編集

レースは甘くない？

2025/03/22 ｜2025/03/23

　無事にカエルの座布団は見つかったが、「ドイリーでも編むか」と思った気分がおさまらない。ドイリーなどという代物がおよそ似合うわけのない部屋だし暮らしぶりだし、と思うが、編みたい。

　無気力や受動的というのは一般的によろしくないものと云われるけれど、自分に限っては意欲や能動性が原因でどれほど厄介なことに巻き込まれたりドツボにはまったりしてきたことか。人間、やる気のなさも必要だと思う。

　で、ドイリー。

　いわゆるレース編みというのは編み物のなかで自分にいちばん縁遠いものだと信じて疑わなかったけれど、何かのついでで偶然入手したレース糸があったので、2/0号のかぎ針で試しに編んでみた。

　いきなり手ごわい。

　何が手ごわいって、「くさり4目を輪にして、そこに16目の長編みを編み入れる」という特に難しくもなんともないことをやっただけで、この歪み具合。

　まず、くさり4目に長編み16目を編み入れるだけで既に輪はオーバーフロー状態で、終わりの数目は長編みを指でぐいぐいと寄せながらなんとか編み入れた。手本にした図が「くさりの目に編み入れる」という感じではなかったので束に拾ったのだが、目に編み入れた方がよかったんだろうか……でも1目に4目入れる感じじゃないんだよな、図は。

　だが問題はそこじゃない。長編みの高さだ。

　かぎ針編みでは、目の高さ（足の長さ？）が適切で揃っていると出来がよい、というのを聞いたことがある。まあこれは極端に目の高さが異なったケースを想像してみれば容易にわかる。

　だから最低限、1段がでこぼこにならないよう編む必要がある。

　……というのがわたしの持論だ。標準よりも高すぎたり低すぎたりしていても、揃っていさえすればまあ悪くない感じになるのではないかと思う。が、熟練者からすれば「揃ってりゃいいってもんじゃねえよ」と突っ込みたくなるかもしれないとも思う。

　けれどもともかく、プロでもなんでもない素人はまずは高さを揃えていれば充分ではないだろうか。

　高さを揃えるのは正直なところ、一般的に難しいことなのか、簡単なことなのか、よくわかっていない。というのも自分の場合、やっているうちになんとかなるのだ。もちろん意識的にやれば明らかに編み地はきれいになるが、とっとと編んじゃおうぜというノリでざくざく編んでいても高さは揃う。

　おそらく、編むことに慣れれば手の癖も安定するので、それで結果的に揃うのではないかと思うのだがどうだろう。

　それに加えて、上の段を編んでいくうちにいい具合に糸が引っ張られてバランスがとれる、ということもあるのではないか。グラニースクエアなんかはいい例で、最初の数段はくしゃくしゃしていても、段が増えるにつれてバランスよくかたちになっていくのだから。