯キャリアやメーカーの補償と、保険会社が提供するスマホ保険はどう違いますか?
-
携帯キャリアや端末メーカーの補償は、加入できる端末が限られる代わりに、修理や代替機の手配が迅速であるなどサポート体制が充実しているのが魅力です。一方、保険会社が提供するスマホ保険は、中古端末やSIMフリー端末にも柔軟に対応し、月額費用が比較的リーズナブルなものが多い傾向にあります。ただし、保険会社によっては盗難・紛失時の補償上限や自己負担金が異なるため、比較検討が必要です。
まとめ
スマホ保険で盗難・紛失が補償されるかどうかは、各プランの約款や条件によって大きく左右されます。補償の有無だけでなく、自己負担額、補償回数、そして加入時の端末状態など、細かいルールが設定されているため、加入前にしっかり確認することが大切です。
- 保険会社系:月額の安さや中古端末への柔軟な対応が魅力。複数端末をまとめて補償したい場合や、SIMフリー端末を使っている場合にも選択肢が広がります。
- キャリア系:修理・交換がスピーディーに行えるのが強み。機種変更と同時に自動解約されるため、面倒な手続きが少ない一方で、中古端末や海外製端末には対応していない場合が多いです。
- メーカー系:AppleCare+の盗難・紛失プランなど、特定メーカー端末に特化したプランはサポート体制が充実。一方で、他社端末に切り替えた時には利用できないなどの制約があります。
また、盗難・紛失は突発的なトラブルであり、誰にでも起こりうるものです。スマホ内にはクレジットカード情報や個人情報が多く含まれています。
万が一の際には、警察への届け出だけでなく、キャッシュレス決済やSNS、クラウドサービスなどのパスワード変更やアカウントロック対応など、セキュリティ面の対策も並行して行うことを強くおすすめします。
スマホの価値は単に端末価格だけではなく、個人情報や写真、連絡先、仕事上のデータなど、ユーザーにとって重要なものが詰まっています。
これらを失うリスクをいかに軽減するかという観点で、保険を検討するのも賢明でしょう。さらに、利用スタイルや家族構成、端末の購入形態(新品・中古・SIMフリー)、そして海外利用の有無などをトータルで考えて、最適なプランを見つけてください。
スマホは今やライフラインとも言える存在だけに、「備えあれば憂いなし」の精神で、適切なスマホ保険を活用して万全の体制を整えておくことをおすすめします。