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めんどくささの基準

 初めて動画でマジックループを見た瞬間から「めんどくさくて無理」と思ったくらいなので、できない自信はそれだけ強い。

 しかし、かつて「難しすぎて二度とやりたくない」と思ったこと(マジックループではない)がとりあえずこんな感じでできたので、
 どうせだからやってみるか、と思った。

 もちろん無理なのはわかっているのだが(できない自信が強固すぎる)、「思っていたよりは幾分めんどくさくないかも」くらいに思考を変えてみた。
 あくまでもできないのが前提。ただし、「ものすごく面倒で1段で投げ出す」レベルがひょっとしたら「3段くらいまでなら我慢できるかも」レベルかもしれない、と考えてみたというわけだ。

 結果。
 たぶん3段と半分くらい。増やし目をする段のあとにもう1段編んだのは確かなのでたぶんそのくらい。きちんと段数を数えられないくらいめんどくさくて編みにくかった。

 マジックループのやりにくさの一因は、輪針とコードの接続部分の段差だろう。実際、この輪針はシンフォニーウッドと違って段差があり、目を棒針部分に戻すのに非常に手間がかかった。
 自分の編み目がきついのかもしれないと考え、難儀しながらも途中からゆるめに編んでみてそれなりに解消したのだが、コードの接続部に近い方の2目くらいがどうやっても小さくなってしまう。これはマジックループ初心者にありがちなのか、どうなのか。自分のやり方がまずいのか、他に原因があるのか判断できない。
 それ以外の目は、コードを引けばするっと棒針部分に移動した。

 したけど。

 いちいちこんなのやってられるか……と思った。

 ただ手前の目を棒針部分に戻して、反対側の目はコードに移すだけだ。文字にしてみればそれだけ。
 5本針で編む場合は1本分が終わったら、あいた棒針を右手に持ち替えて編むだけ。

 あっそうか、5本針だと動作はひとつで、気をつけるのは「目がかかっている棒針を引っ張ってしまわないこと」だけで、自分の場合はこっちの方がやることが少ないからマジックループが面倒に感じるのか。

 いや、でも、たかが小さな動作の違いにすぎない。しかもマジックループの「目を棒針部分に戻す・コードに移す」を2アクションと考えると、5本針で棒針を持ち替えるのは1アクション。しかし5本針で必要なアクションは1周4回なのに対し、マジックループは2回だから合計4アクション。動作の数で考えれば同じ。
 ただし、ひとつの動作にかかる時間はやっぱり5本針の方が短くて済むか……そこが要因なのかな。

 なお、今回なぜだかできた5本針での作り目は棒針が大変に邪魔である。しかも自分が使ったのは20cmの長さ。わずらわしいとはこのことだ、と思う。だからマジックループに慣れた人は、以下の動画を見て「めんどくさくて無理」と思うのだろうな。

●How to do a closed toe cast on. The ARNE & CARLOS Sock Special


 かく云う自分もめんどくさくて難しくて……と思っていたのに、いざやってみたら以前ほど困難ではなかったという不思議。

 ここまで「無理だ」と思わせる動画は珍しいような気がする。棒針がガチャガチャしているし、果てしなく編みにくいに違いない、と思う。実際、棒針はガチャガチャするし編みにくい。でもこっちの方が自分にとってはマシだったという。なんでだ?